日本人に人気の観光地・台湾。それも超豪華客船で周遊するツアーとくれば、胸がときめかないはずがない。ところが、大阪のある親子の?夢のクルーズ?はわずか2日で暗転した。子供が突然熱を出し、船医が「(感染症の)髄膜炎の疑いあり」と判断。いったん下船して台湾の高雄市で病院を受診し「髄膜炎ではない」と診断されたが、船医は納得しなかった。結局、船長の判断として、親子は追われるように船を下ろされたといい、ツアーを主催した旅行会社に、旅行費用など約180万円の損害賠償を求めて怒りの提訴に踏み切った。
訴状などによると、大阪市に住む小林朝子さん=仮名=が、その大型クルーズ船に乗り込んだのは昨年5月中旬のこと。親戚の家族と一緒に参加し、当時2歳の長男、1歳の次男も連れていった。神戸港を出発し、台湾3都市をめぐる9日間のツアーだった。旅行費用は80万円だった。
企画した大手旅行会社のホームページなどによると、イギリス船籍のクルーズ船は全長約290メートル、幅約37メートル。レストラン、バー、シアター、プール…。船内にはさまざまな娯楽施設がそろい、ダンスショーやコンサート、マジックショーなども開催されるという。
しかし、小林さんの夢心地の航海は長く続かなかった。乗船から2日後、幼い次男が熱痙攣(けいれん)を起こしたのだ。船内のメディカルセンターで診てもらったところ、感染性の髄膜炎の疑いがあると説明された。
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