2016年に買った絵本の中から特に(いろんな意味で)すごいやつを選び出してご紹介しようという今回の記事ですが、今ね、2017年2月半ば。前回更新は昨年12月。
(間)
はいこの間ですべてをご賢察頂いて!それではさっさと参りましょう。
まずは全体像から。
こうして拡げると一冊一冊、その本に出会った時のことと旅立っていった書籍費のことが鮮やかに思い出されます。これで一部ですよ今年も買ったなぁ。我が絵本人生に一片の悔いなし。
さて冊数も多いので、コンパクトにご紹介してまいりたいと思います。
「まんげつの夜、どかんねこのあしがいっぽん」
ひとりぼっちのノネコは、食べてばかり。
さみしいと、心のかわりにおなかをみたしてしまう。
とうとう、ノネコは、ともだちをさがしにでかけた。
まんげつの夜は、猫たちの特別な夜。
(カバー裏より)
色鮮やかな版画で描かれた猫たちの姿が実にいきいきとしているこの本。
さみしくて食べてばかりのノネコが、ひょんなことから土管にすっぽりはまってしまいます。
そこへ現れるのは様々な、個性豊かな猫たち。
猫好きの方はもちろんのこと、引っ込み思案・口下手・外見など、コンプレックスを抱える子供や大人の心にやさしく響く絵本です。
読み聞かせ…目安は15分~20分
対象年齢は年長さん~小学校高学年くらいまで。(主婦の独断と偏見による)
次にご紹介するのは
「アニマリウム ようこそ、動物の博物館へ」
「今、地球上には、およそ190万種の生き物がいます。
それは私たちが存在に気づき、一つ一つ名前をつけたものです」
という言葉で始まる、日本語版監修の動物学者・今泉忠明氏の言葉。
この本はあらゆる生き物の進化を、分類学によっていくつもの枝に分かれた動物たちを、美麗な精密画と端正かつ的確なテキストで描き出す、圧巻のボリューム(サイズはなんと約38×28×2㎝)の博物絵本なのです!
「アニマリウム」のどこがすごいかというと…絵がすごい!ボリュームがすごい!迫力がすごい!解説がすごい!要するに全部すごい。
精密画について、写真みたい!という(まるで悪意のない)賛辞がよく見られます。
またそれに対して、写真と同じように描くなら写真でいいじゃないか、という揶揄もしばしば見られます。
でも!それは違う!と言いたい。少なくともこの本に描かれた動物たちは、同じポーズの写真よりもはるかに多くのことを私たちに物語ってくれます。絵でなければならない理由があるのです。
動物を精密に描こうと思う時、当然、その動物の骨格から筋肉の付き方、更にそれに派生する食性や習性に至るまでの知識が必要となります。
それらの膨大な知識を線と点と色に落とし込む時、自ずとその筆致には、その生き物特有の部位、驚嘆すべき生命の仕組みが自然と強調されるようになるのです。
写真だと、光の加減やちょっとしたポーズの違いで隠されてしまう細やかな命の仕組みが、絵にすることによって鮮やかに描き出されるのです。
これを買った当初、ツイッターでこの本がすごいんですよ!と興奮気味に紹介しましたら、自然科学に興味のあるフォロワーの皆様の目に留まり、私も買いました!すごかった!と大いに盛り上がり、ちょっとした話題になったのが大変うれしかったです。
あっさり紹介すると言ってたのについ鼻息荒く語ってしまった。
それくらい凄い本だということで、どうかひとつ。
読み聞かせ…多人数への読み聞かせにはあまり向きません(テキストもページ数も膨大のため)が、ブックトークや、こういう本があるよ!図書館で見つけたら見てみてね!という紹介などは是非してあげてほしいと思います。
対象年齢は、生き物に興味のある人間なら何歳でも。
「おおきなかしの木」
- 作者: エリザベスローズ,ジェラルドローズ,Elizabeth Rose,Gerald Rose,ふしみみさを
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/10/25
- メディア: 大型本
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むかしむかし、どこかの森の中で、リスがうっかり口から落としたドングリが芽を出しました。
芽はどんどん大きくなり、立派なかしの木になります。
やがて時代は流れ、周りの木々はどんどん切り倒され、かしの木の周りには村ができて…
1本のかしの木の静かで、そして劇的な一生を、秀逸な構図と活き活きとした描写、そして抑えたトーンのテキストで描き出す傑作です。
このかしの木は、喋りません。動物たちも喋りません。絵に寄り添うテキストもまた、木や動物たちに感情移入をすることはありません。
ただ、そこにあるだけの美しさと命のはかなさ、力強さ。
こういう絵本が、忘れられずに読み継がれていってほしい、と願わずにはいられません。
読み聞かせ目安は6~7分。
対象年齢は年中さんくらいから~ですが、結末は小さな子には少し悲しすぎるとも思えるお話です。個人的にはぜひ小学校中学年~高学年くらいの子に読んでほしいと思います。
「のはらでまたね」
ハイパー癒しタイムうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!
これはね、2016年に買った中で迷いなく、最も和む絵本です。なごみナンバーワン。
春のね、春の絵本なんですよ。作中の季節は冬なんだけどこれは春の絵本です。
たぬきが、友達のこぐまに黄緑色のマフラーをもらいます。
マフラーを知らないたぬきに、ことりがいいます。
「これ、のはらよ。みどりの のはら。
うんと さむいときのために、こぐまが はるのかけらを くれたのよ!」
真冬の森の中に突然現れた、温かいのはら。
そこに動物たちが集まってきて…というお話。
絵もテキストもふんわりと柔らかくて、読んでるこちらの口もつい、ほころぶような。
冬から春にかけて、まさに今の季節におすすめの絵本です。
読み聞かせの目安…4~5分
対象年齢…2歳~小学校低学年くらいまで。
というわけで2016年に買ったすごい絵本その①でした。
結局いろいろ書いてしまった!果たして2月中に全て紹介し終わるのか!?
他の記事もはさみつつ、ゆっくり書いていきたいと思いますので、よろしければのんびりお付き合いくださいませ。