酒井法子の元夫・高相被告に懲役1年6か月求刑…医薬品医療機器法違反の疑い
危険ドラッグを所持・使用していたとして医薬品医療機器法(旧薬事法)違反の疑いで昨年11月に逮捕・起訴された女優・酒井法子(45)の元夫で無職の高相祐一被告(49)の初公判が13日、東京地裁(佐々木一夫裁判長)で開かれ、検察は「依存症は強く再犯の恐れが大きい」として懲役1年6か月を求刑した。弁護側は「犯行を素直に認め刑罰よりも治療が重要」として執行猶予付の判決を求めた。即日結審し、判決言い渡しは3月3日。
起訴状によると、高相被告は昨年11月、東京・渋谷区のマンションで「PV8」と呼ばれる指定薬物0・593グラムを含む危険ドラッグを所持し、使用したとされる。高相被告は保釈されており、紺とグレーのストライプのネクタイを締め、グレーのジャケットを着て出廷。起訴事実を「間違いありません」と認めた。
高相被告は2009年8月、覚醒剤取締法違反(所持)容疑で逮捕され、同年11月、同法違反(所持、使用)の罪に問われ、懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を受けていた。執行猶予中の12年6月に、港区の自宅で麻薬を含む液体を所持した麻薬取締法違反容疑で逮捕されたが、処分保留で釈放されていた。酒井とは10年6月末に離婚している。
初公判には、薬物依存からの回復を目指す「日本ダルク」の職員の男性が証人として出廷。男性によると、高相被告は10年3月に同施設に入所したが、1年で「仕事がしたい」との理由で施設を離れた。
高相被告によると、危険ドラッグを使い始めたのは15年秋頃から。「日本ダルク」には16年の春頃に再び入所。だが、同年10月に「仕事がしたい」と施設を出たという。
高相被告は、施設を出てからは建築関係の仕事を始めたが、3週間後、危険ドラッグを使用してしまったという。「仕事に余裕が出てきたというか、疲れていたというか、残念ながら使ってしまった」と供述。検察から違法であることを知っていたか、問われると「友人からは合法的なものと聞いていたが、薄々は指定薬物ではないかと感じていた」と話した。高相被告は後悔していると言いながらも「残念」という言葉を繰り返した。
弁護人質問の中で高相被告は「一人ではどうにもならない。期限を設けずにダルクに居続けたい。『もういい』と言われても、今度はサポートする側になって骨をうずめたい」と薬物依存症患者を救う立場になりたいという姿勢を示した。裁判長から「それってちょっといじわるな言い方だけど、社会人としてやっていく更生を見切ったということ?」と問われると「見切ったというわけではないけど、再使用してしまったので(施設に)お任せしようと思います」と答えた。
検察が求刑を「1年6か月」とした後、高相被告は「ラストチャンスを頂きたい。もうこのようなことがないよう努力していきたい。何とぞよろしくお願いします」と執行猶予付の判決を求めた。