韓国軍“弾道ミサイルは日本海に落下” 韓国政府“重大な脅威”
韓国軍は、北朝鮮が日本時間の12日午前8時前、北西部から弾道ミサイルを発射し、500キロ余り飛行して日本海に落下したと発表しました。韓国政府は声明を発表し、「国連の安全保障理事会の決議への明白な違反で、朝鮮半島と国際社会の平和と安全に対する重大な脅威だ」と北朝鮮を非難しました。
韓国軍の合同参謀本部によりますと、北朝鮮は、日本時間の12日午前7時55分ごろ、北西部のピョンアン(平安)北道から日本海に向けて、弾道ミサイルを発射したということです。
発射された弾道ミサイルは1発とみられ、500キロ余り飛行して日本海に落下したということで、韓国軍は詳しい情報の収集を急ぐとともに、追加の発射がないか警戒と監視を強めています。
ミサイルの種類について韓国の連合ニュースは、韓国軍の関係者の話しとして、「発射されたのは、ICBM=大陸間弾道ミサイルではなく、中距離弾道ミサイル『ノドン』か、新型の中距離弾道ミサイル『ムスダン』の改良型と推定される」と伝えています。
ミサイルの発射を受けて、韓国政府は大統領府でNSC=国家安全保障会議を開いたうえで声明を発表し、「国連の安全保障理事会の決議への明白な違反で、朝鮮半島と国際社会の平和と安全に対する重大な脅威だ。核とミサイル開発に執着するキム・ジョンウン(金正恩)政権の本質をあらわしたものだ」として北朝鮮を非難しました。
さらに、合同参謀本部は北朝鮮の狙いについて、「北に強硬な姿勢をとるアメリカの新政権に対抗した武力誇示だ」との見方を示しました。
北朝鮮は、去年1年間を通じて20発以上の弾道ミサイルを発射しており、弾道ミサイルの発射は、去年10月以降、およそ4か月ぶりで、アメリカの大統領選挙でトランプ氏が勝利してから初めてです。
北朝鮮がこのタイミングで弾道ミサイルを発射したのは、初めての日米首脳会談で北朝鮮への対応を話し合ったトランプ政権に対して、核・ミサイル技術が向上していると印象づけ、揺さぶりをかける狙いがあるとみられます。
発射された弾道ミサイルは1発とみられ、500キロ余り飛行して日本海に落下したということで、韓国軍は詳しい情報の収集を急ぐとともに、追加の発射がないか警戒と監視を強めています。
ミサイルの種類について韓国の連合ニュースは、韓国軍の関係者の話しとして、「発射されたのは、ICBM=大陸間弾道ミサイルではなく、中距離弾道ミサイル『ノドン』か、新型の中距離弾道ミサイル『ムスダン』の改良型と推定される」と伝えています。
ミサイルの発射を受けて、韓国政府は大統領府でNSC=国家安全保障会議を開いたうえで声明を発表し、「国連の安全保障理事会の決議への明白な違反で、朝鮮半島と国際社会の平和と安全に対する重大な脅威だ。核とミサイル開発に執着するキム・ジョンウン(金正恩)政権の本質をあらわしたものだ」として北朝鮮を非難しました。
さらに、合同参謀本部は北朝鮮の狙いについて、「北に強硬な姿勢をとるアメリカの新政権に対抗した武力誇示だ」との見方を示しました。
北朝鮮は、去年1年間を通じて20発以上の弾道ミサイルを発射しており、弾道ミサイルの発射は、去年10月以降、およそ4か月ぶりで、アメリカの大統領選挙でトランプ氏が勝利してから初めてです。
北朝鮮がこのタイミングで弾道ミサイルを発射したのは、初めての日米首脳会談で北朝鮮への対応を話し合ったトランプ政権に対して、核・ミサイル技術が向上していると印象づけ、揺さぶりをかける狙いがあるとみられます。
北朝鮮 最近の動き
北朝鮮は去年、1月と9月の2回にわたって核実験を強行したほか、事実上の長距離弾道ミサイルに加えて、射程の異なるさまざまな弾道ミサイルの発射を繰り返し、自制を求める国際社会の声を無視して核・ミサイル開発を続ける姿勢を鮮明にしてきました。
キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が去年3月に、核弾頭の爆発実験とさまざまな種類の弾道ミサイルの発射実験を準備するよう関係部門に指示したと、国営メディアで伝えられたあと、発射が確認されたのは、新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイル、それに、中距離弾道ミサイル「ノドン」や、短距離弾道ミサイル「スカッド」で、その数は20発余りに上りました。
また、国営メディアは、ICBM=大陸間弾道ミサイルとみられるミサイルを視察するキム委員長や、弾道ミサイルが大気圏に再突入した場合を想定した模擬実験の写真を公開したほか、去年4月には新型のICBMのエンジンの燃焼実験に成功したと発表しました。
9月には、事実上の長距離弾道ミサイルに使う新型エンジンの燃焼実験に成功したと発表し、その際、立ち会ったキム委員長が、「人工衛星の発射準備をいち早く終わらせ、人民に勝利の知らせを届けよう」と述べ、去年2月に続く事実上の長距離弾道ミサイルの発射準備を急ぐよう指示したと伝えられました。
一方、去年11月以降、北朝鮮はキム委員長による軍の視察を相次いで伝え、12月には、軍の特殊部隊が韓国大統領府を襲撃するという想定の訓練を公表しました。
そして、ことしの元日、キム委員長は、ICBMの発射実験の準備が「最終段階に入った」と演説したのに続いて、先月8日には、北朝鮮外務省の報道官が、「最高首脳部が決心する任意の時刻、任意の場所から発射されるだろう」と述べ、発射実験を強行する可能性を示唆し、アメリカをけん制しました。
さらに、今月7日には国営メディアを通じて「人工衛星の打ち上げ」と称する事実上の長距離弾道ミサイルの発射を再び目指す姿勢を鮮明にしていました。
キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が去年3月に、核弾頭の爆発実験とさまざまな種類の弾道ミサイルの発射実験を準備するよう関係部門に指示したと、国営メディアで伝えられたあと、発射が確認されたのは、新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイル、それに、中距離弾道ミサイル「ノドン」や、短距離弾道ミサイル「スカッド」で、その数は20発余りに上りました。
また、国営メディアは、ICBM=大陸間弾道ミサイルとみられるミサイルを視察するキム委員長や、弾道ミサイルが大気圏に再突入した場合を想定した模擬実験の写真を公開したほか、去年4月には新型のICBMのエンジンの燃焼実験に成功したと発表しました。
9月には、事実上の長距離弾道ミサイルに使う新型エンジンの燃焼実験に成功したと発表し、その際、立ち会ったキム委員長が、「人工衛星の発射準備をいち早く終わらせ、人民に勝利の知らせを届けよう」と述べ、去年2月に続く事実上の長距離弾道ミサイルの発射準備を急ぐよう指示したと伝えられました。
一方、去年11月以降、北朝鮮はキム委員長による軍の視察を相次いで伝え、12月には、軍の特殊部隊が韓国大統領府を襲撃するという想定の訓練を公表しました。
そして、ことしの元日、キム委員長は、ICBMの発射実験の準備が「最終段階に入った」と演説したのに続いて、先月8日には、北朝鮮外務省の報道官が、「最高首脳部が決心する任意の時刻、任意の場所から発射されるだろう」と述べ、発射実験を強行する可能性を示唆し、アメリカをけん制しました。
さらに、今月7日には国営メディアを通じて「人工衛星の打ち上げ」と称する事実上の長距離弾道ミサイルの発射を再び目指す姿勢を鮮明にしていました。
北朝鮮 最近のミサイル発射
北朝鮮は去年、2月に事実上の長距離弾道ミサイルを発射して以降、弾道ミサイルの発射を繰り返してきました。
発射されたのは新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイル、それに、中距離弾道ミサイル「ノドン」や、短距離弾道ミサイル「スカッド」など射程の異なる弾道ミサイルで、その数は20発余りに上ります。
去年9月に5回目の核実験を強行して以降も、10月に「ムスダン」とみられる弾道ミサイルの発射を2回試み、いずれも失敗に終わりましたが、各国はさらなる発射への警戒を強めていました。
発射されたのは新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイル、それに、中距離弾道ミサイル「ノドン」や、短距離弾道ミサイル「スカッド」など射程の異なる弾道ミサイルで、その数は20発余りに上ります。
去年9月に5回目の核実験を強行して以降も、10月に「ムスダン」とみられる弾道ミサイルの発射を2回試み、いずれも失敗に終わりましたが、各国はさらなる発射への警戒を強めていました。
「ムスダン」とは
「ムスダン」は、北朝鮮が1990年代はじめに入手した旧ソビエト製のSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルを改良した、新型の中距離弾道ミサイルだとされています。
防衛省によりますと、射程はおよそ2500キロから4000キロで、日本列島の全域に加え、アメリカ軍の基地があるグアムに達するとみられています。
また、ムスダンは、固定式の発射台ではなく、移動式の発射台を使う弾道ミサイルで、発射の兆候を把握するのが難しいとされています。
北朝鮮は、2010年の朝鮮労働党の創立65年を記念する軍事パレードで、ムスダンとみられるミサイルを初めて公開しました。
そして、2013年には、北朝鮮東部のウォンサン(元山)で、ムスダンとみられる弾道ミサイルの発射準備とも受け取れる動きを見せましたが、実際の発射は確認されませんでした。
しかし、去年に入ると、キム・イルソン(金日成)主席の誕生日を含め、4月から6月にかけて、同じウォンサン付近から合わせて6発を発射しました。
このうち、6月に発射された1発について、北朝鮮は、「高度1400キロ余りまで上昇し、400キロ先の目標水域に正確に着弾した」と発表し、韓国軍も、「発射はある程度、成功したと言える」として、ムスダンの性能が向上しているという見方を示しました。
北朝鮮は、このときの映像を先月24日に国営テレビで放送し、ムスダンとみられる弾道ミサイルの発射映像が初めて公開されました。
アメリカ軍と韓国軍は、北朝鮮が去年10月15日にも、北西部のクソン(亀城)付近からムスダンとみられるミサイル1発の発射を試みたものの、失敗したと発表しました。
北朝鮮が、ムスダンとみられる弾道ミサイルを西側から発射しようとしたのはこのときが初めてで、移動式の発射台を使ってどこからでも発射できる奇襲能力と、自信を深めているミサイル技術を誇示しようとした可能性があるとみられていました。
さらに10月20日にも、ムスダンと見られる弾道ミサイルが、わずか5日という短い間隔で同じ北西部のクソン付近から発射されましたが失敗し、北朝鮮がムスダンの開発を急いでいることをうかがわせていました。
防衛省によりますと、射程はおよそ2500キロから4000キロで、日本列島の全域に加え、アメリカ軍の基地があるグアムに達するとみられています。
また、ムスダンは、固定式の発射台ではなく、移動式の発射台を使う弾道ミサイルで、発射の兆候を把握するのが難しいとされています。
北朝鮮は、2010年の朝鮮労働党の創立65年を記念する軍事パレードで、ムスダンとみられるミサイルを初めて公開しました。
そして、2013年には、北朝鮮東部のウォンサン(元山)で、ムスダンとみられる弾道ミサイルの発射準備とも受け取れる動きを見せましたが、実際の発射は確認されませんでした。
しかし、去年に入ると、キム・イルソン(金日成)主席の誕生日を含め、4月から6月にかけて、同じウォンサン付近から合わせて6発を発射しました。
このうち、6月に発射された1発について、北朝鮮は、「高度1400キロ余りまで上昇し、400キロ先の目標水域に正確に着弾した」と発表し、韓国軍も、「発射はある程度、成功したと言える」として、ムスダンの性能が向上しているという見方を示しました。
北朝鮮は、このときの映像を先月24日に国営テレビで放送し、ムスダンとみられる弾道ミサイルの発射映像が初めて公開されました。
アメリカ軍と韓国軍は、北朝鮮が去年10月15日にも、北西部のクソン(亀城)付近からムスダンとみられるミサイル1発の発射を試みたものの、失敗したと発表しました。
北朝鮮が、ムスダンとみられる弾道ミサイルを西側から発射しようとしたのはこのときが初めてで、移動式の発射台を使ってどこからでも発射できる奇襲能力と、自信を深めているミサイル技術を誇示しようとした可能性があるとみられていました。
さらに10月20日にも、ムスダンと見られる弾道ミサイルが、わずか5日という短い間隔で同じ北西部のクソン付近から発射されましたが失敗し、北朝鮮がムスダンの開発を急いでいることをうかがわせていました。
「ノドン」とは
北朝鮮の中距離弾道ミサイル「ノドン」は射程が1300キロと日本のほぼ全域が入り、およそ200基が実戦配備されているとみられています。
北朝鮮は、2006年7月と2009年7月に、南東部のキッテリョン(旗対嶺)から日本海に向かってノドンとみられる弾道ミサイルを発射しました。
また、2014年3月には、オランダ・ハーグでの核セキュリティーサミットに合わせて開かれた日米韓3か国の首脳会談のさなかに、ピョンヤンの北のスクチョン(粛川)からノドンとみられる弾道ミサイル2発を発射しました。
去年は、3月にスクチョン付近から2発、7月に西部ファンジュ(黄州)付近から2発、そして、8月にも西部ウンリュル(殷栗)付近から2発、いずれもノドンとみられる弾道ミサイルを発射しました。
このうち8月の発射では、秋田県の男鹿半島の西、およそ250キロの日本の排他的経済水域に1発が落下したことが確認されています。さらに9月、北朝鮮が連続して発射し、およそ1000キロ飛んで北海道の奥尻島の西、200キロから250キロの日本の排他的経済水域に落下したと推定される弾道ミサイル3発の中にも、ノドンが含まれているとみられています。
防衛省は「北朝鮮がノドンの性能や信頼性に自信を深めている」と指摘し、警戒を強めていました。
北朝鮮は、2006年7月と2009年7月に、南東部のキッテリョン(旗対嶺)から日本海に向かってノドンとみられる弾道ミサイルを発射しました。
また、2014年3月には、オランダ・ハーグでの核セキュリティーサミットに合わせて開かれた日米韓3か国の首脳会談のさなかに、ピョンヤンの北のスクチョン(粛川)からノドンとみられる弾道ミサイル2発を発射しました。
去年は、3月にスクチョン付近から2発、7月に西部ファンジュ(黄州)付近から2発、そして、8月にも西部ウンリュル(殷栗)付近から2発、いずれもノドンとみられる弾道ミサイルを発射しました。
このうち8月の発射では、秋田県の男鹿半島の西、およそ250キロの日本の排他的経済水域に1発が落下したことが確認されています。さらに9月、北朝鮮が連続して発射し、およそ1000キロ飛んで北海道の奥尻島の西、200キロから250キロの日本の排他的経済水域に落下したと推定される弾道ミサイル3発の中にも、ノドンが含まれているとみられています。
防衛省は「北朝鮮がノドンの性能や信頼性に自信を深めている」と指摘し、警戒を強めていました。