私は今回の処分について、反省文が東京新聞に掲載される前日1日の夜に初めて聞いた。電話での通告だったが、反省文のゲラをFAXで受け取り「対処する」とあるのを知った。
これはまったく意外だった。
というのは、実は反省文が掲載される3日前の1月30日朝、深田主幹から会社に呼び出され人事異動の内示を受けていた。中身については発令前なので、あきらかにしないが「処分」という趣旨ではなかった点をまず、はっきりさせておきたい。
私はそれを快く受け入れた。なぜかといえば、私はとっくに定年退職した身であり、かつ副主幹在任7年目になっていたからだ。嘱託にすぎない私が長期にわたって副主幹を務めていること自体が異例だった。だいたい私は管理職にふさわしくない、と自覚している(笑)。
その話が終わった後、雑談で私が「ニュース女子問題について会社はどうするのか」と切り出すと、主幹は「いずれ自分か他のだれかが何か書くことになると思う」と答えた。
「どういう内容を書くのか」と聞くと「東京新聞はニュース女子と関係ない。それくらいだろう」という。その通りなので、私も異論なく受け入れて会合は終わった。
ところが、2日後に事態が一変する。私は通常の人事異動と思っていたのに、突如として「処分」に変わってしまったのだ。私は1日夜、ゲラを見た段階で「先日の話と違うじゃないか。処分であれば受け入れられない」と主幹に訴えた。
主幹は処分かどうかという点について「そこは大人の対応で…」とか「あうんの呼吸で…」などと、あいまいに言葉を濁していた。翌日以降、ネット上で処分話が飛び交う展開になって、あらためて私が問い詰めると「副主幹という立場で出演したのが問題だ」と「処分」の意味合いが含まれていることを認めた。
いったいなぜ、わずか2日の間に通常の人事異動が処分に変わったのか。この点について私は主幹に再三、尋ねたが、明確な返事は得られなかった。反省文の内容が私に説明した1月30日時点の当初案と2月2日の発表バージョンで変わってしまった点は主幹も認めている。
それはなぜか。私は気になっている点がある。
それはネットメディアであるIWJが2月3日付けで「IWJが深田実論説主幹に直撃!」と題して公開した記事だ(http://iwj.co.jp/wj/open/archives/360990)。その中で、深田主幹は「沖縄の新聞からも電話がきているが、今、話した内容で了解してもらっている。そういうことでお願いします」とIWJに語っている。
この「沖縄の新聞」が何か不明だが、東京新聞は琉球新報と提携関係にある。琉球新報は名物欄である「こちら特報部」を含めて東京新聞の記事を掲載している。一方、東京新聞は琉球新報の社説をそのまま掲載したこともある。沖縄問題について両紙は立場を共有している、と言っていい。
沖縄に支局がない東京新聞にとって琉球新報は沖縄のニュースを伝える大切な情報源であり、記事の提供元である。
もしも「沖縄の新聞に了解してもらっている」というコメントが事実なら、反省文はその新聞の了解を得たうえで掲載した可能性がある。