【コラム】不確実なのは米中ではなく韓国の方だ

 「ストロングマン(strongman)」の異名を持つトランプ氏と習近平氏の態度は、不確実なことがない。トランプ氏は年間250億ドル(約2兆8000億円)に上る韓国の対米貿易黒字を減らすためにFTAを改正する可能性が高い。年間1兆ウォン(約980億円)に上る在韓米軍分担金も、もっと支払うよう迫ってくるはずだ。習近平氏のTHAADに対する報復も決して言葉だけでは終わらせないといった雰囲気だ。これについては明確で具体的な対策を立てる必要性がある。

 現在不確実なのはむしろ韓国の方だ。大統領選の有力候補たちは、具体的に外交や安保に対する案件について「とてつもない交渉を繰り広げなければならない」「外交の力でいくらでも解決できる」といった曖昧な発言を繰り返している。THAADの延期論で不確実性をけしかける者もいる。官界では「韓米FTAは米国にとっても利益なのにまさか手をつけるわけがない」「在韓米軍は中国けん制にも必要なのにまさか撤収するわけがない」「国際社会の目があるのにまさか中国が報復に乗り出すわけがない」などといった反応が大勢を占めている。全ては非合理的な楽観主義にすぎない。この「まさか」という態度が、人や国を駄目にしていることに誰も気付いていないのだ。

アン・ヨンヒョン国際部次長
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