【ヒューマン】
菊池桃子(右)とは彼女の主演映画「アイドルを探せ」(1987年)で兄妹役を演じた。30周年盤で初デュエットが実現した【拡大】
他にも「さよならのオーシャン」(86年)や「最後のHoly Night」(同年)など代表曲も収録。作詞も担当した新作「River」では、♪好きな人と好きなだけ 楽しむために君はいるんだよ…と歌うなど、“好きなこと”や身近な人や仲間を大切にしてきた杉山の人生観がにじむ。
「音楽は小学生のときに趣味で始めた。歌を作れるのは恋もケンカもしたからだし、振り返れば好きな音楽だけをやってきた。それは仲間や売れないときに支えてくれたライブハウス経営者、ファンのおかげ。だからこそ今の僕がある」とさりげなく語る言葉の端々に、周囲への感謝があふれ出す。
横浜市内の海に近い家で育ち、両親は今も健在だ。母は元邦楽の師範。5歳のころから三味線を厳しく仕込まれたが、小学5年のときに友人の兄から借りたビートルズの歌のかっこよさにハマり、ギターを弾いて歌うようになった。高校ではバンドを組み、卒業後から本格的な音楽活動を開始。元警察官僚の父からも「モノになれば、好きなことをやるのは構わない」と背中を押され、愛され続ける歌手になった。