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川口春奈、広瀬すず、桜井日奈子 JR SKISKIの「恋愛戦略」とは何か? 「冬が胸にきた。」担当者に聞いてみた - 鼠入 昌史

 本田翼、川口春奈、広瀬すず、平祐奈、山本舞香……この今をときめく美少女たち、共通点は"JR SKISKI”のCMに出演していたことだ。「青春は、純白だ。」「ぜんぶ雪のせいだ。」などなど、印象的なキャッチコピーとともに青春の甘酸っぱさを感じるあのCM。今年は「岡山の奇跡」と呼ばれた桜井日奈子が絶賛出演中。キャッチコピーは「冬が胸にきた。」である。



まずはスノーレジャー人口を増やすという戦法

 今や若手女優の登竜門としてもすっかりおなじみになったJR東日本によるスキーキャンペーン"JR SKISKI”。その歴史は思いのほか古く、1991年度からはじまっている。当時はZOOの『Choo Choo TRAIN』をテーマ曲として話題をさらい、1995年度にはglobeの『DEPARTURES』がテーマ曲、江角マキコ・竹野内豊を起用していた。その後、一時期の休止を経て2012年度から現在のスタイルで再開。実は、90年代と現在のキャンペーンではその"狙い”に違いがあるという。


今年の顔は桜井日奈子 (JR東日本提供)

「90年代はバブル期の名残もあって、まだスキーブームも続いていました。なので、ターゲットは20〜30歳くらいの働く世代。ですが、今はスノーレジャー人口そのものが減少していて、特に若い人たちがスキーに触れる機会が少なくなっています。そのため、まずはティーンも含めた若い世代をターゲットにスキーの魅力を知ってもらうことを狙いにしています」

 話してくれたのは、今年度の同キャンペーンを担当したというJR東日本鉄道事業本部の宣伝グループ、高橋文さん。若い世代に人気のある女優を起用しているのも、できるだけ共感を抱いてもらい、「スキーって楽しそう」と思ってもらうためだという。


今回のキャンペーンを担当した高橋文さん

「もちろん弊社の列車を利用してスキーに行っていただけるのが一番ありがたい。けれど、それ以前にスノーレジャー人口が増えていかなければ、小さいパイを鉄道やバスなどで奪い合うだけで未来は明るくないですからね。それに、弊社の路線の沿線には多くのスキー場があります。スノーレジャー人気が復活することで沿線の活性化にもつながれば、という思いも持っています」

 まずスノーレジャー人口を増やすことで鉄道利用者も増やすという二段構えのPR策というわけだ。そのためには若い世代にスノーレジャーに興味を持ってもらうことが第一。そこで、CMづくりでもできるだけ若い世代に響くような内容にするべく工夫をこらしているという。

私は"ジャンプ派"なんで……

「CM内容やストーリーは主に広告代理店の方が考えてくださるのですが、時代に合わせた恋愛観などをうまく取り入れて共感を抱きやすくしてもらっています。昨年度は初めて2人の女優さんに出演していただいたのですが、サッパリしたライバル関係みたいなものも描けたのかなと。また、毎年担当社員を変え、その社員の恋愛観やアイデアをエッセンスとして入れることで、CM内容に少しずつ変化を与えているのも工夫のひとつでしょうか」

 かくいう高橋さんも今年初めて同キャンペーンを担当したとか。ならば、高橋さん自身の恋愛観などもCMに反映されている?

「いえ……私はそのあたりはほとんど何も言っていないんです。もともと恋愛ドラマとか少女マンガもあまり読まなくて、むしろ"ジャンプ派”なんで(笑)。それも『BLEACH』とか、どっちかというとハードなほうが好きなんです。ただ、そんな私のような女子でも興味を持ってもらえるようなCMにはできたのかなと思っています」


「BLEACH」が好きです

 で、気になるのはキャンペーンの効果のほど。すでにリニューアルから5年経ったが……

「スノーレジャーは天候にも左右されるので、正直どれだけ効果が出ているのかがつかみにくいんです。ただ、毎年いろいろな形で弊社のCMを話題にしていただいている。今年は本格始動前に赤城乳業のガリ子ちゃんを起用したことも話題になりました。それだけでも、スノーレジャーに興味を持つきっかけになっているのではと思っています」

海外ロケより人口雪のほうがお金がかかる

 最後に、撮影の裏話を聞いてみた。

「3年前までは国内でロケをしていたんです。撮影はまだ雪のない時期なので、人工雪をたくさん降らせて。でも、それだと雪がすぐに溶けるので"雪待ち”の時間ばかりが長くなってしまう。それで、昨年度からは南半球のニュージーランドに行って"本物の雪原”で撮影しています。人工雪って結構お金がかかるので、予算面でも海外ロケのほうが安くあがるんですよ」


スキー客向け臨時列車「シュプール号」の姿 (JR東日本提供)

 もともとJR東日本では国鉄時代からスキー客向けの臨時列車「シュプール号」を運行してきたし、最近も「シーハイル上越」の運行など積極的にスノーレジャーと関わってきた歴史を持つ。今シーズンのキャンペーンもまだまだ継続中。JR東日本は「即効性のあるキャンペーンではないと思う」としているが、これからは春スキーのシーズンも控えて期待は高まっている。


ありし日のシュプール号。旅情をかきたてられる(JR東日本提供)

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