村上春樹先生の代表作「ノルウェイの森」は、亡き友達の彼女に恋をしてしまったワタナベという男の苦しい恋を描く物語です。この「ノルウェイの森」の「上」と「下」両方のストーリーや見所を紹介します。
「ノルウェイの森(上)」のストーリー
ワタナベという男性は「ノルウェイの森」の曲を聴いたら突然苦しみだします。それはなぜか?その理由は彼の苦しい過去にありました。彼は以前「直子」という女性を愛していた事がありましたが、この直子は亡き親友「キズキ」の彼女だったのです。
しかし、このキズキは自殺をしてしまいますが、そのキズキが死ぬ前に会話を交わしたのが直子ではなくワタナベだったのです。それが直子にとっては不愉快だったのです。この複雑な人間関係が直子を苦しめていき、その苦しみは容赦なくワタナベにも降りかかっていくのです。
直子が20歳の誕生日をワタナベは祝おうとしますが、直子は情緒不安定になってしまい涙を流し始めます。ワタナベは、そんな直子を何とかしようとすると成り行き上で二人は大人の関係になってしまいます。
所が直子はそれから姿をくらましたのですが、ワタナベは直子が「阿美寮」という所で生活している事が分かりました。
ワタナベは寮まで行き、直子と再会するなかで、直子と仲の良い礼子と知り合います。3人は楽しく談笑をしていきますが、ワタナベと直子が2人になった時に、直子の家族も自殺をした人間がいた事を知らされます。ワタナベはその話を聞いても、直子にこの寮を出て一緒に暮らす事を提案するのです。
「ノルウェイの森(下)」のストーリー
ワタナベは寮を出てから、大学の女友達「緑」と一緒に合う約束をします。ワタナベは直子が好きですが、次第に緑にも惹かれていくのです。しかし、浮気だけはするまいと思っていたのでしょう。緑とは深い関係にならずに、再び直子へ会いに行き、再び一所に暮らす事を提案するのです。
しかし、寮から出て自宅に戻った所で、ワタナベは礼子から送られてきた手紙に愕然とします。その手紙には直子の症状が悪化してしまい、直子が治るのを一所に祈って欲しいと書いてありました。そんな事があって、すっかり気落ちしたワタナベに追い打ちをかけるように、緑が責め立ててきたのです。
事の発端は、緑が髪型を変えたのに、その変化にワタナベが気付いてくれなかったからでした。何とか仲直りしてもらおうと懸命になるワタナベの行動に気を良くしたのか?緑はワタナベとようやく仲直りします。
ワタナベは明らかに緑を好きになっていましたが、それでも浮気だけはしません。しかし、そんなワタナベと直子には破滅的な結末が待っていました。あまりの衝撃にワタナベは緑へ電話をかけて、緑は「今どこにいるの?」と心配をします。その時になって、ワタナベは今自分がどこにるのか?それさえ分からないほど精神が混乱していたのです。
「ノルウェイの森」の見所
現代の日本人で最もノーベル文学賞に近いと言われている村上春樹先生の代表作「ノルウェイの森」は、若い男と女の苦しい恋愛物語を描いた小説です。この小説は冒頭がいきなり謎に満ちており、この先どのようなストーリーが展開されるのか全く予想が付かない所が最大の見所でしょう。
なぜノルウェイの森の曲が流れたら、主人公であるワタナベが混乱してしまうのか?突然登場してくる直子という人物は誰なのか?最初に理解不能な事が読者に押し寄せてきて、ストーリーが展開されていくに従って、ゆっくりとその謎が解けていく。まさに本を読み始めたら、途中で読むの止められなくなってしまうのが「ノルウェイの森」の魅力です。