認知症患者の脳が音楽で目覚める… 奇跡の瞬間をおさめたドキュメンタリー映画公開

ドキュメンタリー映画『パーソナル・ソング』12月公開

ドキュメンタリー映画『パーソナル・ソング』12月公開

ドキュメンタリー映画『パーソナル・ソング』12月公開ドキュメンタリー映画『パーソナル・ソング』12月公開

 近年、医学的にも効果が高いと認められはじめてきた認知症・アルツハイマー患者への音楽療法。サンダンス国際映画祭・ドキュメンタリー部門で観客賞を受賞し、アメリカのみならずカナダ、イタリア、イギリスなど世界各地で高い評価を受けたドキュメンタリー映画『パーソナル・ソング』が12月、ついに日本で公開される。

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 アメリカのソーシャルワーカー、ダン・コーエンは、あるとき「患者がiPodの自分の好きな歌(パーソナル・ソング)を聞けば、音楽の記憶とともに何かを思い出すのではないか」ということを思いつく…。

 現在、全米で500万人、日本でも高齢者の4人に1人、約400万人以上いるとされ、今後も爆発的に増え続けると言われている認知症やアルツハイマー患者たち。いまだに特効薬がなく先進国の間で深刻な社会問題と化している。

 本作に登場する94歳の黒人男性のヘンリーも、長年認知症を患い、娘の名前も思い出せずふさぎ込んでいた。だが、昔好きだったキャブ・キャロウェイの音楽を聴いた途端、突然スイッチが入ったように音楽に合わせて陽気に歌いだし周囲を驚かせた。音楽を止めた後も饒舌になり、音楽の素晴らしさや仕事のこと家族のことを次々に語りだす…。この映画では、多くの患者たちが登場しこうした奇跡の瞬間をいくつも見せてくれる。

 人が失われた記憶を呼び戻す幸せな場面に立会い、喜びを手に入れた高齢者たちに深い感動を覚え涙するに違いない。

 ジャズシンガーで、認知症を患った母を長きに渡り介護した経験を持つ綾戸智恵は、「命が心臓だけでなく脳にあるとよく聞く。脳は未知や。手や肩に触れる事も大切やけど、脳の奥に触れる音楽。もっとええうた歌わな」と作品に感化されたコメントを寄せている。

 『パーソナル・ソング』は12月よりシアターイメージフォーラムほか順次公開。

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