- こちらの記事はこんな人にオススメです!
- 「起業したい」
- 「将来自分のお店がもちたい」
- 「会社にしばられずに働きたい」
- なかなか前にすすめない
- 何から始めたらいいかわからない
- 自分に自信をもてない
という夢はあるけど
という思いをもっている方
今回の記事は、「何となく将来起業したいと思っているけど、何から始めたらいいかわからない」という方のために書きました。
正直に打ち明けると、わたしは起業に向けてスタートするまでに、9年もかかってしまいました。
「は?!9年?なっが!」
と思われるかもしれません。
けれど、自分自身としっかり向き合わないまま毎日を過ごしていたら、9年くらいあっという間に過ぎてしまいます。
その失敗を踏まえて。
この記事にたどり着いてくださった方が、貴重な時間を無駄にしないように、起業するために今すぐに身につけたい考え方について書いていきたいと思います。
目次
起業するために必要なのはマーケット感覚
最近、社会派ブロガーちきりんさんが2015年に書いた『マーケット感覚を身につけよう』を読みました。
本を開いて「はじめに」を読み終えた段階で
「あ。わたしが9年前に読むべき本はこれだったわ」とまず思ってしまいました。
『マーケット感覚を身につけよう』をまるっとまとめて、簡単に一言で言うなら
まるで私が9年間もやもやしてきたことを「はい!あなたの気持ち、言葉にするとこれでしょ。じゃあ今からこうしなよ」と教えてくれている感じというか…
今まで、主婦や元OL、女子高生など、起業して次々と成功している人を見かけても「世の中には才能のある人っているんだなー」とぼんやり思っていましたが…
今ならわかります。
起業して成功するのは才能のある一握りの人ではなく、優れた「マーケット感覚」を身につけた人です。
ちきりんさんによれば、「マーケット感覚」は誰でも身につけることができると。
そして、「マーケット感覚」を身につけることができれば、誰でも今すぐに自分の強みを生かしたビジネスを始めることができると。
そういうことみたいです。
『マーケット感覚』とは?
ちきりんさんは、著書で『マーケット感覚』についてこう表現しています。
すばらしい学歴や職歴に加え、難関資格から専門知識まで持ちながら、不安から逃れられない人がいる一方、ずっと少ないものしかもっていないのに、「なんとかなる」「なんとでもなる」という自信とともに、世の中をわたっていける人もいます。この両者の違いがまさに「売れるものに気がつく能力」であり、「価値を認識する能力」の差です。本書ではこの能力を、「マーケット感覚」と命名しています。
ちきりん (2015) マーケット感覚を身につけよう「はじめに」から引用
マーケット感覚の有無によって、同じ人が、そしてまったく同じ環境が、「なんの取り柄もないモノ」に見えたり、「大きな価値のある、これからの世の中で強く求められるモノ=売れるモノ」に見えたりします。会社をやめることに不安を感じない人や、ごく普通の会社員から一点、異分野での成功を収めるような人は、なにか特殊な能力を持っていたよいうよりは、自分のごく身近にある「売れる価値に気づく能力」を持っているのです。
ちきりん (2015) マーケット感覚を身につけよう「はじめに」から引用
『マーケット感覚』=「価値を認識する力」
現時点では、これだけを頭に置いてみてください。
新しい資格なんかいらない!
マーケット感覚を身につければ、新しい資格なんていらないということに気づきます。
資格コレクターになっていたわたし
高校生の頃から「自分の好きなことで自営業がしたい」と何となく思っていたわたし。当時から心理学に興味があったので、心理学を学べる大学を受験。7年間かけて臨床心理士の資格をとりました。
その後心理士として仕事をしながらも、「開業するんだったらアロマの資格もあった方が強いかも!」と急に思い立ち、2年かけてアロマセラピストの資格を取得。
それでも不安だったわたしは、「実家の稼業である社会保険労務士だったら簡単に起業できそう」と社労士について勉強したり…「今はプログラミングの時代!」と思いRubyというプログラミング言語を学んだりしていました。
何をしてるんだ、とやっと気づく
迷走。
この時期のわたしを一言でまとめると、まさにコレ。
臨床心理士資格取得に7年。アロマセラピスト資格取得に2年。計9年かけてまだ起業してないの?アホなの?
圧倒的に時間を無駄にしてる!
この頃のわたしは、自分に自信がなく、それを資格でどうにか補おうとしていたようですが、いくら形だけ資格をとっても真の実力が身につくわけではありません。
だから不安になって、新しい資格をとる。でも実力がない。自信もない。だからまた資格をとる。
自分が負のループに入っていることに気づき、やっと抜け出したのが4ヶ月前のことでした。
自分には何ができる?
自分についてしっかりと考えてみます。
すると、「資格のないまっさらな状態のわたしでも、できることがいろいろある」ということに気づきます。
- 人と話す
- 人の話を聴く
- 本を読む
- 文章を書く
- ワード・エクセルができる
- スマホ・タブレットが使える
- 家事力
- 収納法を考える
- 育児スキル
- 勉強を教える
- 簡単な画像・動画編集
お金を払ってでも必要な能力があれば、わたしとの取引が成立する、ということですね。
もし、「できることって言ってもそんなの誰にでもできるじゃん。大したことなくない?」と思うようであれば、この先をもう少し読み進めてみてほしいです。
これまでわたしは、これらの価値を提供してきたのは、夫や子ども、親戚、友達など、身近な人に対してだけでした。
『マーケット感覚を身につけよう』を読んでわかったことは、これらは十分世の中に提供できる価値だということです。
自分のことを知れば、今の自分に世の中に提供できる価値があることに気づきます。それが、起業に向けての大きな一歩になります。
その価値を最も高く評価するのはだれ?
ただ、自分の価値を発見したとしても、その価値を欲しがっている人に提供しなければ意味がありません。
「自分が何を提供できるか」ということを「誰に」とセットで考えることができたとき、初めて「ビジネス」ができると思うのです。
例えば、わたしの家事力を世の中の専業主婦に提供してもあまり高く評価してもらえないと思います。
家事力は、家事の時間がとれない一人暮らしのサラリーマンや子育てと仕事を両立しなければならないワーキングマザーに提供してこそ価値があります。
「人と話す」という価値も、仕事で営業をしている人や、毎日大勢のクラスメートに会う学生なんかに提供しても、高い評価はもらえません。
一方で、マンションで一人暮らしを余儀なくされているおじいちゃんやおばあちゃんはどうでしょう。「人と話す」機会を欲しがっていると思いませんか?
実際に、コンビニやお弁当屋さんで、店員さんに長い間話しかけているおじいちゃんおばあちゃんはよく見かけます。
「勉強を教える」についても、有名大学を希望する高校生に教えることはわたしには無理ですが、小学生に簡単な勉強を分かりやすく教えるくらいだったらできるかもしれません。
自分の持っている価値を「お金を払ってでも手に入れたい」と考える人がどこにいるのか?
市場から新たな価値を見つけることとは
『マーケット感覚を身につけよう』の著者であるちきりんさんは、「インターネットの世界では新しい価値が次々と見つけられている」と言っています。
クックパッドの有料会員が得られる価値
cook pad
例えば、わたしが日々使っているクックパッド。無料で誰でもレシピを検索できるので、主婦の強い味方となっています。有料の会員になると、人気レシピをランキングで教えてくれる機能もついています。
わたしは有料会員なので、クックパッドの検索窓に冷蔵庫にある食材を入力するだけで、人気ナンバーワンの激ウマレシピを再現することができます。
調味料の黄金比をたった3秒で知ることができ、(料理下手のわたしにしては)家族に美味しい料理を提供できるので、かなり満足^^
ウィメンズパークの会員登録で得られる価値
WOMAN’S PARK
また、ベネッセの運営するウィメンズパークという育児サイトでは、子育てに関するニュースやコラムは会員登録をしなくても見ることができます。
一方で、自分が気になるニュースにコメントしたり、他の人の口コミを見るためには会員登録が必要です。
このように、わたしの周りでも今まで価値と気づかれていなかったものが「新しい価値」として次々に見つけられているようです。
気づかないだけで、世の中に潜在的に眠っている価値はたくさんあるんですね!
自分たちのサービスの価値を正しく認識する
自分が「もの」や「サービス」を提供したいと考えたとき、それらがどんな価値をもっているのか、正しく認識することが大切です。
自分の提供するものの価値を正しく認識するということは、簡単に思えて実はイチバン複雑で難しいことです。
予約のとれないベビーマッサージ講座
最近、「これがサービスの価値を正しく認識するということかも」と思った体験がありました。
地域の保健所が主催しているベビーマッサージ講座に参加したときのことです。
こちらは50分くらいの講座なんですが、保健所の数ある講座の中でも一番の人気で毎月、予約開始日に満席になります。
- ベビーマッサージの資格をもった講師の人がくるのかな?
- ベビーマッサージの方法や効果について教えてもらえるのかな?
- マッサージオイルはどんなものを使うのかな?
なんて、なんとなく考えていました。
期待していたベビーマッサージ講座は内容が薄かった?
そして当日。
ベビーマッサージ講座はどんな内容だったかというと…
- 講師は、いつも顔を合わせる市の職員さん
- ベビーマッサージについての詳しい説明は一切なし
- マッサージオイルについての説明もなく「なんかめっちゃ肌にいい高級なオイルなんよー^^」とニコニコしてるだけ
正直に言うと、ベビーマッサージ講座の内容としては、「そんくらい、風呂上がりに保湿クリームをぬるときにやってるよ!」っていうくらい簡単なものでした。
母親たちはどうして満足してるんだろう?
それでも、講座が終わるときにわたしの心にあったのは、
充実感。
何となくリラックスできた感。
赤ちゃんとしっかりコミュニケーションとれた感。
見渡すと、周りのお母さんもみんな笑顔。赤ちゃんをリラックスさせようとマッサージをしていたはずなのに、お母さん自身がリラックスできちゃってる。みんなハッピーな感じで帰って行く。
職員さんはマッサージについて専門的な知識もなかったし、特別なことは何もしていない。なのに、なぜわたしたちはこんなに満足しているんだろう。
ベビーマッサージ講座の本当の価値ってなに?
特別な資格もないただの市の職員さんが開催するベビーマッサージ。ベビーマッサージについての説明もないような簡単な講座なのに、なぜわたしたちはこんなに満足してるんだろう?
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母親の悩みを把握し、ニーズに合った価値を提供する
0歳児をもつママは、
- 「赤ちゃんとの時間がマンネリ化する」
- 「イライラしてしまう」
- 「母親としての自分に不安」
という悩みを抱えています。
そして、
- 「赤ちゃんと楽しい時間を過ごしたい」
- 「ちょっと息抜きしたい」
- 「赤ちゃんのために母親として何かいいことをしたい」
という欲求も持っています。
そのような母親の潜在的なニーズを考えると、職員さんが母親たちに提供すべき価値は
- 「マンネリ化しがちな親子の日常へ少しアクセントのある時間」
- 「親子が楽しくコミュニケーションできる時間」
- 「お母さんもリラックスできる時間」
ということになりますよね。
一方で、ベビーマッサージの効果やオイルの情報などについての説明が特になかったのは、それが職員さんがお母さんたちに提供したい価値ではなかったからです。
ベビーマッサージは本当に提供したい価値を届けるための道具にすぎない
ベビーマッサージ講座の50分間、赤ちゃんとお母さんがしっかり楽しめるような工夫はいっぱい散りばめられていました。
たとえば
「しっかりと赤ちゃんの顔を見てあげましょう」
「このタイミングで優しいトーンで声かけして」
など、職員さんはタイミングよく適切な声かけをしてくれたり
いつもは騒がしい保健所が、ベビーマッサージ講座の間だけ静かな環境になるような配慮。
お母さん同士が適度に会話できて、職員さんとも親しみやすい雰囲気づくり。
わたしが気づかないだけで、職員さんが工夫してたことはもっとたくさんあるんだと思います。
職員さんは優れたマーケット感覚を持っていた!
まとめるなら、
- 「マンネリ化しがちな親子の日常へ少しアクセントのある時間」
- 「親子が楽しくコミュニケーションできる時間」
- 「お母さんもリラックスできる時間」
さいごに
こちらの記事を
「資格も実績もいらない?今すぐに起業したい主婦が身につけるべき○○とは?!」
というタイトルにしていたのですが、
○○に該当する言葉は「マーケット感覚」でした!
まとめると
- マーケット感覚=価値を認識する力
- 提供したい価値を一番欲しがっている人を見つける
- サービスは媒体にすぎない。提供すべきはサービスの奥にある価値。その価値を正しく認識しよう
です!
長い文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございました^^