「網走番外地」シリーズに出演・谷隼人さんのトークイベントが開かれました

東映アクション映画を中心に上映するオールナイトイベント「もう我慢の限界だ! 杉作J太郎のジャスティス映画学園 II」が3日、東京・池袋の新文芸坐で開かれました。今回はトークゲストに谷隼人さんを招き、東映アクション映画好きの漫画家・杉作J太郎さんらが話を聞きました。「網走番外地・悪への挑戦」など「網走番外地」「新・網走番外地」シリーズにも出演している谷さんは、同シリーズでの高倉健さんの思い出などについて語りました。

「健さんのところに挨拶に行くと、『これで遊んできて』と2万円くれるんですよ。僕はそのころ家賃3千円のアパートに住んで、東映の専属料が2万円。同じ九州の先輩だし、もうこの人について行こうと思いましたね」。

谷さんが入社当時の東映は、高倉健さん、鶴田浩二さん、若山富三郎さんらの群雄割拠の時代。健さんは「旦那」、鶴田さんが「若」、若山富三郎さんが「先生」と呼ばれていたそうです。若手俳優はそれぞれ、派閥のように大物俳優につきますが、「(コーヒー好きな)健さんと一緒にいると、1日30杯くらいコーヒーを飲まなきゃいけない。若山さんはああ見えてお酒が飲めないので、甘味屋のはしごに連れて行かれて、若手がみんな音を上げてました」。「健さんと飲みに行くと夜の2時、3時。翌日の撮影に僕らは9時に行きますが、健さんは11時にしか来ない。メイクをしてるともう昼の休憩です」と、高倉健さんの悠揚迫らぬ大物ぶりも語りました。

谷隼人さん(右)の話を聞く、杉作J太郎さん(中央)とギンティ小林さん

谷隼人さん(右)の話を聞く、杉作J太郎さん(中央)とギンティ小林さん

さらに「網走番外地の北海道ロケは2週間くらいで、僕らはバッグひとつで行きましたが、健さんは大変なお洒落で、付き人がトランクを3つも4つも持ってきて、朝昼晩と着替えてました」「(新・網走番外地シリーズの)降旗康男監督はとても穏やかな人。逆に深作欣二監督のことを健さんは『疲れる』と言ってました。だから、一緒にやったのは『ジャコ萬と鉄』くらいしかないでしょう」(他に『狼と豚と人間』などもあり)などと、健さんのイメージを覆すような秘話も披露しました。

最後に「健さんは映画俳優、僕はテレビ俳優でした」と振り返り、映画俳優としての人生を貫いた高倉健さんを偲びました。(理事・加藤敦)

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