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第116回
国有財産近畿地方審議会
日 時
平成22年2月22日
場 所
近畿財務局 8F 大会議室
国有財産近畿地方審議会委員名簿
氏  名
現             職
昭(株)毎日新聞社大阪本社論説副委員長
洋日本生命保険(相)代表取締役副会長
子奈良女子大学生活環境学部教授
上 村 多 恵 子京南倉庫(株)代表取締役
 
務 J.フロント リテイリング(株)代表取締役社長 兼CEO
子(財)関西消費者協会副理事長
博関西学院大学総合政策学部教授
彦辰野(株) 取締役社長
津 村 智 惠 子甲南女子大学看護リハビリテーション学部教授兼学部長
之日本公認会計士協会近畿会会長
人大阪弁護士会会長
細 見 三 英 子ジャーナリスト
子京都女子大学現代社会学部教授
志住友信託銀行(株)特別顧問
三西日本電信電話(株)取締役相談役
彦(財)日本不動産研究所近畿支社顧問
16 名
※五十音順(敬称略)
第116回国有財産近畿地方審議会の開催結果
近畿財務局長(森川卓也)の諮問機関である「国有財産近畿地方審議会」(奥田 務
会長)の第116回会議が平成22年2月22日に近畿財務局(大阪合同庁舎4号館)
において開催されました。
本審議会では、近畿財務局長から諮問のあった下記の事項について審議された結果、
諮問事項について原案どおり処理して差し支えない旨、答申がありました。
諮問事項
・ 豊中市に所在する普通財産の売払いについて
・ 川西市に所在する普通財産の売払いについて
・ 枚方市に所在する普通財産の売払いについて
報告事項
・ 審議会付議事案の処理状況について
・ 地方公共団体との関係強化に向けた取組について
第116回 国有財産近畿地方審議会(議事録)
日 時:平成22年2月22日(月)
14:00~15:45
場 所:近畿財務局8階大会議室
1.開会
2.近畿財務局長挨拶
3.諮問事項の審議
4.報告事項
5.閉会
〔午後2時00分 開会〕
1.開会
【奥田会長】
皆さん、こんにちは。本日はお忙しい中、ご出席いただきまして誠にありがとうござい
ます。
それでは、第116回国有財産近畿地方審議会を開催させていただきます。
会議成立の報告でございます。本審議会の委員は16名おられますが、本日は12名の
方にご出席いただいております。本日の12名の出席委員数は、国有財産法施行令第6条
の8の規定によります「委員の半数以上の出席で会議を開き議決する」という条件を満た
しておりますので、本審議会は有効に成立しておるということをご報告申し上げます。
また、本審議会は、審議会規則によりまして議事録の公開を前提としておりますので、
後日、近畿財務局のホームページにおいて公開するということをお含みおきいただきたい
と思います。
それでは、審議に先立ちまして、森川近畿財務局長からご挨拶をお願いいたします。
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2.近畿財務局長挨拶
【森川局長】
財務局長の森川でございます。本日は、委員の皆様方には大変お忙しいところをご出席
いただきまして誠にありがとうございます。
前回は昨年の10月末であったかと思います。その後の情勢の変化について若干申し上
げますと、新政権にその時点で既になっておったわけですが、その後、予算編成がなされ、
税制改正の中身も固まって、今それぞれの審議がなされているところでございます。
また、昨年末には新成長戦略の基本方針という、ごく概略的なものが決定されて、それ
の具体的な姿は今年の6月までにまとめるということになっております。それと併せて、
財政の中期的な展望、中期財政フレームについてもそれまでにまとめるという予定になっ
ております。
国有財産行政につきましては、その後の状況で一番大きかったのは、私は11月末の事
業仕分けであったと思っておりまして、その中で、庁舎については一、二割の削減、それ
から公務員宿舎については継続案件あるいは緊急なものを除いて原則凍結という方針が示
されました。前政権におきましては、ご承知のとおり、庁舎なり宿舎なりをできるだけ集
約化して、余った土地を売却して国の財政に貢献すると。国の資産負債改革の一環として
位置づけられていたのが、今回の政権では、むしろ無駄遣いの排除ということで、庁舎・
宿舎の建設については抑制的に扱っていくという方針が示されたものであると思っており
ます。
不動産を巡ります客観情勢を見ましても、経済の低迷が長く続いている関係もあると思
いますけれども、相続税の物納はかなり減ってきておりますし、かつ、地価が低迷して不
動産の需要自体もかなり下火になっているということが言えようかと思います。
そういう中で、財務局としてどういう行政を行っていくかということでありますが、こ
れについては前回も申し上げましたが、ただ高く売れればいいということではなくて、地
域に貢献できるような売り方をしていきたいと考えております。そのために、それぞれの
国有財産が所在します各地方公共団体と連携強化し、その地方公共団体のまちづくりなり
都市整備なりの考え方に合わせて国有財産を活用し、あるいは売却し、国の財政にも寄与
するという方向で進めていくべきではないかと思っております。
本審議会の最後に報告いたしますが、私どもはプロジェクトと言っておりますが、地方
公共団体との関係強化プロジェクトというものを立ち上げまして、29の国有財産につい
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て、できるだけ処理を図っていくということとしております。
そのひとつは、昨年の10月末にお諮りした枚方市の公務員宿舎跡地の売却であったわ
けですけれども、今日お諮りいたします3件のうちの2件はそういった地方公共団体との
連携プロジェクト事案でございます。そういうことで、今後、国有財産行政を進めていき
たいと考えているところでございます。
個別の案件につきましては、それぞれの委員の先生方のお立場から、ぜひ忌憚のないご
意見を伺わせていただいて、今後の我々の行政に役立てていきたいと思いますので、是非
よろしくお願いいたします。
3.諮問事項の審議
【奥田会長】
どうもありがとうございました。
それでは、早速、諮問事項の審議に入りたいと思います。
ご高承のとおり、この審議会は近畿財務局長の諮問を受けまして、国民共有の財産であ
ります国有財産をいかに有効に活用していくかということについて皆様方にご審議いただ
くことになっておるわけであります。
本年2月1日に近畿財務局長から当審議会に3件の諮問を受けております。委員の皆様
方におかれましては、どうぞ、ご活発なご議論を賜れればと考えております。どうかよろ
しくお願い申し上げます。
まず、事務局から第1諮問につきましてご説明をお願いいたします。
【和田管財部長】
管財部長の和田でございます。私から事案についての説明をさせていただきます。どう
ぞよろしくお願いいたします。
お手元に、諮問事項ということで3件の資料を置かせていただいております。
スクリーンを見ていただきますと、そのうちの諮問事項の1と2、豊中市野田町に所在
します国有地、それから、川西市久代6丁目に所在する国有地でございますけれど、この
2件につきましては、国土交通省大阪航空局が所管しております社会資本整備事業特別会
計空港整備勘定所属の普通財産でございます。
今般、大阪航空局から当局へ処分依頼された事案です。これらの土地は大阪国際空港の
周辺にございまして、航空機騒音対策のために航空局が買い入れた土地でございます。
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この大阪航空局が買い入れた土地につきましては、前々回の審議会に、豊中市に所在す
る土地につきまして土地信託による処分ということでお諮りいたしましたが、そのときに
大阪航空局から買い入れた国有地の沿革について一度ご説明をさせていただいております
が、その後、委員の先生方もご交代をしていただいたりしておりますので、大阪航空局が
買い入れた国有地の沿革について今一度ご説明をした上で、個別の説明をさせていただき
たいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
初めに大阪国際空港の航空機騒音に対する空港周辺対策の概要についてご説明いたしま
す。
大阪国際空港には昭和39年から民間ジェット機が就航いたしまして、空港周辺地域の
急速な市街化というものと相まって、航空機騒音が周辺住民の生活に深刻な影響を与える
ということになっておりました。ジェット機の出現というのは大量高速輸送を可能にいた
しましたけれども、ジェット機化ということで騒音が大きな社会問題になりまして、昭和
42年に飛行場周辺における航空機の騒音により生ずる障害の防止、損失の補償、その他
必要な措置を定めるということで、いわゆる航空機騒音防止法が制定されたところでござ
います。
この法律に基づきまして、大阪航空局は空港周辺において騒音の大きいほうから第三種
区域、第二種区域、第一種区域と定めまして、区域ごとに様々な対策を講じてきたところ
でございます。スクリーンはそういう地域を表したものですけれど、騒音レベルを通称「う
るささ指数」という言い方をしております。この指数が、いわゆる第一種の75以上、そ
れから、その周辺で概ね70以上の区域にあります学校ですとか病院、第一種区域のとこ
ろは住宅でございますけれども、騒音防止工事などの助成を行ってまいりました。また、
この指数が90以上の第二種、第三種区域内におきましては、そこに住んでおられる方か
らの申し出によりまして、建物の移転補償ですとか土地の買い入れを行い、当該区域以外
に移転をしていただいております。
こうして買い入れた土地を「移転補償跡地」と言っておりますが、これまでに大阪航空
局が買い入れた跡地の累計は大阪府側と兵庫県側を合わせまして約100万平方メートル
に及んでおります。
次に、国はこれまで必要な騒音対策を実施してきたところですけれども、昭和62年に
なりまして、航空機の性能向上などにより従来よりも騒音が軽減されてきたということで、
騒音対策区域の見直しが行われました。当初の区域設定の時点より騒音対策区域が大幅に
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縮小されるということになりました。
この図は第二種区域を示したものですが、外側の緑の実線が旧来の第二種の区域でござ
いました。区域の見直しによりまして、内側の赤の実線で示す区域へ大幅に縮小されたと
いうことでございます。
諮問事項1の豊中市野田町の土地と諮問事項2の川西市久代の土地は、それぞれ赤い四
角で囲んだ所にございますが、2箇所とも当初は第二種区域内でしたが、騒音区域の縮小
に伴いまして現在は第二種区域外、すなわち第一種区域内にございます。
次に、この図は豊中市側の第二種区域を拡大したものです。第三種区域と第二種区域に
所在しております移転補償跡地につきましては、順次、緩衝緑地帯ですとか公園として整
備を進めておりますが、騒音区域の縮小に伴いまして第二種区域から外れた区域、外側の
緑の実線と内側の赤の実線に囲まれた部分にある土地については基本的に売却するという
ことになりました。
この2箇所もこのような経緯で売却するということになったわけですが、特に豊中市に
おきましては地元関係者との調整が進みまして、これまで市営の住宅敷地ですとか都市計
画におけます緑地事業の代替地などとして売却が行われてまいりまして、先ほど申しまし
た、一昨年10月の審議会にお諮りしました豊中市内の約10万5,000平方メートルの
土地につきましては土地信託の手法により売却するということでご審議をいただいたとこ
ろでございます。
時点は直近の数字ではございませんが、売却対象となる第二種区域外の土地は約21万
平方メートルとなっております。
以上が空港周辺対策におきまして大阪航空局が買い入れた土地の背景と処分するに至っ
た概要でございます。
それでは、続きまして、諮問事項1、豊中市野田町に所在する普通財産の売払いにつき
ましてご説明いたします。
対象財産は豊中市野田町1505番に所在します約9,500平方メートルの土地でご
ざいまして、豊中市に対しまして大震災等の災害時における避難場所としての機能を有す
る都市公園、いわゆる「防災公園」として時価で売り払いをさせていただこうという事案
です。
スクリーンは、平成15年に本地の周辺を撮影したものですが、現在もほぼこの景観と
同じでございます。
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本地が所在する豊中市野田町地区というのは、昭和40年代前半はまだ区画整理事業を
行う前ということで、非常に零細な敷地規模の建て売り住宅とか文化住宅が密集した地域
でございました。大阪国際空港への航空機の進入路直下にありましたことから移転補償と
買入れを順次行ってきました。その結果、スクリーンでもお分かりになると思いますが、
青い部分が屋根瓦ですが、その周辺の所は虫食い状に多数の空き地が生じまして、いわゆ
るまちの空洞化を招くということになったわけでございます。
このため、豊中市は平成6年度から住宅市街地の総合整備事業ですとか土地区画整理事
業などいろいろな手法を組み合せながら既成市街地の総合的な整備を行ってまいりました。
本地につきましても、これらの事業の中で、それまで本地周辺に点在していた移転補償跡
地を土地区画整理事業の中で集約いたしまして、平成17年に換地をいたしました。そし
て、現在のほぼ整形な画地ということになったわけでございます。赤枠で囲んだ所が今回
の対象財産ということでございます。
今回、ご審議いただきます土地は、画面中央赤色の表示部分になりますけれど、豊中市
の南部、名神高速道路と阪神高速道路池田線が交差します豊中インターチェンジの北東約
1キロメートルの位置にございまして、東方には国道176号線と阪急電鉄の宝塚線が走
っています。最寄りの阪急電鉄宝塚線庄内駅からは北西方向約600メートルの位置にご
ざいます。
本地の周囲でございますが、北側が名神高速道路、東側が市道野田町3号線を挟みまし
て豊中市立第十中学校がございます。南側が市道野田町9号線を挟みまして高層の集合住
宅が建ち並んでおります。また、西側には、市道を挟みまして、これもまた換地をした土
地ですが、大阪航空局が管理する移転補償跡地と一部、豊中市の市有地ということになっ
ております。このほか、付近には大阪音楽大学ですとか豊中市立野田小学校などの文教施
設がございます。都市計画法上第一種の住居地域、一帯は防火地域に指定されております。
次に、本地の利用計画についてご説明いたします。
対象財産は南北に120メートル、東西に80メートルのほぼ整形で平坦な土地で、豊
中市はこの土地を防災機能を有する(仮称)野田中央公園として整備をしたいということ
でございます。
本地が所在します豊中市の名神高速道路以南の庄内地域における市民1人当たりのいわ
ゆる公園敷地面積というのは2.41平方メートルで、豊中市全体の平均6.82平方メー
トルを大きく下回っております。さらに野田校区に至りましては、1.28平方メートルと
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非常に緑の少ない地域になっております。
このように野田校区は公園が非常に少なく、地元住民からも公園整備の要望などが出て
おりますことから、豊中市としては快適な住環境の創出の観点から都市公園を整備しよう
ということでございます。
さらに、庄内地域は、昭和30年代から40年代にかけまして高度経済成長期に公共施
設が未整備なまま宅地化が進みまして、道路というのは狭隘かつ不規則で、公園、広場等
のオープンスペースが不足する、いわゆる密集住宅地域が形成されました。都市問題とい
う点では住環境、防災上の問題を抱えるということと、やはり災害に対して非常に脆弱な
町ということになっておりました。特に阪神淡路大震災の教訓を踏まえまして、災害時の
市街地火災などから市民の生命を守るために、広域的な避難の用に供する公共空地として
の広域避難地の整備というものが、また急務ということになっておりました。
これまで豊中市内には、広域避難地として豊中の北部に大阪大学の待兼山地区、それか
ら中央部に服部緑地公園地区の2箇所を設けられておりました。今般、豊中市の南部、庄
内地域に3番目の野田周辺地区を整備するということでございます。豊中市には本地周辺
に、先ほどご説明しました、緑色の部分でございますけれど、市立第十中学校ですとか野
田小学校といった耐火建築物があり、それから、阪急宝塚線や名神高速道路が延焼の遮断
帯を形成するということで、避難地としての機能を十分果たし得ると判断いたしまして、
本地域を都市型の広域避難地地区と位置付けまして、防災機能を併せ持つ都市公園として
整備しようということになりました。
なお、広域避難地の面積は国土交通省の告示により土地が10ヘクタールあればそのま
まで避難地となるのですが、この土地は10ヘクタールありません。ただし、10ヘクタ
ール未満の公共空地に隣接して、すなわち隣の第十中学校や野田小学校という公共施設な
どの土地と合わせて10ヘクタール以上あれば避難地とできるという基準になっておりま
して、今回整備しようとする野田周辺地区の面積は、合わせて14.2ヘクタールというこ
とになっております。このうち、いわゆる空地としての有効面積というのは約6.4ヘクタ
ールで、想定の避難者数を豊中市は2万2,000人の安全を確保できると推定しておりま
す。
豊中市は、平常時にはこの公園が街区住民の憩いの場となるように、いわゆるレクリエ
ーション機能ということでグラウンドですとか遊具などを設置して使っていただく、それ
から、災害時には市街地火災などから市民の生命を守るための防災機能を有する公園とい
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うことで整備したいと考えております。
したがって、オープンスペースが非常に多くなるわけですが、今年度内での買受けを要
望しており、平成23年度までに公園整備を完了したいという計画でございます。
次に、本地の処理区分についてご説明いたします。
豊中市へは随意契約によりまして時価売払いといたします。なお、地方公共団体への時
価売払いですので、特段の用途指定は付さないことにしたいと考えております。
諮問事項1の説明は以上でございます。どうぞよろしく審議のほどをお願いします。
【奥田会長】
どうもありがとうございました。
ただいまの諮問事項に対してご質問、ご意見がございましたら、どうかよろしくお願い
いたします。どなたかご質問、ご意見ございませんか。どうぞ。
【角野委員】
処分地については異存ありませんが、西側にまだ大阪航空局の普通財産がありますね。
今のご説明ですと、このエリアを含めて小学校のグラウンド等々も含めて広域避難空地と
位置付けるということだったと思いますが、そうなりますと、この西側の普通財産につい
て、今は議題に上がっていませんけれども、今後ここはどのような方針をお持ちなのかと
いうのをお聞かせください。
【和田管財部長】
今のご質問については黄色い部分の普通財産ということかと思います。基本的に、今回
の対象財産と普通財産とを区画整理事業で画地に整理したということでございます。豊中
市の要望としてはできる限り公園用地としてほしいということでしたが、財政的な問題も
ありまして、都市型の広域避難地ということでは、先ほどご説明しましたとおり中学校、
小学校などを合わせた一体型ということになっております。
現在、この普通財産については今後改めて処分をするという方向は変わっておりません
ので、どう処分するかということで大阪航空局とも情報収集を行っているところです。
【奥田会長】
他にご意見、ご質問はございませんか。よろしゅうございますか。
では、ご質問もないようでございますので、採決に移らせていただきます。
この諮問事項に関しまして、原案どおり決定することでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声)
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【奥田会長】
どうもありがとうございます。特にご異議がないようでございますので、原案どおりに
決定ということで、その旨答申いたします。
それでは、続きまして第2諮問に入ります。では、事務局からご説明をお願いいたしま
す。
【和田管財部長】
どうもありがとうございました。
それでは、諮問事項2につきましてご説明をいたします。
対象財産は、川西市久代6丁目37番の1に所在します約6,500平方メートルの土地
です。この土地を、社会福祉法人「友朋会」に社会福祉事業施設の敷地として時価売払い
させていただこうという事案です。
この社会福祉法人「友朋会」は、川西市の高齢者保健福祉計画の第4期の介護保険事業
計画と川西市の保育所整備計画に基づきまして、本地の活用をどうするかということで大
阪航空局と川西市が協議を進めてまいりまして、本地を活用した事業コンペに応募し選定
された法人です。参加法人は当初2法人でしたが、1社が途中で辞退いたしまして、審査
した結果この法人に決定しております。
なお、この友朋会は社会福祉法に規定します事業を営んでおりますので、同法人には随
意契約で売払いしたいと考えております。
それでは、本地の説明をいたします。
今回ご審議いただきます土地は画面の中央の赤色の部分ですが、川西市の南部に所在し
ます。北方約1キロメートルに国道176号線と中国自動車道が、南方に国道171号線
が東西に走っております。それから、右下に青で着色された大阪国際空港からは北西方約
1キロメートルという距離になります。最寄りのJR福知山線北伊丹駅からは北西方向、
これも200メートルという至近距離にあります。形状は南北80メートル、東西90メ
ートル、ほぼ整形な平坦な土地です。
この土地は、民間会社の独身寮ということでまとまった形で当初から使われていた土地
でございました。
本地の周囲ですが、北側には川西市道22号線を挟みまして戸建住宅が建ち並んでおり
ます。この地域も、これは非常に小さい図面で恐縮ですが、よく見ていただきますと、小
さい建物が住宅、それから、少しその間に幾つか空地が出ております。この地区は、むつ
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み・高芝地区といいますが、いわゆる移転補償跡地が散在する地域となっています。それ
から、南側が県立西猪名公園、西側に中高層のマンション群が現在建ち並んできておりま
して、その周辺、こちらの下側になりますけれど、大規模な工場施設ですとか大型の量販
店舗など、施設規模の比較的大きな店舗が見られる地域となっており、都市計画法上は工
業地域となっています。
次に、本地の利用計画について説明いたします。
川西市では、平成20年6月時点ですが、介護保険施設への入所を必要とする、いわゆ
る待機者が190名おりまして、多数の方が特別養護老人ホームへの入所を待つ状況とな
っております。現在、川西市内には6つの特別養護老人ホームがありますが、5つが北部
地域に集中しておりますことから、川西市南部地域の住民から特別養護老人ホーム施設の
設置を非常に強く求められているという状況下にありました。
スクリーンの星印が、今回、買い受けを要望しております友朋会が運営する清和苑です。
ここは平成6年に開設しておりまして、川西市内では2つ目の施設ということになります。
また、川西市内には公立の保育所が9ヵ所、赤色の丸印です。それから、私立の保育施設
が5ヵ所あります。ただ、南部地域は公立の保育所が3ヵ所ありますが、ゼロ歳児を受け
入れられる保育所というのが一つもありません。昨年の3月時点におけるこの校区での保
育所の待機児童者数は25人であり、全市内における待機児童者数134人の約2割の待
機児童が占める地域となっています。
さらに、本地の西側に中高層のマンションが次々と建ってきており、本地周辺での今後
の保育需要というのはこれまで以上に高まると見込んでおります。このため、本地の利活
用に当たっては、保育所施設を併設することで待機児童の解消を図りたいということでご
ざいます。
また、本地周辺には医療施設が少ないということで、川西市は養護老人ホームに設置が
義務付けられております診療所を地域住民へ開放することで医療機関の不足を補いたいと
考えております。
友朋会は本地に医療施設を含む地上7階建ての高齢者福祉施設と2階建ての保育施設を
併設する複合福祉施設を整備する計画です。
具体的な高齢者の福祉施設ということでは、特別養護老人ホーム、ケアハウス、ディサ
ービス、居宅介護支援事業所、訪問介護事務所、医療施設では診療所のほかにリハビリセ
ンターを整備するということであり、保育所施設では、規模的には90名の児童を受け入
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れたいという計画でございます。
スケジュールとしましては、本年の夏頃から着工致しまして、平成24年4月には開所
する計画になっています。
最後に処分方法についてですが、友朋会は社会福祉法に基づく事業を営む法人であり、
その利用用途も社会福祉施設ということですので、随意契約で売払いをさせていただきま
す。ただ、売買契約に当たりましては、先ほどご説明しました地方公共団体への売買契約
には用途指定等を付けないのですが、本件は、公益事業を営んでおりますけれども私法人
ですので、国有財産法の原則に従いまして、一定期間、特定用途に供するということで、
契約書上用途指定の条項を付したいと考えております。
具体的には、売買契約締結の日から2年以内に社会福祉事業の施設に供していただいて、
当該用途として利用させるための指定期間を10年間といたします。それから、10年間
の買戻しの特約を付けるということで、所有権の移転登記と併せまして、買戻権の登記を
行いたいと考えております。
第2諮問事項は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【奥田会長】
ありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明に関してご質問、ご意見がございましたらどうかよろしく
お願いいたします。よろしゅうございますか。どうぞ。
【津村委員】
高齢者福祉施設は、こちらから見ると左側にあり、右側が認可保育施設という計画にな
っていましたけれども、もう1つ、医療施設というのが出てきましたね。それは一体どこ
にお造りになるのでしょうか。
【和田管財部長】
建物としては2棟ですが、こちらの高齢者福祉施設の中に診療所を併設するという計画
でございます。
【津村委員】
その医療施設ですけれども、先ほど、この地域では診療所が1ヵ所しかなくてという話
でしたよね。
【和田管財部長】
そうですね。総合病院というのはこの近くにありませんし、この南部地域の中でもこの
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校区にはそういった病院、個人の病院も含めて非常に少ないので、通常ですと養護老人ホ
ームのための診療所なんですが、地域に開放できるような形でつくってもらいたいという
のが川西市の意向です。
【津村委員】
この医療施設ですけれども、多くの老人ホームが自分の施設の中だけの診療所で終わっ
ているところが多いんですよね。ぜひこの地域ではもう少し公共性を持たせたような医療
施設にしていただきたい。
そして、もう1つは、保育施設があります。しかもゼロ歳児を扱うということですので、
ゼロ歳児を扱うということになるとやっぱり病児という問題が起こってきますので、その
あたりも扱えるような形にしていただけると住民はこの施設ができることを非常に歓迎す
ると思います。そういう利用ができるよう要望しておきます。
【和田管財部長】
どうもありがとうございます。
恐縮でございますが、私、川西市が応募しました条件の説明を省略した形で話を進めて
しまいました。
川西市は応募の条件としまして、診療所と保育所については、地域住民の方々からの要
望が非常に強いということでございましたので、津村委員がおっしゃられましたように、
地域住民の方々が診療所を利用できることとしておりました。その点で、川西市は、ちょ
っと欲張ってはおられるのかなとは思いますけれど、やはり地域と連携した形で養護老人
ホームが設置されることで、より地域に認められるということになるのかなと思います。
委員のご要望の点は、川西市としましても期待をして、友朋会でしっかりと経営してい
ただきたいと考えているということでございました。ありがとうございます。
【津村委員】
これからの1つのモデルとしてやっていただいたらありがたいなと住民の立場で思いま
す。
【和田管財部長】
ありがとうございます。川西市にもよく伝えたいと思います。
【奥田会長】
どうもありがとうございました。ほかに、何かご質問。どうぞ。
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【石橋委員】
今、津村先生のご質問と回答との関連ですが、私も実はそういう養護老人施設を経験し
てございまして、この施設内だけの診療所ということに限定しますと、それが法人の経営
に逆に重たい負担になってまいりますので、むしろ、造るときからオープンな形で外の方
も利用できるということが施設の運営としても正解ではないかと思っております。つけ加
えさせていただきます。
【和田管財部長】
ありがとうございます。
【奥田会長】
どうもありがとうございます。
ほか、ご質問、ご意見ございませんか。よろしゅうございますか。
それでは、ご質問等もないようでございますので、採決に移らせていただきたいと思い
ます。
今の諮問事項に関しまして、原案どおり決定するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声)
【奥田会長】
どうもありがとうございます。
特にご異議がないようでございますので、原案どおり決定しまして、答申をいたします。
それでは、引き続きまして、第3諮問に入りたいと思います。
それでは、よろしくお願いいたします。
【和田管財部長】
それでは、諮問事項の最後です。この事案は昨年お諮りしたものと同じく、枚方市に所
在します国有地の売払いです。
対象財産は、財務省及び国土交通省所管の特定国有財産整備特別会計所属の普通財産で、
本地は公務員宿舎の跡地でございます。昨年枚方市民病院の事案についてご説明をいたし
ましたが、本件も公務員宿舎の建替えに伴い不要になりました国有地を処分するというも
のです。公務員宿舎の整備は、特定国有財産整備特別会計で実施しております。
枚方市上野3丁目600番の4に所在します土地約4,900平方メートル、建物延べ約
1,600平方メートル、そのほかに立木竹と工作物が今ございます。この財産を今回は学
校法人の関西外国語大学に対しまして、英語教育センターなどの大学施設用地として時価
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売払いさせていただこうという事案です。
昨年の4月に、公共団体等へ買受けの要望を確認するため公募を行いました。そうしま
したところ、本大学から大学施設用地としての買受け要望がございました。公募した者は、
本大学だけでした。学校施設の用に供する売払いということでございますので、諮問事項
の2と同様、随意契約で売払いをしたいと考えております。
対象財産の位置等についてご説明をいたします。
今回ご審議いただきます財産は、画面中央の赤色の部分で、京阪本線枚方市駅の北東方
約1.3キロメートルに位置しております。周辺地域は、学校施設ですとか、中高層共同住
宅、それから戸建ての住宅密集地に囲まれた住宅地域になっております。昨年10月にご
審議いただきました枚方市民病院は、本地の西方約500メートルの位置にあります。
次に、現況写真です。赤色で枠取りされた部分が本地で、東西約80メートル、南北約
60メートル、台形状の平坦な土地です。現地には昭和43年築の公務員宿舎が現在も建
っておりますが、老朽ということでその用途を廃止し、現在空き家となっております。こ
の建物などを含めた現状有姿で売払いをしたいと考えております。
本地の周囲ですが、南側は府道に隣接し、その他の3方は民間会社の所有地となってい
ます。隣地を挟んだ東側に、今回買受け要望のありました関西外国語大学の中宮キャンパ
スがあります。同大学のキャンパスは市内に片鉾と穂谷の2つのキャンパスがあり、計3
箇所あります。西側には民間の高層マンションが建っておりまして、南側は、府道を挟み
戸建ての住宅と店舗が混在する住宅地、都市計画法上、第1種住居地域となっています。
この一帯は、戦前旧日本陸軍の禁野火薬庫敷地で、さらに、その昔禁野本町遺跡があっ
たということで、文化財保護法に基づく周知の埋蔵文化財包蔵地域になっています。
続きまして、本地の利用計画についてご説明をいたします。
大学の利用用途としては、英語教育センター、それから各種研究施設のほか、地域交流
の施設といったものなど、複合的な機能を有する施設を整備する計画です。これらの施設
において、平日・休日を問わず、地域に開かれた施設としての対外的な教育活動を充実し
推進したいと考えておりまして、中宮キャンパスにも近いということで、今回、この土地
を要望したということです。
英語教育センターでは、教職課程学生以外の小中高校の現職の教員ですとか、児童生徒
及び社会人といった幅広い層を対象にした英語教育と、平成21年度から制度化された教
員免許講習なども行うということで、外国語教育へのニーズに対応したものにしたいとい
-14-
うことです。
それから、既設の研究施設として、国際文化研究所ですとか人権教育の思想研究所とい
うのが中宮キャンパスにあるのですが、この研究施設と、今回新たにスペイン、ポルトガ
ル及び中南米諸国の関係強化のために仮称のイベロアメリカ研究センターといったものを
新設して、公開講座など対外的な活動を行って社会貢献を果たしたいと考えています。
さらに、地域住民も活用できる交流ロビーなどの地域交流施設をつくりたいということ
です。また、本大学では海外から留学派遣の受入れを行っておりまして、現在、50の国
と地域の325の大学と提携をしておりまして、毎年約700名の海外留学生を受け入れ
しております。これらの留学生と本大学の学生、さらに地域住民の交流の場として活用し
て、国際交流を推進したいと考えております。
施設の概要は以上でございます。
本地を買い受け後、早急に施設整備を行い、平成23年末には開設をしたいと考えてお
ります。
最後に、本地の処理方法ということですが、売払いの相手方は私立学校法第3条に規定
された学校法人で、学校教育法に基づく大学施設敷地としての利用用途ということですの
で、この国有財産につきましても、本大学へ随意契約により処分をしたい。ただし、先ほ
どの社会福祉法人と同じく私法人ですので、用途指定と買戻しの特約を付けたいと考えて
おります。
最後に完成予想図です、このような施設をつくる計画です。 概要は以上でございます。
よろしく審議のほどお願いいたします。
【奥田会長】
どうもありがとうございました。
この件に関しまして、ご質問、ご意見をお受けしたいと思います。いかがでございます
か。ご質問、ご意見はございませんか。よろしいですか。
特にご質問がないようでございますので、採決に移らせていただきます。
諮問事項に関しまして、原案どおり決定ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声)
【奥田会長】
どうもありがとうございます。
特にご異議がないようでございますので、原案どおりに決定をいたしまして、その旨、
-15-
答申したいと思います。
本日の諮問事項は以上でございます。
4.報告事項
【奥田会長】
次に事務局から報告事項が2点ございます。1点目は審議会の付議事案の処理状況につ
いて、それから、2点目が地方自治体との関係強化に向けた取組について、この2点を続
けまして事務局からご報告をいただきまして、その後、ご質問をお受けしたいと考えてお
ります。どうかよろしくお願いいたします。
【込田管財部次長】
それでは、報告事項についてご説明いたします。
お手元の報告事項の資料の1ページをご覧ください。
報告事項の1、審議会付議事案の処理状況についてです。
本件は、前回、平成21年10月29日開催の第115回審議会でご答申をいただきま
した枚方市に所在する普通財産の処理についての事案でございますが、答申のとおり今般
4件の売買契約を締結いたしました。
枚方市に対し、1段目の市民病院敷地と3段目の都市計画事業代替地を、枚方市土地開
発公社に対し、2段目の都市計画道路敷地として時価売払いする事案について、それぞれ
昨年12月25日に売買契約を締結いたしました。
一番上の市民病院敷地の契約金額は6億8,280万円です。
枚方市土地開発公社は平成23年12月24日までに本件土地を枚方市に譲渡すること
になっており、また、3段目の都市計画事業代替地につきましても、平成23年12月2
4日までに事業代替地として大阪ガス株式会社に譲渡することになっています。
一番下の大阪府へ売払いする事案については、本年1月15日、売買契約を締結いたし
ました。
以上、前回ご審議いただきました事案に関しまして、答申のとおり適切に処理を行いま
した旨ご報告させていただきました。
続きまして報告事項2、地方公共団体との関係強化に向けた取組についてご説明いたし
ます。
財務局は、国と地方とをつなぐ情報の受発信や利用者保護、地域のまちづくりへの協力
-16-
など、国の施策に沿った広域的な地域貢献に努める役割を担っております。昨秋、政権が
代わり、財務省の施策を地域で円滑に実施し浸透させていくために、地方公共団体とのパ
イプ役としての役割はより重要となっております。近畿財務局では、こうした認識の下、
今事務年度におきまして地方公共団体との関係強化を通じた地域貢献を柱とした取組を行
っていますので、ご紹介させていただきます。
主な取組としまして、幹部職員が管内の地方公共団体を訪問し、知事や市長などから直
接、予算・税制に関する意見・要望をお聞きするトップヒアリングを実施しました。
まず、211団体のうち137団体を回り、先月15日にヒアリング結果を公表させて
いただきました。お手元に参考として、1月15日の公表資料「地方公共団体の首長等に
聞きました!」を置かせていただきましたので、後ほどお読みいただければ幸いです。今
後、残りの地方公共団体のトップヒアリングを実施する予定です。
また、台風などの災害発生地域の安定・回復のための取組としましては、昨年8月の台
風9号の際には、被災地域の金融機関に対し預金引出しなどの特例措置を要請したり、資
材置き場などとして国有財産の無償貸付を行ったり、道路・河川や公共施設などの災害査
定を実施いたしました。
国有財産の管理・処分を通じた「地域貢献」の取組については、お手元の資料3ページ
の別紙をご覧願います。
管財部では、国有財産の管理・処分に当たって地域貢献ということを基本にして、地方
公共団体との関係強化に向けた取組を行っております。具体的には、庁舎や公務員宿舎な
どの跡地を地方公共団体に対して情報提供し、各地方公共団体から取得要望などがあった
もののほか、その地域に所在する国有地で地方公共団体と関係が深い、お手元の資料の4
ページから7ページに掲載した29財産を地方公共団体関係強化プロジェクト財産として
選定するとともに、それらを円滑に処分するため、関係団体との間で国有財産有効活用促
進連絡会議を設置いたしました。
国有財産有効活用促進連絡会議では、地方公共団体などからの要望や地元住民から寄せ
られる様々な意見などを踏まえ、その利用用途や処分方法のあり方などについて率直な意
見交換の場として運営しております。
お手元の資料の4ページをご覧願います。小さい文字で大変恐縮ですが、これが地方公
共団体関係強化プロジェクト財産の一覧表でございます。
スクリーンに拡大しておりますが、番号1と2の事案は、これまでに処分した事案です。
-17-
番号3と4の事案は、本日ご審議いただいた事案でございます。
お手元の資料の8ページに、処分した事案の写真がありますのでご覧願います。神戸市
に所在する関西を代表する建築家、渡邉節氏の設計による昭和初期の名建築物である旧乾
邸を、地元住民や神戸市の意向を踏まえ、全国的にも珍しい取組として、神戸市指定有形
文化財として建物保存を条件とする一般競争入札により処分した事例でございます。最終
的に神戸市に建物保存を条件として売り払いいたしました。
次に、資料の最後のページをご覧願います。先ほどご報告しました枚方市民病院建替え
用地として枚方市に売払いした事例でございます。
昨年12月の売買契約に当たっては、当日、枚方市役所において、森川局長から竹内枚
方市長へ売買契約書を交付し、共同記者会見を行いました。この記者会見の模様は新聞各
紙や地元のケーブルテレビでも放映されましたが、このように地方公共団体と共同発表を
行うなど、積極的な広報活動を行うことで財務局の取組を幅広くアピールすることとして
おります。
国有財産の処分は、これらの事例もそうですが、一朝一夕で成就するわけではありませ
ん。また、特定の地域にある不動産であり国民共有の財産であるがゆえに、いつも地元地
方公共団体や地元住民から、その管理・処分に高い関心が寄せられています。このように
地域と密接なつながりを持った業務を担う財務局が国有財産を活用して各地域のまちづく
りに協力するなど、地域貢献に果たすべき役割は非常に大事だと考えています。
委員の皆様方には、引き続き私どもの取組につきまして何なりとご意見、アドバイスを
いただければ幸いに存じます。
以上、地方公共団体の関係強化についてご報告させていただきました。
【奥田会長】
どうもありがとうございました。
ただいま、2つの報告事項をいただいたわけですけれども、この2つに関しまして、何
かご質問、ご意見ございますか。どうぞ。
【上村委員】
国有財産をこういうように地域貢献を果たせるような施設に売却する、あるいは公益性
を持って有効に活用するというのは大変結構なことだと思うのですけれども、1つ、ちょ
っと別の観点からご意見を申し上げたいのですが、こういう形で国有財産を売却するとい
うことに対して、どういうふうに後使われるかというその使用というところと、それから
-18-
所有というところと、私は分けて考えるというやり方もあるのではないかと思っておりま
す。
というのは、最近、改めてPPPという言い方でパブリック・プライベート・パートナ
ーシップであるとか、PFIとか、今までもやってきたことですけれども、改めてこうい
う市場化テストやPFI、それから委託管理など、いろんなやり方をもっともっと進めよ
うということで出てきているわけですが。
何が言いたいかといいますと、今日もそうですが、病院になるとか、社会福祉施設にな
るとか、学校に売却されるとか、そういう使い方はとても地域貢献として大事なことです
けれども、そういうところに売却しますと固定資産税が入ってきませんよね。固定資産税
が入ってくるためのやり方をということでは決してありませんけれども、例えば、民間が
所有して、そしてそういうPPPの手法を使って学校が使うとか、病院が運営管理し使う
というのも考え方です。所有と使用というものをもう少し分けても考えられるというやり
方もあるのではないかというところの視点を私は盛り込んでいただきたいと思います。
国、地方を含めて税収不足の折でもありますから、民間がそういったことに取り組むと
いうことであれば景気浮揚にもなると思いますし、税収不足も少しは解決するでしょう。
有効活用と所有とを分けてセットで考えるというやり方もぜひ取り入れていただきたいと
いうことを意見として申し上げたいと思います。
【和田管財部長】
どうもありがとうございます。
今のお話の中で確認をしたいのですが、固定資産税は地方税でございますので国の庁舎
などには地方税がかからないのですが、国有地を民間法人へ売却して使うとなると、豊中
市は公園でご自分の所有なんですけれど、川西市と枚方市にはそれぞれ社会福祉法人と大
学ということですので、そこは固定資産税がそれぞれかかるということになるわけです。
【上村委員】
入りますか?大学は固定資産税はかからないのではないですか。
【和田管財部長】
公務員宿舎の建替えに当たっては、従来は国が直轄発注して公務員宿舎を建てるという
方法でやってきたのですが、最近はある程度規模の大きいものにつきましては、PFI手
法により民間が建設した建物を国が分割購入するといった方法も採用してきております。
一方、国が使わない国有財産につきまして、国が直接使用しない場合は売却するという
-19-
ことになりますが、民間が使用するといいますと貸付けといった方法になるのかなと思い
ます。従前は公園で使用する場合のように地公体へ無償で貸し付けするといった時もあり
ましたが、最近では一部を売却し、一部を無償で貸し付けるといった管理処分の併用方式
で運用しているものもありますが、ほとんどの場合売却を基本としております。
【上村委員】
私が申し上げたいのは、売却は売却で結構なのですけれども、売却先を必ずしも使われ
るところに売るというのではなしに、使用を限定して所有者とセットになって売るといっ
た方法を申し上げたいのです。国が貸し付けるというわけではなくて、国有財産は売却と
いうことで結構だと思いますが、売り先を必ずしも大学だとか病院を経営する本体という
ことではなく別のところに売って貸すということ。もちろん使用する用途は限定しながら、
経営と所有とは別にするという方法のことを申し上げたのです。
ところで大学には固定資産税がかかりますか。
【和田管財部長】
すみません。その点は確認します。
【森下委員】
上村委員のご意見と私の考えるところの関係は近いところがあると思うのですが、まち
づくりにはいろいろありますよね。まちづくりのプロジェクトは、地方公共団体だけじゃ
なくてもっと民間も入ることによって地域を活性化する方法はいろいろあるでしょうとい
うことを上村委員はおっしゃっていると思うのです。だから、あまり限定的な方法という
ことではなくて、所有と使用を分けるという方法もそうですし、やり方はいろいろあるで
しょうと。
ただ、おっしゃっている土地の活用は民間も入った形でプロジェクトをやって、財政上
も効果があるし、地域の活性化にも効果があるような方法があるんではないかと私もそう
思うのですが、上村委員は多分そういう意見だということですよね。
【和田管財部長】
わかりました。今後またいろんな事例が出てきますので考えていきたいと思います。
【奥田会長】
どうも貴重な意見ありがとうございました。ほかにございますか。どうぞ。
【森川局長】
こちらからご質問させていただきたいんですが、所有と使用の分離はいいと思うんです
-20-
けれども、一般的に考えて、官が所有して民が使用するというのはあり得ると思うんです
が、民が所有して官が使用するというような具体的なケースというのは、例えばどういう
ケースがあり得るのでしょうか。
【上村委員】
例えばPFIの場合は、SPCを別につくってSPCが所有をして、それを使用すると
いうように分離して、30年とか40年という期間での賃貸契約を結ぶというやり方もあ
ると思いますし、それから、ここへ必ず貸すということを決めておいて民間デベロッパー
が所有して、そして例えば病院なり学校に何十年という形で貸すというやり方もあると思
います。民が所有して公的に使うというやり方は十分いろいろなケースがあると思います。
もっと進んだ形としては、SPCが所有する不動産をさらに証券化をして資金調達する
とか、そういった例も出てくると思いますし、いろいろなケースが考えられると思います。
【和田管財部長】
PFI手法にはいわゆるBTO、BOTあるいはBOOといった種類がありますし、よ
り発展形としてのPPPといったものまで、その運用方法は非常に幅広くあります。
現在、公務員宿舎はBTO方式により行っており、まずSPCが宿舎を建設し、それを
国が購入し、SPCが一定期間宿舎管理してもらっています。
現在のところ当局では公務員宿舎についてはBTO方式によっているのですが、委員の
ご提案のようにBOT方式やBOO方式のように国は所有せず賃貸するといった、いろい
ろな方法があるかと思います。今後の取組として、どういう方法が一番効率的かを検討し
ていきたいと思います。
【上村委員】
国有財産の物件にもよりますし、ケースにもよると思います。
【和田管財部長】
規模の問題も含めて考えるということかなと私は理解をいたしました。
【上村委員】
最後に、ぜひ民間資金を使いながら景気浮揚をしていくということの効果も含めて、総
合的にお考えいただき、また研究いただければと思います。よろしくお願いします。
【奥田会長】
どうもありがとうございました。ほかにご意見、ご質問はありますか。どうぞ。
-21-
【吉村委員】
2つほどお聞きしたいのですが、1つは、地方公共団体とのトップヒアリングを行って
いるということで、ご苦労さまでございます。その中で、本日も2つの諮問事項がありま
したが、大阪国際空港そのものの位置付けで、大阪府知事と兵庫県知事とで非常に立場を
異にする意見を戦わせておられます。国が持っておる空港をどういうように将来的にした
らいいのかということに関連して、オフレコになるかもわかりませんが、その辺の話を聞
かせていただけたらありがたいということと、
もう1つは、極めてテクニカルな話で恐縮ですが、渡邉節さんの建物を神戸市が取得な
さったということでご報告いただきました。昭和11年に建った名建築と言われるものの
不動産の内訳価格としての建物はどういうような形で算定なさったのかということ。
大きい話から小さい話まで恐縮ですけれども、その2点についてお聞きできたらと思い
ます。支障のない範囲で結構です。
【森川局長】
最初のご質問については、私どもも実はこういう議論があったという情報がないので何
とも言えないですが、伊丹空港の問題については、かなりはっきりと大阪府知事と兵庫県
知事の見解は対立されているというのは皆様方よくご承知のとおりです。
それについて、今、3空港の懇談会というのが行政の首長と、それから経済団体のトッ
プでできて、今のところ私が理解しているのは、一体運用をするという方向で原則まとま
り、かつ、その具体案を考えようとしておられるということだと思います。
他方で、国交省の成長戦略会議というものがあって、そこでは確か神戸空港を外した2
空港の問題として議論されていらっしゃると思いますけれども、そこでは必ずしも関西の
3空港懇の結論をそのまま支持するというような議論ではなく、かつ、大阪府知事と兵庫
県知事のどちらかに立つということでもなく、いろんな議論がなされているというように
私は承知しておりまして、最終的に両者がどういう関係になりながら、6月ぐらいまでに
固めるのか、どういう形で国交省の結論がまとまるのかというのは全く予断ができないと
いうのが現状じゃないかなと思います。
ただ、これについて関西の一元的な意見がまとまるのかどうかというのは、私はやや悲
観的ではあります。やはり地元である以上、国に対してある程度関西の総意としてこうし
て欲しいという意見が出たほうが私は地元にとってプラスになると思っておりますので、
ぜひそういう結論を下妻懇談会にはまとめていただきたいと思っておりますし、それを受
-22-
けた形で国交省の方でまとめ、それと財政当局との間で調整が進むというのを期待してお
ります。
【吉村委員】
ありがとうございます。結構です。
【奥田会長】
次に2つ目の小さいほうですね。
【和田管財部長】
評価額は約3億円でございます。
ほとんどは土地代ということです。建物は、いわゆる神戸市の非常に歴史的な建物とし
て、それなりに神戸市のほうとしても価値があるだろうということを見込まれまして条例
化した経緯もございましたが、建物は古くて残存価値という点ではほとんどなかったと記
憶しています。
【吉村委員】
再調達というか、今建てるとすれば幾らぐらいの価値があるのかということからスター
トして、減価修正を行ってというのが普通の建物評価のやり方ですけれども、それに加え
て文化財的な価値を貨幣価値として加えるかどうかということですね。
その上にその建物がある限りにおいては、その土地がどういう利用が最有効なのかわか
りませんけれども、建付けの増価があるのかないのか、減価があるのかないのか。複合動
産の価値が普通の不動産の価値を上回っているか、あるいは下回っているかについて教え
てください。
【和田管財部長】
建物については、建物毎に再調達原価から経年などによる減価修正を行っておりますが、
文化財的な価値については増額修正を行っておりません。
また、土地については、文化財建物を保存しなければならないということで、利用制限
があるということから、更地の価格から約3割を減額しております。先生ご高察のとおり
建付け減価とも言えるかと思います。
【奥田会長】
よろしゅうございますか。
-23-
【吉村委員】
結構です。
【和田管財部長】
先ほどの上村委員のご質問についてですが、大学の学校施設であれば固定資産税は非課
税ということでございました。私の勘違いでした。どうも失礼しました。
【奥田会長】
ほかに、どうぞ。
【辰野委員】
豊中市に公園用地として売却する件に関連しまして、少し質問や意見もあります。
私、何年か前の時にも申し上げたのですが、国有財産を売却して資金化していくという
方向だということに対して、国が持っているオープンスペースとしてあるところを売って
ビルをどんどん建てるというよりは、やっぱりオープンスペースの重要性ということを申
し上げたことを思い出すわけです。
今回、豊中市に売却してそれが公園になるというのは、僕は最高に非常にうまくいって
いるケースだというように思うのですが、これは、たまたま豊中市が非常に資金的な余裕
があってこういうことができたということに尽きるのか。国としても公園として使うとい
うことであれば積極的に、時価売払いということですから安くすることはできないのかも
しれませんが、地方公共団体に売却して公園整備をどんどん進めるべきだというように思
うのです。
これは豊中市に資金的な余裕があったからできたということだけのことなのでしょうか。
【和田管財部長】
豊中市の財政状況はそれほど裕福というわけではありませんが、最近は行財政改革を各
市町村行ってきておりまして、すこぶるという状態ではありませんが、何とか頑張ってお
られるということで、この審議会では売却価格までお諮りすることはございませんけれど、
今回国有地を買っていただくことになりました。
地元住民の立場からは豊中市が買おうとする国有地の隣のものも合わせて買ってほしい
という要望があったように聞いていますが、財政事情もありますから、市としては隣接す
る小中学校などの公共施設と合わせて避難地として認められる規模の面積を購入するとい
う判断をされたものと理解をしております。
国営公園以外のいわゆる都市公園は、都市公園法上地方公共団体が設置することになっ
-24-
ていますので、国ではなく地方公共団体において設置するかどうかがありきということで
はないでしょうか。公園の設置については地域の要望は強いものがあると思いますので、
地方公共団体としてもそういう要望に応えようという考えは十分持っておられると思いま
す。
国有財産法上、地方公共団体が公園として使用する場合には無償で貸付けできるという
規定がございます。昭和40年から50年代には実際無償で貸付けを行った時期がありま
したが、国の財政悪化に伴いましてその後一部売払い、一部貸付けといった併用方式によ
る管理処分が行われるようになりました。
なお、今回お諮りした国有地は大阪航空局が行政目的で時価で買上げをしたという経緯
があり、これらの処分は社会資本整備特別会計空港整備勘定における歳入となり、一方で
平成21年度約5,300億円の事業規模の空港整備のための歳出予算となるという歳出
歳入のバランス関係にあります。このため大阪航空局が買い上げた移転補償跡地について
は時価売払いを原則とするということで、国有財産法上の一般的な取扱いは取り得なかっ
たということです。
【奥田会長】
よろしゅうございますか。ほかにご質問ございませんか。
どうもありがとうございます。一応ご質問も終わったようなので、これで報告事項を終
わらせていただきます。
5.閉会
【奥田会長】
本日の審議会はこれで終了いたします。終了に当たりまして、森川財務局長から一言お
願いいたします。
【森川局長】
大変お忙しい中を活発なご議論をいただきまして、ありがとうございました。
冒頭に申し上げましたように、あるいは管財部長から説明いたしましたように、地域貢
献ということで今後ともやっていきたいと思っております。本日は、いろいろご意見もい
ただきましたが、皆様方のお知恵も拝借しながら、また新しい手法を勉強しながらやって
いきたいと思いますので、ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。
本日は誠にありがとうございました。
-25-
【奥田会長】
どうもありがとうございました。
後日、事務局から皆様方のところに議事録の確認依頼が参りますので、チェックをお願
いいたします。
それから、本日の審議会につきまして、いつものとおりでございますけれども、この後、
事務局から記者発表となりますので、ご承知おき願います。
以上をもちまして、第116回の国有財産近畿地方審議会を閉会させていただきます。
本日はどうもお忙しいところありがとうございました。
〔午後3時45分 閉会〕
-26-
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%