ここから本文です

<北朝鮮ミサイル>日米韓、安保理に緊急会合要請

毎日新聞 2/13(月) 10:35配信

 北朝鮮は12日午前7時55分ごろ、北朝鮮西部の平安北道(ピョンアンプクド)亀城(クソン)付近から日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射した。米南部フロリダ州に滞在中の安倍晋三首相は11日夜(日本時間12日午後)、トランプ大統領と共同で声明を発表。「ミサイル発射は断じて容認できない」として、国連安全保障理事会決議を順守するよう求めた。

 北朝鮮のミサイル発射は昨年10月20日以来。国連安保理は日本、米国、韓国の要請を受け、13日午後(日本時間14日午前)に緊急会合を開く調整に入った。

 北朝鮮の国営朝鮮中央通信は13日朝、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の立ち会いのもとで12日に新型の中長距離戦略弾道ミサイル「北極星2」の試験発射に成功したと報じた。

 10日(日本時間11日)の日米首脳会談後に発表された共同声明は、北朝鮮に対し「核・弾道ミサイル計画を放棄し、さらなる挑発行動を行わないよう強く求める」と明記した。菅義偉官房長官は12日の記者会見で「日米首脳会談の直後に発射し、わが国や地域に対する明らかな挑発行為だ」と非難し、北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に厳重に抗議したことを明らかにした。韓国軍は「トランプ政権の北朝鮮に対する強い姿勢に対抗しようという狙いがある」と分析している。

 首相は(1)情報の収集、分析と国民への迅速、的確な情報提供(2)航空機や船舶などの安全確認の徹底(3)不測の事態に備えた万全の態勢--を政府に指示した。外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は同日、北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議の米国、韓国の首席代表と個別に電話協議した。

 共同記者発表で首相は「私とトランプ氏は、日米同盟をさらに緊密化し強化していくことで完全に一致した」と表明。トランプ氏は「米国は同盟国である日本を100%支持していく」と述べた。

 同行筋によると、トランプ氏の別荘でのワーキングディナーで、首相が「メッセージを出したい。記者団に北朝鮮について語るつもりだ」と述べたところ、トランプ氏が「それならば私も一緒に行く。隣にいるだけでもメッセージになるだろう」と応じ、共同で声明を発表することが急きょ決まった。

 首相は米国での一連の日程を終え、12日午前(日本時間12日夜)、羽田空港に向け政府専用機でパームビーチ国際空港を出発した。13日夕に帰国する。【田中裕之、パームビーチ(米南部フロリダ州)影山哲也、北京・西岡省二】

 ◇日米首脳発表の全文

 安倍晋三首相とトランプ米大統領が11日夜(日本時間12日午後)に行った共同記者発表の全文は次の通り。

 首相 今般の北朝鮮のミサイル発射は断じて容認できない。北朝鮮は国連安全保障理事会決議を完全に順守すべきだ。先ほど、大統領は首脳会談の中において、米国は常に100%、日本とともにあると明言した。そしてその意思を示すために今、私の隣に立っている。私と大統領は日米同盟をさらに緊密化し、そして強化していくことで完全に一致した。

 大統領 まず言いたいのは、米国は常に同盟国である日本を100%支持していくということだ。ありがとう。【パームビーチ(米フロリダ州)】

最終更新:2/13(月) 15:08

毎日新聞