「お見合いのほうが恋愛結婚より幸せ」というデータ。~「自分のことは自分で決める」のワナ~

現在私たちは、自分の意志で自由に選択するということが当たり前の世界に生きています。親に決められた教育を受け、家業を継ぎ、お見合い結婚をする、といった半ば他人に決められた人生を歩むような時代は終わり、現在は誰もがあらゆる可能性に囲まれています。

自分の人生、どう生きるかはすべて自分次第。かつて多くの人々が夢見たであろうことが、今では当たり前になっています。しかし、この自分で自由に選択するという行為には、実はある「落とし穴」が存在するのです。今日はその「落とし穴」をご紹介したいと思います。

まずは、次のような状況を想像してみてください。目の前にいくつかの選択肢があります。あなたはこれらのなかから、どれかを選ばなければなりません。今回は想像しやすいように「学者」「スポーツ選手」「会社員」という3つの職業を選択肢にしましょう。あなたはいずれかを選択して、その職業を目指すものとします。

ここで2つのパターンを考えます。すなわち、A=自分の意志で選んだ場合、B=他人に選んでもらった場合です。親に「何を目指してもいい」と言われた場合がA、たとえば学者一家に生まれ「お前も学者になりなさい」と強く言われている場合がBですね。

いずれにしろ、見事、選んだ職業に就き一定の成功を収めたとします。その際、AとBどちらの満足度が高いでしょうか?
「自分で決めたAの方が満足度が高いに決まっているじゃないか!」と思いますよね? でも意外なことに、Bの方がAよりも満足度が高いことが多いのです。というのもA=自分の意志で選んだ場合、常に「他にもっと最良の選択肢があったかも……」という心理を抱えることになるから。
たとえ自分の選択がいい結果を生んだ場合でも、自分が自ら切り捨ててきた選択肢が後ろ髪を引っ張るというわけ。逆にB=他人に選んでもらった場合は、もともと自分で選ぶ余地がなかったわけですから、後ろ髪を引っ張るような要素はありません。皮肉ですが、Bの方が手放しに満足できるということがよくあるのです。

EDITOR

五百田達成
作家・心理カウンセラー。「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」をテーマに執筆。著書「察しない男 説明しない女」が30万部超え

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