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【芸能・社会】

清水富美加「千眼美子」で再出発 「神のために生きたい」

2017年2月13日 紙面から

 女優の清水富美加(22)が宗教団体「幸福の科学」に出家(就職)し、芸能界を引退する意向であると報じられたことを受け、幸福の科学グループの専務理事で広報担当の里村英一さんと、清水の代理人・佐藤悠一弁護士が東京都内の教団綜合本部で会見した。教団側は清水の直筆コメントを配布。その中で清水は「神とか仏とか、あの世とか、確かめようのないものを、私は信じ、神のために生きたいと思いました」とつづり、芸能界引退と出家を正式に表明した。

 「約8年、このお仕事をさせていただきましたが、その中でお仕事の内容に心がおいつかない部分があり、しっかりとした生活が送れず、毎日がギリギリの状態でした」。清水は直筆コメントで出家を決意した理由について、そう記した。

 里村さんは「芸能界にしばしば見られる奴隷契約、そうした雇用、就労関係があったのが大きな点」と指摘し、睡眠時間が3時間ほどの過酷な状況の中、丸ひと月働いても月給が5万円、ボーナスもない時期があった事例を紹介。さらに水着のDVD撮影など、意思に反した仕事を入れられ、「断ると干されるという恐怖の中で仕事をしていたと(清水が)言っていた。周囲に『死にたい』と、多いときには週1回漏らすようになりました」と明かした。

 清水は物心ついたころから幸福の科学の信者で、思い悩むたびに祈願を受けて心の支えにしてきたという。そんな折、今年1月17日に大川隆法総裁が清水の守護霊とインタビュー(イニシエーション)をした。その後に総裁にも直接会い、「長年抑えていた思いが噴き出した。これをきっかけに天命を確信して(清水は)出家をするに至った」と里村さんは説明した。

 28日に清水とチーフマネジャー、佐藤弁護士らで話し合いの機会を設け、教団側は2月末で所属事務所に契約を解除するように申し入れた。しかし、5月20日まで契約を残している事務所側は「『せめて決まっている仕事はやってもらわなきゃならない』という姿勢に出た」と主張する。

 事務所側が提出したスケジュール予定には仕事がびっしりと詰まっていて「それを見た清水さんは大きな傷を受けた」という。2月6日に与えられた仕事をこなした翌日、専門医の治療を受けた結果、「生命の危険があり、約半年の休養が必要」と診断されたため、ドクターストップを理由に全ての仕事を休む状況が続いている。

 「役者さんがSOSをあげても、事務所側は仕事だからやるしかないと言うばかり。突然スケジュールの穴をあけたのではなく、仕事の整理をしたいのに、事務所が『やれ』という一点張りだった」とし、「タレントを商品のように扱うブラック企業だ」と里村さんは批判した。

 大川総裁は宗教上の緊急救済の必要があるという理由で清水の出家を認め、「千眼美子(せんげんよしこ)」という法名を与えた。千の眼で闇夜で苦しんでいる人を探し、千の眼で救う、千手千眼観音菩薩(ぼさつ)に由来するという。清水は休養後、この名前で宗教家として再出発する意向だ。

◆生放送を欠席

 清水は12日、NHKの生放送の音楽番組「シブヤノオト」(原則月1回、日曜午後5時5分)を欠席した。清水は同番組でお笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実(41)とともにMCを務めている。

 番組冒頭、徳井が「きょうは清水富美加ちゃんがお休みなんで、この(渡辺)直美と義実でお送りします」と報告したが、清水の欠席理由には触れなかった。

◆清水の事務所側が反論

 幸福の科学の会見を受けて、清水の所属事務所レプロエンタテインメントが12日夜、東京都内の事務所で会見を開き、教団に反論した。

 同社側の山縣敦彦弁護士によると、清水から信仰の告白と出家したいという申し出を受け、新規の仕事は入れず、決まっている最低限の仕事を片付けるべく教団側弁護士と協議を重ねてきたという。その最中に教団が会見を開いたことを「遺憾」と非難し、「多くの事実と違うところが含まれている」と指摘。清水が意に沿わない仕事をさせられてきたとしていることについて「やりたくないというのを押しつけたことはない」と否定。金銭面についても「仕事に見合う適切な報酬を支払ってきた」と反論した。

 清水が生命に危険が及ぶほど体調不良だという点については、「信仰の告白、出家という話だったのが、後から健康問題が出てきた」と不信感を隠さなかった。

 所属事務所によると清水と事務所の担当者が最後に面談したのは1月25日。この時、既に信仰は告白済みだったが、今後の出演作品について前向きだったという。山縣弁護士は清水に対する損害賠償請求を「話し合いが付かない場合はありうる」としたが、現時点では話し合いでの解決を目指す意向を示した。

◆「幸福の科学」側 製作中の映画、違約金発生なら話し合いの席へ 

 清水の主演映画「暗黒女子」(4月1日公開)と、ヒロインを務める「東京喰種 トーキョーグール」(7月29日公開)、映画とドラマ連動の主演作「笑う招き猫」(映画は4月29日公開、ドラマはTBS系で3月21日スタート)が予定されているが、既に撮影は終了している。

 これに加えて別の出演映画が製作中だが、体調不良を理由に撮影などは欠席しており、清水自身も「関わらせていただいた方々にご迷惑をおかけしている事、しっかりと自覚しています」としている。

 今後の撮影に影響が出るのは必至だが、佐藤弁護士は仮に違約金が発生した場合、話し合いに応じる考えを示した。一方、2月下旬の契約解除については、契約期間が残っていることから、双方の代理人による話し合いは難航している。

◆内田理央は困惑 ニュースで知った

 清水と同じ所属事務所の女優内田理央(25)はこの日、東京都内で、結婚式情報サイト「ウエコレ」が主催するウエディングドレスショーにスペシャルゲストとして出席=写真。清水の件について、「まったく知らなくて、今日、朝のニュースで見て知って驚いています」と困惑気味。5、6年ほど前に一緒に食事をして以来、あまり深い交流はなかったという。

 イベントでは、自身の結婚願望について「27歳で結婚したかったんですが、今年26になるので無理かな。理想は30歳までに」などと語った。

◆「のん」いまも対立

 清水の所属事務所では、所属する能年玲奈(23)が2015年1月、演技指導を受けていた女性演出家とともに無断で個人事務所を設立して独立。契約の終了期間をめぐって現在も双方が対立している。能年は昨年7月、「のん」に改名した。

 教団側によると、清水はこのことを意識してか、「業界のルールに従わないと、この世界では生きていけない。自分の本名すら自由に使えない」と訴えかけたという。

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