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安倍晋三首相「私は朝日新聞に勝った」 トランプ大統領「俺も勝った!」 ゴルフ会談で日米同盟はより強固になるか?
日米首脳会談更新米大統領・トランプ「せっかくドライバーをもらったのに、こっちは寒くてゴルフをできないんだ」
首相・安倍晋三「東京も寒くてグリーンが凍っているけど、それでもやっていますよ(笑い)」
1月28日夜の日米首脳電話会談。安倍とトランプは冒頭から、旧知の間柄のようにゴルフの話題で盛り上がっていた。米大統領選直後の昨年11月17日、安倍は米ニューヨークのトランプタワーを訪ね、本間ゴルフ製ドライバーをプレゼントした。トランプのお返しはゴルフウエア。電話会談がゴルフ談議から始まるのは自然の流れだった。
■「昼食より親しくなる」
「いつか一緒にコースを回りたいですね」。安倍がこう語ると、トランプが食いついた。
「10日の金曜日に仕事をすれば、翌日は土曜日で休みじゃないか? だったら『冬のホワイトハウス』に家族とともに来ないか?」
「冬のホワイトハウス」とは、フロリダ・パームビーチの会員制リゾート「マー・ア・ラゴ」を指す。1927年に女性富豪が、大統領に来賓用別荘として使用してもらいたいと思って建設した。73年に所有者が死亡し、一時は米政府が所有したが、紆余曲折を経て85年にトランプが購入したのだ。
トランプは安倍とのゴルフを楽しみにしているようだ。5日の米ラジオ番組のインタビューでは、こう語っている。
「安倍首相とゴルフできるのは素晴らしいことだ。ゴルフの方が昼食よりも親しくなれるじゃないか」
「ゴルフがうまいかどうかは問題じゃない。安倍首相が私のパートナーであることを確認するんだ」
■脳裏によぎる祖父の姿
「初会談でゴルフをすることになるとは…」。安倍の脳裏には、祖父で元首相の岸信介の姿がよぎったに違いない。
1957(昭和32)年6月、米大統領、アイゼンハワーは、首相として初訪米した岸をいきなりワシントン郊外の「バーニング・ツリー・カントリークラブ」に連れ出し、ゴルフを楽しんだ。プレー後にアイゼンハワーは記者団に笑顔でこう語っている。
「大統領になると嫌なやつともテーブルを囲まねばならないが、ゴルフは好きなやつとしかできない」
これが日米が「占領国」対「被占領国」の関係から真の同盟関係となる転機となった。岸-アイゼンハワーの信頼関係は生涯続き、安全保障条約改定や沖縄返還でも力を発揮した。