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国際・外交
日米首脳会談で明らかになったトランプとユダヤの「意外な関係」
イバンカを縛るやっかいな「安息日」

ユダヤ教とイバンカ

2月10日正午(日本時間11日未明2時)からホワイトハウスで開かれた日米首脳会談・ワーキングランチは、日本側から安倍晋三首相、麻生太郎副総理・財務相、岸田文雄外相、米側からドナルド・トランプ大統領、マイク・ペンス副大統領、レックス・ティラーソン国務長官、マイケル・フリン国家安全保障担当大統領補佐官が出席した。

“日米オールスター・キャスト”のように見えるが、実は首脳会談はわずか45分、そしてワーキングランチは50分間であった。その心は、トランプ大統領が日本に求める2国間交渉の枠組が整ったことを示すセレモニー的な意味合いが大きかったということである。

しかし、トランプ大統領の娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問が同席したことは看過すべきではない。なぜか。

クシュナー氏は、実はユダヤ教正統派の信者であり、同教の戒律は金曜日の日没から土曜日の日没を「安息日」と定めており、「仕事」をすることを禁じている。ところが、同氏と夫人のイバンカ・トランプさんは事前にユダヤ教教会のラビからその戒律免責の許可を得て、安倍首相訪米に臨んだのである。

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両首脳は翌11日(土曜日)、フロリダ州パームビーチにあるトランプ・インターナショナル・ゴルフクラブと同ナショナル・ジュピター・ゴルフクラブで何と1.5ラウンドプレーするが、このグリーン会談は2人が通訳のみ連れてカートで回るのだ。

その間、首相夫人昭恵さんは大統領夫人メラニアさんが設営する行事に参加するが、クシュナー氏と結婚するためにキリスト教(カトリック)からユダヤ教に改宗したイバンカさんも一緒するのだ。

今回の日米首脳会談に関して玄人筋が注目しているのは、11日夜の大統領別荘「マララーゴ」で行われる夕食を交えたテ・タテ会談(通訳のみでノートテイカーも同席しない)の「中身」である。

 

トランプは何とツイートするのか

ところで、当初は世耕弘成経済産業相も首相訪米に同行して会談する予定であったピーター・ナバロ大統領補佐官(ホワイトハウスに新設された国家通商会議=NTCの議長でもある)の存在感が急上昇している。

と同時に、同補佐官の傍らに常にいる副官的な存在のアレックス・グレイ氏も要注意である。間もなく通商担当大統領副補佐官に就任すると見られる同氏は昨年の大統領選期間中、トランプ陣営のアジア政策担当者を務め、外交専門誌『フォーリン・ポリシー』(11月号)に米海軍の復権と対中強硬策を提唱したことで知られる。

前カリフォルニア大学(アーバイン校)教授のナバロ大統領補佐官は、通商・貿易政策のみならずトランプ政権のアジア政策全般を担う国務、国防、商務省の実務責任者である国務次官補(東アジア・太平洋担当)、国防次官補(アジア・太平洋担当)、商務次官補(アジア担当)の人事権を持っている。そして筋金入りの対中強硬派だ。