2017年2月8日、韓国・聯合ニュースなどによると、韓国の地下鉄駅のホームドアで点検作業員や乗客らが被害に遭う事故が絶えないことから、政府が事故防止のための新たなシステムを導入すると明らかにした。しかしこの新システムをめぐり、早くも「むしろ危険ではないか」と疑問の声が上がっている。
韓国国土交通部は同日、ホームドアでの事故を防ぐ対策として、異常発生時に列車を自動停止するシステムを導入するとともに、従来の左右開閉式とは異なる昇降式のホームドアを試験的に設置すると発表した。ソウルを中心とした地下鉄駅では13年以降、ホームドアが原因の事故が相次いでいる。昨年5月には故障したホームドアの修理を行っていた19歳の作業員が列車にひかれ死亡、同10月には出勤途中の30代男性がホームドアと列車の間に挟まれ死亡した。この他にも、幸い人命被害はなかったものの危険な事故がいくつも起きているのだ。
扉が上から降りてくる形の昇降式ホームドアは、国の機関などが82億ウォン(約8億900万円)をかけ11年から研究を進め開発したものだ。このドアの場合、従来よりも列車との間隔が広く取られるため、列車とホームドアの間に体が挟まる事故を予防できるほか、ドア幅が広がるため、車両の扉位置の違いに柔軟に対応できるメリットがあるという。またすでに大邱(テグ)市内の駅に設置されている同方式のドアでは、障害物センサーによる誤作動の発生率が3.6%と、従来のドア(41.6%)よりはるかに低く抑えられている。
類似のドアはすでにオーストリアや日本(神奈川・つきみ野駅)で導入されていると記事は紹介しているが、韓国のネットユーザーからはその安全性について疑問の声が次々と上がり、「今でもドアが閉まりかけた時に乗ろうとする人が多い。この方式はむしろ危険では?」「今度は閉まるドアに頭をぶつけることになる」「このドアだと駆け込みじゃなくてスライディングして乗るしかないね」などのコメントが多数の共感を得ている。
また「市民意識が最低だから導入は不可能」「韓国人の気質から変えないと駄目だ」と、韓国での安全な利用は難しいとするものや、「どっちにしても事故に遭う人は遭う。ホームドアなんてなくしてしまえ」「ドアの交換費用はどうするんだ?今のままでいいと思う」といったコメントもあった。(翻訳・編集/吉金)