韓国近海、乱獲と気候変化で漁獲量急減

 中国の違法操業漁船による被害も大きい。中国漁船は韓国海域で魚を根こそぎ取っている。韓国海洋水産開発院は中国の違法操業漁船による被害を年間10万-65万トンとみている。その上、多くの魚種では黒潮に乗って中国沖を経て、韓国海域に到達するため、違法操業でなくても中国の漁獲量が増えれば増えるほど、韓国の漁獲量は減少する。海に投棄された網にかかった魚が死ぬケースや埋め立てなどで魚の生息環境が変化していることも漁獲量減少の一因だ。気候変化で海水温が上昇し、本来韓国沖に生息していた魚が北へ移動していることも問題だ。

■魚が値上がり、政府が対策検討

 漁獲量の減少で魚の価格が大幅に値上がりしている。統計庁によると、昨年の魚類・貝類の消費者物価上昇率は3.1%で、全体の上昇率(1.0%)を大きく上回った。政府は禁漁期を設定したり、網の穴の大きさを制限したりするなど水産資源保護対策を講じているが、効果は限定的だ。

 海洋水産部関係者は「90年代初めまで、水産資源を保護すべきだという認識自体がなかった。漁民を説得しなければならないという現実的問題もある」と話した。海洋水産部は当面、卵を持っている魚を食べないようにする運動を展開するほか、養殖場で幼魚をえさに与えることを禁止することなどを盛り込んだ総合対策を発表する予定だ。

クァク・レゴン記者
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