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【映画オタク記者のここが気になる】
認知症が懐メロで回復 “奇跡の動画”に週700万アクセス 映画『パーソナル・ソング』
ベネット監督は「人格が形成される若い頃に聴いていた音楽を探る作業は重要で、楽しいものだ。一般家庭でもダンの方法は簡単にできるよ」と伝授してくれた。「まず、インターネットの年間ヒット曲トップテンといったサイトを利用して、往年の曲を聴かせていく。反応すればリストアップしていくのです」。簡単に作業ができるアプリを現在、開発中とも教えてくれた。
ただ問題点もある。指摘したのが加藤さんで、「高齢者の中にはヘッドホン自体を嫌がる」というのだ。ヘッドホン文化に慣れていない高齢者は確かにいる。また、ベネット監督は「75%は反応するが、25%は耳が聞こえないといった理由で効果がない」と語り、「これまで一人だけ反応しない人がいて忘れられない」と明かした。
映画では、患者に投与する薬の弊害についても指摘している。「投薬より音楽療法の方が安価で効果的。この映画でもっとこの治療法を知ってほしい」とベネット監督。「寝たきりの高齢者にも音楽を聴く力が残っている。正に“アライブ・インサイド(中は生きている)”なのです」
「パーソナル・ソング」は12月6日に日本公開。(WEB編集チーム 伊藤徳裕)