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窓際という名の離島へ
「女性だらけのアポインター部署」に島流しされ幽閉された私は、
「男性アポインターがいると、
圧迫感があって集中できない!」
という女性アポインター達からのバッシングを受け、
さらに「窓際という名の離島」へと隔離されてしまいました。

(クビにならなかっただけマシか・・・)
女性アポインターから引き離された事を、
私はなるべく前向きに考えようとしていました。
1時間ほど前
アポインター部署のミーティングで、
右隣の席の女子大生が
「なぜここに男性がいるのかわかりません!」
とさらに私へのバッシングを強めていました。

女子大生は
「昔友人が痴漢された事があって、自分もそれ以来男性に嫌悪感がある。」
とかいう話しを持ち出して、みんなに同調を求めました。

(自分の体験談じゃないのか・・・)とは少し思いました。
(何か反論しなければ!)
こういう時に黙っていると、一方的に条件を飲まされてしまう!

「いや・・・でも・・・」と私が何か言おうとすると、
突然背後から
「男にはわからないでしょうねっ!!」
という、女性の怒声が私を貫きました。

(それは効く)
ビックリして、恐る恐る後ろをチラッと振り返りましたが、
みんなキョトンとした顔をしており、誰が言ったのかわかりません。

(参った・・まさかここまで嫌われているとは・・・)
思わずうつむいて床を見つめてしまいます。
そしてハッとして、
ザキさんに助けを求める目線を送りました。

しかしザキさんはプイッと目線をそらすと
「女性だらけの席じゃ・・・お前もやりずらいだろ?」
と言ってきて・・・・・・からの
この窓際という離島への隔離です。

人から「好かれる」というのは、
ナゼこんなにも難しいのでしょうか?
ましてやこの女性だらけの状況です。
営業部署の男前のシライ課長が部署に入ってくると、
みんな猫なで声でヘビのように絡みつきに行くのに・・・。

(彼は女性達から特別愛されているように見える。)
私は一度だけ、
シライ課長が元右隣の女子大生の肩に
ポンッと手を置いたのを見たことがあります。
あの時の女子大生の眩しい笑顔が忘れられません。

だが、これは仕方ない。
シライ課長は顔だけでなく、人当たりが良く優しい男前だからです。
シライ課長と私の間には
想像も出来ない程の「男性力の差」があるのでしょう。
わたしはアポインター部署のミーティングでバッシングを受けてから
私は窓際の離島にて、1人でテレアポをしながら、
どうすれば女性アポインター達から好かれるのか?
という事を真剣に考え始めました。

テレアポの成績が良くなれば好かれるのだろうか?
そんなに単純なモノだろうか・・・?
まず何とか女性の輪に入っていかなければ・・・・・・。
甘い見通し
私は女性アポインター達と仲良くなる為に、
大量のお菓子を買ってきました。

彼女たちが、チョコやポッキーなどの甘いお菓子やスナック菓子を
シェアしたり、
単に配ったり、
交換したりするのを見たからです。
(お菓子がコミュニケーションツールになっているのか!?)
そう思って・・・・お菓子を買ってはみたものの・・・・。
とても女性の輪の中に入って、お菓子を渡す勇気はありませんでした。

お菓子を配る事が出来ないのに、
チョコ、
スナック、
アメ、
ガム、
クッキー
お菓子の種類だけがドンドン増えていきました。
私に「良かったらどうですか?」と
お菓子を配ってくれたアポインターさんに、
勇気をだしてお菓子をススメた事もありました。
しかし、
「いえ・・・大丈夫です。」
というお断りの返事が返って来るだけでした。

(ああ・・結局そうなるかぁ・・・・)
まぁお菓子くらいなら・・受け取ってくれるだろう。
という考えは甘かったようです・・・。
すすめたお菓子は、みんなだいすき「田舎のお母さん」でしたから、
私からお菓子を受け取らない理由は私自身にあるのでしょう。
お菓子に罪はありません。
私の机の中は・・・・
増え続けるお菓子でパンパンなっていました。

身だしなみを整えてみた
これは・・・・
結局効果があったのか?無かったのか?わかりませんでした。
女性アポインター達から愛されているシライ課長のように、
キチンとした身だしなみにすれば何か変わるかも?
と思ったのですが・・・。
考えてみれば、数ヶ月前に怒り狂った元婚約者に
バリカンで頭をメチャクチャに刈られてから、
そのまま髪の毛をずっと放置していました。

初給料で、5年ぶり位に美容室に行き、髪の毛を整えてもらい。
ボロボロのスーツも新調しました。
まぁでも、それで女性アポインター達からの印象が特別良くなった!
なんて事はありませんでした。
たぶん女性アポインターにとって
私の認識はアスファルトに張り付いたガムと同じ位だったと思います。

ベタベタ
心温まる女子大生との会話
ある日、ザキさんが「チョイチョイ!」と私を呼んで、
「女子大生ちゃんにシュレッダーのかけ方教えてあげてよ」
と言ってきました。

シュレッダーはアポインター部署の隣にある個室にあります。
これは・・・おそらく
ザキさんなりに、仲直りの機会を作ってくれたのだと思います。
(これはチャンス・・・・・か?)

ではここからシュレッダー室での、
私と女子大生の心温まる会話をお聞き下さい。
私:「さ・・・寒くなってきましたね?」
女子大生:「そうですね・・・」
私:「温泉なんか行きたくなりますよね!」
女子大生:「行ってらっしゃい・・・」
手をフリフリする女子大生。
(・・・・・?)
女子大生:「・・・私彼氏いるんで」
~会話終了~

・・・・・おわかり頂けたでしょうか?
私の不用意な会話のせいで、女子大生に
(温泉旅行に誘われている・・・)
と勘違いされてしまったのです。
後にその事に気がついて、
恥ずかしさのあまり身悶えしました。

いやぁ・・・・女性との会話は難しいですよね。
芸が身を助ける
結局、なにをやってもうまくいかなかったワケですが・・。
アポインターさん達との関係は、
思わぬ形でイッキに改善に向かうことになります。
ある日、私が廊下を歩いていると、
前から小さな子供が走ってきました。
恐らくアポインターの誰かのお子さんでしょう。
それを見つけて、私は子供をヒョイと持ち上げました。
子供と見つめ合ってニッコリ笑い合います。

へへへ
女性アポインターさんは小さな子供を抱えているお母さんが多い。
なぜなら、テレフォンアポインターのアルバイトは他のアルバイトよりも、
時間の融通がきくからです。
「子供が急に風邪になったので休みます。」
「子供を幼稚園に迎えに行ってきます。」
そんな理由でバイト途中に割りと簡単に抜ける事が出来るのです。
そのせいか、
職場に小さい子供がウロウロしている事がたびたびありました。

しかし子供を抱きかかえた所で、ハッと気づきました。
(これは誤解をまねくかもしれない!)
すると、子供の後ろに女性アポインターさん達がいる事に気が付きました。
(ああ・・マズイ・・・)

私はサッと子供を床におろしました。
すると母親らしき女性アポインターさんの1人が、
「子供・・好きなの・・・・・?」
と私に聞いてきました。
子供はまだ私の足に絡みついています。

「ええ・・・まぁ・・・・そうです。」
「子供が好き!」なんて不用意に言うと、
こんなご時世ですから、
「ロリコンの変態」だと思われかねません。
女性アポインターさん達は、
「ふーん。」という顔をします。
(これは・・・ヘンタイだと思われたか?)
私は急いで、
自分がスイミングインストラクターを2年間やっており、
子供に水泳を教えていた話をして、
必死に自分が子供好きである事の理由付けをしました。

すると、奥から
「それはなかなか出来る事じゃないわねえ・・」
という女性の声が聞こえました。
(この声は・・・・・・・!?)
アポインターランキング1位の
コンさんだ!!

ぐへぇ
つづく
