韓国に史上最悪の「就職氷河期」到来

 大学を卒業してから、通常1年程度の準備期間を経て就職する人が多いことからみて、09年入学の男子学生、11年入学の女子学生も就職氷河期を経験する可能性がある。

 政府は苦悩を深めている。雇用労働部の李基権(イ・ギグォン)長官は「今年2月の大学卒業生から当面、1997年の通貨危機以降の20年間で就職が最も困難な時期を迎える」と述べた。4年制大学の卒業生を含む韓国の青年(15-29歳)の失業率は今年、初めて10%を突破することが確実だとする見方もある。

 通信大手A社は昨年、大学新卒の採用規模を30%減らしたのに続き、今年は採用を見送ることを決めた。同社は15年まで毎年100人前後を採用していたが、「当面は大学新卒者の採用を実施せず、代理店など現場勤務要員を随時採用する方針を決めた」と説明した。

 史上最悪の受注不振に苦しむ大手造船業界でも今年の採用人数が数百人減少する可能性が高い。造船大手関係者は「受注残高の急減で、現役の従業員を削減しなければならない状況だ。大規模な新卒採用は考えられない」と話した。 

 10-14年に入学した大学生が今年から就職市場に順次参入するが、採用拡大を検討できない企業が多い。内外の悪材料が相次いで生じ、景気の先行き不透明感が高まっているためだ。大企業関係者は「海外ではトランプ米大統領の就任以降、各国が為替戦争を展開する兆しが見えるほか、国内では『崔順実(チェ・スンシル)事件』で正常な企業経営ができない状況だ。こうした状況で企業は本能的に投資や採用を減らそうとする」と指摘した。

金起弘(キム・ギホン)記者
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