本記事の内容には、「相棒-劇場版Ⅳ-」のネタバレ要素が若干ですが含まれています。
今後観る予定のある方はご注意ください。
どうも。
先日公開された「相棒-劇場版Ⅳ-」を早速観てきました。
実は僕、3代目相棒くらいからハマっている新参ファンです(;^_^A
ハマる前の作品は再放送や金曜ロードショーでほとんどマークしているのですが、劇場版を映画館で観たのは今回が初めてです。なので、非常に楽しみにしておりました。
相変わらずメッセージ性の強い社会派作品ですが、今回は昨今の社会情勢なども含めて、かなり考えさせられるシーンが多かったです。まぁ、構成上の粗も若干ありましたが(;^_^A
ということで、今回の記事では、相棒-劇場版Ⅳ-の感想を書きたいと思います。面白かったので、ぜひ一度ご覧になってください。
相棒-劇場版Ⅳ-の感想
お馴染みキャラ集合のファン待望オールスター作品
相棒-劇場版Ⅳ-を観ての一番の感想がこれです。とにかく、相棒の主要キャラクターが勢揃いの作品で、ファンにとっては嬉しい作品なのではないかと思います。
2代目相棒の神戸くんや、前シーズンで警察学校に異動した鑑識の米沢さん、映画初出演の社さんなど、新旧メインキャストを総出演させた相棒の集大成と言える作品となっています。
長いシリーズなので、色々あって出演できなくなったキャスト(苦笑)も多いわけですが、出演できる過去キャラは可能な限り出番を持たせたという感じですね。
社会派とコメディが混在する相棒独特の雰囲気
相棒と言うと、「社会派ドラマ」なんて表現されることも多いです。「貧困」「汚職」「現代病」「移民」「差別」「IT」など、時事問題をテーマにした考えさせられるストーリーが多いです。
今作のテーマも「戦争」と「平和」、そして「正義」とは何かを描いており、メッセージ性が強く、人によってはショックを受けてしまうようなストーリー構成です。このあたりの考えさせられる構成力、メッセージの伝え方は「さすが」と思いました。
その一方、相棒独特の各キャラクターの愛嬌と言うか、お茶目な部分を描くことで、ストーリー全体を柔らかくマイルドにしています。緩急を使い分け、緊迫したシーンでも随所に笑えるポイントを設けているのです。僕も思わずクスッとしてしまいました。
しかし、この雰囲気は相棒ファンからは面白いと思われても、一般の方からは「真面目で重いストーリーに水を差す構成」とも取られ兼ねないと思いました。物語終盤の緊迫したシーンでも、お茶目なやり取りがあったりしましたからね。
特に今作は、テーマが非常に重厚であるが故に、緊張感に欠ける感覚を抱いた方も多かったのではと感じてしまいました。
そこまでの「壮大なスケール」は感じなかった
CMや番宣などで「道路を封鎖して行われた撮影」「数千人のエキストラ」と史上最大のスケールを謳っていた割には、そこまでの迫力や規模感を感じることはできませんでした。
と言うのも、僕自身が「和製のアクション(?)映画」を観るのがかなり久しぶりで、ほとんどハリウッドばっかり見ていたのが原因にありそうです。日本のドラマ上がりの映画を本場と比べちゃ可哀想ですよね。お金のかけ方が違うわけですから(;^_^A
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ラストシーンは過去作の中でも秀逸だと思う
解決編からラストシーンにかけて、犯人の悲しい境遇と、犯行の動機が明らかになります。右京さん自身が「本当の正義とは何か」を自問自答しながら、少しずつ推理の紐を解いていくやりとりには、考えさせられるものがあります。
また今作では、右京さんが犯人に対して叱責をしませんでした。これも、物語の是非を結論付けず、観ている人に考えて欲しいという意図があったのではないかと思います。(もちろん、犯罪は法によって裁かれる前提です。)
ラストシーンで静かに佇む、右京さんと冠城くんが印象的です。「何故、あんなラストシーンにしたんだ?」「最後何が言いたかったのだろう?」と、視聴者への問いかけの姿勢を崩さないのが、社会派ドラマ相棒と言わしめる由縁なのかなとも感じました。
ちなみに、映画を観ると、公式ホームページに書かれている言葉
「命をかけても、守りたいものがある。」
が、犯人の想いであると気付くことができます。こう書かれていると、右京さんや冠城くんの警察官が国民を想う気持ちだと考えてしまいますが、物語終盤になると、この言葉の本当の意味に気付くことができます。
引用:相棒-劇場版IV-
ミスリードも含めて、非常に奥が深い作品だと思いました。
少しだけ残念だった点
個人的には、なかなか面白かった作品ではありますが、いくつか残念に思う点がありました。まぁ、これだけ話が大きく複雑になっているので、疑問点や矛盾点が出てきても仕方ないですけどね(;^_^A
その残念に思う点が以下の2つです。
①物語冒頭のモリスさん死亡
公式サイトの「キャラ相関図」にも描かれていますが、物語冒頭でモリスという方が犯人グループに殺害されます。
本作における唯一の死亡者がこのモリスさんですが、最期まで世界平和のために危険を顧みず活動していたモリスさんの殺害動機を考えると、一気に犯人の主張が薄っぺらくなるんですよね。
「結局、お前も都合のいいように犯罪起こしてるやないかい!」と。
まぁ、右京さんたちが動くために、誰かの死が必要だったのかもしれません。しかし、深い思想を持った犯人だからこそ、安易な犯罪を描いてほしくなかったなぁと思いました。
②犯人の所属する犯罪組織バーズ
そして、もう一つは犯人の所属する犯罪組織バーズについてです。
公式サイトの「キャラ相関図」にある通り、犯人は「犯罪組織バーズ」のリーダー「レイブン」ですが、この犯罪組織を登場させたストーリー的な意図が分からなかった(;^_^A
バーズについては最終的に深掘りされることなく、犯人である「レイブン」にばかり焦点が当てられています。単純に「映画的な都合上スケールを大きくしなければならず「犯罪組織」を登場させた」と感じてしまいました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
以上が、相棒-劇場版Ⅳ-の感想でした。
色々と辛辣なことも書いていますが、総じて、近年の「劇場版 相棒」の中ではなかなかに面白い作品だったと思います。
メッセージ性もバランスが取れているし、相棒ならではの面白さもしっかり含まれています。複数回観たら、それだけ発見がある作品だとも思いますしね。
ぜひ、お時間があるときに劇場で観てみてくださいね。
では、また。