蔵の紹介
米
当蔵で使用している原料米は、ほとんどが酒造りのために長年選別・育種された酒米 (酒造好適米)です。
玉栄(たまさかえ)
■産地 鳥取県(智頭町・郡家町・気高町など) ■特徴 原産地は滋賀県の酒米ですが、鳥取県、島根県でも広く作られています。大粒 の酒米で高精白に耐えるため純米酒、吟醸酒にも適しています。 |
当蔵では
純米吟醸 満天星および特別純米酒に使用しております。
山田錦(やまだにしき)
■産地
兵庫県(西脇市)
■生産農家
冨田農場(冨田尚嗣さん)等
■特徴
全国的に広く作られている酒米ですが、原産地は兵庫県です。
最高級の酒米として有名ですが、現在までにいろいろな酒米が育種されました が、山田錦に勝るものはいまだに出ておりません。大吟醸酒には特に欠かせない酒米となっています |
純米大吟醸 鵬、純米吟醸 鵬 は100%山田錦を使用しております。
また、純米吟醸満天星、特別純米酒、純米酒には酒母および麹米として使用しています。
2002年の造り(H14BY)から、冨田農場の山田錦を使用しております。
冨田農場(とみたのうじょう)
平成13年(2001年)11月9日、一人の専業米作農家とある人を介して知りあいました。お名前を冨田尚嗣(とみたひさつぐ)さんと言います。昭和37年生まれの41才。冨田さんは、兵庫県西脇市で山田錦と食用の中生新千本を約20hr作っております。
冨田さんの米造りは、有機堆肥をしっかり入れた土造りを基本として病虫害に負けないしっかりしたイネを作ること。地元神戸ビーフの生産地、黒田庄和牛の生産農家
(川岸牧場:川岸裕人さん)と提携して完熟堆肥を作り田んぼに入れています。冨田さんによると「堆肥で作った米は輝きが違う」とのこと。
川岸牧場の牛は冨田さんの山田錦のわらを食べて、その厩肥で完熟堆肥を作ります。
さらに川岸さんの牛の餌としてなんと山田錦の白糠(吟醸に磨いたときの糠)も使用しています。牛、米、酒、三つのリンクが完成しています。
有機堆肥は、植物に必要な微量元素(亜鉛、銅、マグネシウム等々)をたくさん含み健康な植物の成長には欠かせません。健康に育った作物は、美味しい作物です。美味
しいとは人にとって充分な栄養素を含むということに他なりません。有機栽培の米は、美味しい、健康によいお米です。諏訪酒造では、この冨田さんの山田錦をすべて
いただくことにしました。
水
諏訪酒造のある鳥取県智頭町(ちづちょう)は、鳥取砂丘へ砂を運んだ千代川(せん だいがわ)の源流近くに位置し、古くから良質の杉材を産出する林業の町として知ら れています。 |
自家井戸より汲み上げたままの仕込み水。着色はしていません。
水質全硬度2程度の軟水は、拍子抜けするほどの無味無臭。非常にやわらかな口当たりのいい水です。この自然が与えてくれたまさに森のめぐみの水は、広島風の造りとあいまって、純米酒、吟醸酒等の特定名称酒にその真価を発揮しています。
仕込み
仕込みの特徴 ●仕込み水 自家井戸から汲み上げた全硬度2度前後の軟水を全く加工なしで使用しています。 ●精米 精米機(新中野工業)は20俵張込みを使用し、純米、吟醸酒は十分な枯らし、調湿を行います。 ●蒸し ボイラーは蒸気乾燥機から蒸気を送りこむ甑(こしき)を使用した蒸しは、いわゆる 外硬内軟の蒸米ができます。 |
添えを小さなタンクに仕込む「添えたて」を行っています。昔は、どの蔵でもやっていましたが、近年鳥取県でも当社だけになっています。 |
風土
智頭町は鳥取県東部、岡山県との県境に位置する人口約1万人の小さな町です。 |
鳥取藩主の参勤交代で、最初のお泊りの宿が、ここ智頭宿でした。峠を越え、大原宿へ抜ける上方往来、津山へ抜ける備前街道、それぞれの道の要所でした。現在も二つの国道(53号線、373号線)から鳥取因幡への入口となっています。 |
智頭宿には江戸時代に大庄屋や宿場問屋をつとめた「石谷家住宅」があります。大正時代に建て直された建物が、財団法人「因幡街道ふるさと振興財団」の管理で、2001年から一般公開(有料)されています(国登録有形文化財)。敷地3000坪の大規模な和風建築で、庭園、蔵、茶室等、材にこだわった造りは、現代では造れないとのこと。 |
他に、智頭町出身の映画監督、西村克巳氏の業績を展示した「西村克巳映画記念館」が塩屋出店の庭園内にあります。山口百恵主演の「伊豆の踊子」など、不滅の名作のポスター、台本など貴重な資料を展示しています(無料)。 |