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三軒茶屋で飲むならここ!



2017年2月2日(木曜日)
【ウェールズ】 リル ~ ビューマリス





今日はピザで朝昼ごはん。




テスコで買うとこんな大きいやつが3ポンド。420円。

オーブンはないけど鍋で温めれば十分だ。

















ご飯を食べてからちょこっとメールチェックにスーパーに寄ったんだけど、パッとフェイスブックを開いたらカッピーの投稿が出てきた。

よんちゃでちょっとトラブルがあったらしい。




よんちゃといえばカッピーが東京の三軒茶屋でやっているライブバー、四軒茶屋。


東京でバリバリに活躍する若手ミュージシャンたちが集う店で、オールジャンルのライブからアート作品の展示、著名人の講演会や漫画家さんの個展まで本当様々なことをやってるカオスなお店。


夜中にふらっと店に入ったら詩人がチンチン出してたりします。

詩人がチンチンて。


強烈なお店で、集まるやつらもクセが強いけど、隣の席の人がどこどこのプロデューサーさんだったとか、レコード会社の役員さんだったとか、日本で1番レコード売った人だったとか、カッピーの謎の人脈によってすごい大物が普通に飲みに来たりする。

有名アーティストのマネージャーさんとか、有名な書道家さんとか、どこどこの社長さんとかオカマの変態とか、このお店でどれだけ知り合いが増えたかわからん。


三軒茶屋はオシャレなエリアだけど、その中でも異彩を放っているこのよんちゃ。

でもカッピーのいい意味でのテキトーさのおかげですごくリラックスできるお店。


みんなカッピーの人柄に惚れて店に通っている。


俺も東京に行く時はいつも入り浸ってるし、ライブも何回もやらせてもらった。







よんちゃのすごいところはライブをするにしてもチケットノルマがないところ。


あ、ごめんなさい、さっきカッピーに確認とったらイベントによってはごくたまーにノルマあるみたい。




そのチケットノルマってやつなんだけど、これってだいたいどこのライブハウスにもあって、ライブが決まった時点で10人とか15人とかのノルマが課せられる。

それだけはお客さん呼んでくださいねーってこと。


では呼べなかった場合はというと、演者の買取になる。


そんな15人くらい呼べるやろーってみんな思うだろうけどこれがなかなか大変で、月に何本もライブしていたら毎回ノルマをクリアするのって結構難しい。

名の知れたプロでも5人とかそんなのザラ。


俺は経験ないけど、お客さん1人の前でライブするという悲惨なことを経験してる人も少なくない。

下手したらゼロでライブ中止ってこともある。


そうなるとお店としてはやってらんないので演者にノルマをかけて最低限の利益を確保するってのが一般的なライブハウス事情。

ハコや機材を維持するのは金のかかることなのでこれは店側としてもどうしようもない。

せっかくの土曜日の夜に客5人だったら大赤字だ。





チケットの値段がアマチュアだとだいたい1500円くらいなので、ノルマに10人足りなかったら15000円の自腹。自腹切ってライブしないといけない。

ライブをやるためにバイトして金使って、何やってんだろってなってしまう。



もちろんノルマ以上チケットを売ることができたら、1人につき50パーセントとかが演者にバックされる。
店によってパーセントはまちまちだけど、これがライブのギャラになる。


はっきり言ってシビア。

東京のライブハウスなんてすごくビジネスライクで、演者ですらノルマ代を払ってくれるお客さんみたいな扱いをされるところもある。






ライブをやったことのある人ならばこれは必ず通る道で、ミュージシャンの卵はいつもノルマに追われてヒーヒー言ってる。


自分自身サックス吹きであるカッピー。

ミュージシャンたちの事情をよく分かっているので、ライブをやるためにノルマでヒーヒー言わなきゃいけないようなシステムはおかしい!!と、いつも店側が一生懸命集客して赤字覚悟でミュージシャンたちに演奏の機会を作ってくれている。


しかもライブのない日でも、よんちゃにはチャージがない。

東京の三軒茶屋なんてカフェでもチャージを取られるような町なのに、駅から2分のところにあるよんちゃでチャージがないってマジで良心的っていうかカッピー大丈夫?ってなる。

おかげで金のないミュージシャンやアーティストたちも気軽に集まれる。



それくらいカッピーはミュージシャンのことを考えている。









んで、冒頭のトラブルに戻るけど、ある日欧米人のミュージシャンからよんちゃに問い合わせがあってライブをやらして欲しいとお願いされた。

無名の人なので集客も期待できないのでギャラはナシでもいいですか?と言うと、相手もそれでいいよということに。


でもせっかくだからたくさんの人の前で演奏させてあげたいのでカッピーも頭をひねって他のイベントとかぶせて集客し、結果当日はかなりのお客さんが集まったそうだ。


ちなみにその欧米人ミュージシャンのお客さんは1人だけだったみたい。


がしかし、ライブが終わってからその欧米人ミュージシャンにギャラを要求されたらしい。


その日のイベントには3000円の入場料があった。入場料があるのにそれがミュージシャンにシェアされないのはアーティストを軽く見てるって言い分だ。

言いたいことはわかる。


でもその入場料はイベントの食事代や飲み放題の料金であって、経費を考えたらそれこそ赤字。


そもそも最初からギャラが欲しかったらそう言えばいいだけのこと。
それだったらカッピーも入場料をもう少し上げたり、投げ銭を促したり前もって工夫ができた。



もしその人が自分でお客さんをたくさん連れてきてたらカッピーもそれなりに払ったはず。

でも1人しか呼ばないでギャラはない。むしろノルマ代を払わないといけないくらいだ。

でもカッピーは演奏のお礼にミュージシャンにお酒を振る舞った。



腹を立てた欧米人ミュージシャン。

その後、SNSを使って色んなところでよんちゃの悪口を言いふらして回ってるらしい。

あそこはアーティストをなめてるって感じで。



悲しいよなぁ。
カッピーはミュージシャンのことを考えてやってるのに。







俺も昔こんなことがあった。


とあるライブハウスでワンマンの話をもらったんだけど、主催は別の人。

主催のかたがライブを企画し、僕にオファーをくれた形だ。

無事ライブも満員で盛り上がり、ライブハウスのマスターにもお礼を言い、主催者さんからギャラもいただいた。

打ち上げもやり、おかげさまでいい日になった。




がしかし、それから2年くらい経ったある日のこと。

あるライブで三上寛さんの前座をやらせてもらった時に、その会場に2年前のライブハウスのマスターがいた。

あ、どうもお久しぶりですーと挨拶したんだけど、いきなりマスターに建物の外に連れて行かれた。

そしてマスターは、驚くことを言ってきた。


2年前のライブのハコ代をもらっていないので今ここで払ってくれって。


めっちゃビビった。

2年前の話を今ここで!?
しかも主催者じゃなくて俺に!?


ハコ代とかチケット代とかそのへんのことは全部主催者さんがやってくれていたので俺はノータッチ。

それをたまたま2年ぶりに会ったこの時に、思いついたように俺に要求してくるなんてバカげた話だった。


主催者さんに言ってくださいよ!なんで僕にそんなこと言うんですか?!と突っぱねたんだけど、マスターはお金をもらえなかったことで怒り、金丸は泥棒だ、とか、あいつはライブさせてもらってお礼の挨拶もしなかったとか、ひどい嘘を言いふらしてまわっていたそう。


本当、一体どこにあんなモメる要素があったのか謎だった。






今回のよんちゃの話にしても、カッピーは良かれと思ってやったのに相手は怒ってよんちゃの悪口を言いふらしている。


悲しいよなぁ。

誰もモメたいなんて思ってないのになぁ。



カッピー、元気だしなよ。

カッピーがミュージシャンを大切にしてるからこそよんちゃは3年も三軒茶屋で愛されてるんだもん。




みなさん、もしお時間あったら三軒茶屋にある四軒茶屋に遊びに行ってみてください。


店のドア開けた瞬間、チンチン出した詩人がいるかもしれないけど無視して入っていただいて大丈夫です。

みんないいやつらなんで。


そんでカッピーにオーストラリアのフランス人の話を聞いてあげてください。

きっと喜ぶと思います。
















さてええええええええええええ!!!!!!

よんちゃの宣伝ウルトラしまくったところでウェールズ回るぞコンチクショウ!!!!



ウェールズとはブリテン島の西部にあるイングランドと隣接した小さな国で、人口は300万人。首都はカーディフ。


え?どこがウェールズ?ってくらい目立たない場所だけど、リバプールの下からぽこっと飛び出した長方形のところがそう。



ではウェールズには何があるのか?

それはもうラピュタのイメージしかないですよナウシカさん。


なにやらあの映画のモデルになったのがこのウェールズらしく、ラピュタにまつわる名所がポツポツと点在しているみたいですオッコトヌシさん。




その中でも1番有名なのが、ラピュタの最初のシーンである炭鉱町。

あれは南ウェールズに実際にある、かつての炭鉱跡がモデルになっているんだそうですよカオナシさん。


映画の中に出てくるあのパズーや親方たちがいる炭鉱町といったら、断崖絶壁に囲まれた谷に町が密集し、その深い谷の上に木造の線路が架かっているという、漫画でしか考えられないようなロマン溢れる地形。


そんな場所がまさかこの世にあるなんてマジでヤバくないですか花山薫さん!?



と興奮していたんだけど、ネットで調べて写真見てみたら普通のどこにでもある炭鉱跡みたいなので却下。

それにちょっと遠いです。







じゃあ他にないのかなと思ったら、なんとあのシータが閉じ込められていたお城のモデルになった古城があるというではないですかビスケットオリバさん!!!!


シータが閉じ込められていたお城といえば、草原の中にポツンと佇む巨大なお城で、巨神兵が復活してうっひょおおおおあお!!!と火の海にしてパズーがシータを間一髪で救出した、あの手に汗握る名シーンを繰り広げた場所ですよ!!!!


これが興奮せずにいられますか寂海皇さん!!!


しかもそれも含めてウェールズには世界遺産のお城が4つ存在するんだけど、なんと全部北部の海沿いに固まっているというから完璧!!!!


3日しか時間を取れなかったウェールズの周りかた決定!!!

ウェールズは北部の世界遺産、古城巡りで決まりだぜ末堂さん!!!





ていうかこれバスストップてウケるー。




なんて読むの?サフレブウゥス?


ウェールズ、マジで言葉全然違う!!!!


















というわけでユナイテッドキングダムの中でもかなり独自の文化を持っているウェールズに突入し、まず最初にやってきたのは海沿いのリルという町。

とりあえず何はともあれ路上やって雰囲気感じておこう。

地元の人から面白い情報もゲットできるかもしれない。


ていうかウケるー。




これなんて読むの?プルウク?














いい感じのホコ天の通りの真ん中でギターを鳴らして歌う。


めっちゃ喉の調子が悪くて終わった声しか出なかったけど、なんとかふた回し目からいい声が出始めコインの入りもよくなってくる。



うん、でもまぁ反応自体はいつものイギリスの感じだ。
ウェールズだからって何かが変わるわけでもなく、やっぱり路上パフォーマーはどこにでもいる風景の一部。


コインはぱらっとは入るけど、ウチに泊まりにくるかい?なんてお誘いはもちろん、旅の話を興味深そうに聞いてくる人もいない。






本当、イギリスに入ってから町の人とのコミュニケーションが極端に減ってる。

みんなあんまり興味なさそうなんだよな。

内陸ヨーロッパではあんなに町の人がどんどん話しかけてきてくれてたのに。



別に泊めてほしいわけではなく、泊まるかい?って誘ってくれるのってひとつのバロメーターになる。

俺が、俺の歌が、どれほどこの町の人に受け入れられてるのかっていうバロメーター。


国境を越えた出会い、酒を飲んだり、見知らぬ国のいろんな話をすることを楽しむ。

オーストリアもドイツもそんな出会いに溢れていたし、トルコなんかだったらウチに泊まりなさい!!ウチに泊まってー!!と俺たちの争奪戦になるくらい誘ってもらえる。


これがイギリスではマジで極端に少ない。
今のところサイレンセスターのリーおじさんとウィットビーのダンだけだ。




なんだろなぁ、そういう気質なのかなぁ。

それともパフォーマーが多すぎるから興味もなくなってしまってるのかな。


これがイギリスでの旅感を薄くしてる大きな理由のひとつ。





ともあれあがりは2時間で58ポンド、8200円。


















路上を終えてカフェでささっとネット作業をしたら車に戻り、一気に西に走った。




海岸線に沿っていくつかの町を通り過ぎ、見る予定の古城も通り過ぎ、石造りの歴史がありそうな古めかしい橋を越えると、ウェールズ北部の1番奥にあるアングルシー島に入った。


ひなびた小さな島で、交通量もほとんどなく、外灯もまばらな田舎。


この島にウェールズ4古城の最初のひとつがある。



よーし、明日はガッツリ城巡りだ。



外灯に浮かび上がる寂しい道の脇に、少し広がったパーキングを見つけてそこに滑り込んでライトを消した。








~~~~~~~~~~~~~~~~~~


インドのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!


最近インドがコンスタントに入るたびにイドリーの味が口に蘇ります。カンちゃんはイドリーめっちゃ苦手です。ドーサ食べたい!!


どうもありがとうございます!!!

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