【主張】
日米首脳会談 揺るがぬ同盟への決意だ 「自由」の恩恵に資する対話を
単に尖閣諸島への第5条適用にとどまらず、軍事力の行使をためらわない中国や北朝鮮を抑止する効果的なメッセージとなる。
厳しさを増す地域の安保環境への懸念を共有し、同盟の強化や他の同盟・友好諸国との安保協力を進めることでも一致できた。
日米への牽制(けんせい)のつもりか、中国は南シナ海での演習のため、海南島からミサイル駆逐艦などの艦隊を出港させた。この海域では、中国軍の早期警戒機が米軍哨戒機に300メートルまで異常接近する挑発を行ったばかりだ。
トランプ氏がアジア太平洋地域での「航行の自由が非常に重要だ」と強調し、在日米軍の受け入れについて「感謝する」と語った点にも注目したい。
法の支配に基づく国際秩序の重要性を認め、「力による現状変更」に反対する基本的な価値観を共有できた意義は大きい。
経済問題では、日本企業が米国での現地生産で多くの雇用を生み出してきたことを首相が説明した。トランプ氏は自動車輸出や通貨政策に関して誤った認識に基づいて発言していた。誤りを正す機会を早めに得られてよかった。
ただ、これをもって、トランプ氏の対日観が改まったとみるのは早計だろう。世論を意識し、再び恫喝(どうかつ)的な対日批判を強めることも予想しておかねばなるまい。