彼らは昔からBSでしか放送していない作画崩壊アニメの話題で一日中盛り上がり、原作兼監督が謎のメモを残して降板したアニメを礼賛し、有名広告代理店がアメリカで企画したアレな玩具の販促アニメに平日夕方から熱狂し、メインキャラのCVが専門学校生だらけのアニメを一週間繰り返し再生……という具合に、わざわざ変なところがあるアニメを好んで視聴していました。
もちろんこんな人達はその場所の中でも少数派です。表立ってあれこれいわれることはありませんが、変人扱いされています。
そんな彼らでもたまーに確変を起こすことがあります。変なアニメの変なところをみんなに伝えて、その面白さを共有してしまうのです。その場所の人のほとんどは面白さにのめりこんでしまい、結果的に世の中ではあっという間に忘れ去られたのに、その場所の中でだけは未だに大ヒットしているアニメがたくさんあります。
さて。その場所はとても閉鎖的です。余所者と見れば八つ裂きにし、仲間でも規律を乱すならば即座に村八分にするようなおそろしい場所です。そんな場所に好き好んで住んでいるので、彼らのコミュニティはガラパゴスの生態系……いや蠱毒に使われた蟲のように歪な発展を遂げました。
強力なミーム(インターネットミーム)の発生です。
ミームに感染するとその話題について語りたくなったり、意味もなくその言葉を言いたくなってしまいます。先ほど面白さの共有と言いましたが、実態はこのミーム感染の一種です。そしてミーム同士も蠱毒のように混ざりあい喰らいあい、強力になって生き続けます。アニメ系ミームの感染者は放送終了後もそのアニメに執着し「もう4年経つのに走り出せない」「11年経つのにまだ二期が無い」と悶え続けます。
ではこのある種の精神汚染兵器とも言える「ミーム」をその場所から外へ持ち出したらどうなるでしょうか。そしてそのミームがある程度の普遍性(言い換えると感染力)を持っていたら。