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11月9日 金曜日
スロバキア ブラチスラバ
んー、よく寝た。
この橋の上、落書きは多いけど静かだし人来ないし、いい寝床だ。
さて、今日もブラチスラバ。路上以外にやることはない。
別に観光はしようと思わないし、動き回るのもめんどくさい。
とりあえず腹ごしらえへ。
昨日ユウキがカレーを見せてきやがったせいで、カレーしか食えない口になってしまっているので、カレー屋を探して歩き回った。
案外あっさり見つけることができて、ありつくことができた。
これで450円。ブラチスラバは首都だけあって他の町に比べて物価が高い。
このお米、ウジ虫にしか見えないよね!
建物の隙間から青空がのぞく旧市街には、まぁまぁの観光客の姿。
スロバキアが終わったらユーロ圏ともしばらくおさらば。
がっちり稼ぐぞ。
ブラチスラバで歌っているのは、旧市街への北側の入り口である小さな橋を渡ったところにある塔の足元。
狭いスペースをたくさんの人が歩くし、建物に囲まれているので声が響いて気持ちがいい。
そして反響がモニターがわりになるので、しっかりいい声が出せる。
みんな足を止めてくれ、塔の前が通行できないくらいになった。聴いてくれた方々、ありがとう。
バイオリン弾きのお兄さんがやってきて一緒にやっていい?と言ってきた。もちろんさ!!
すごい数の台湾人のグループがやってきてみんなお金を入れてくれた。そしてみんなとてもフレンドリーだ。
今までの経験上、台湾人は親日家でマナーがいい。
中国人はマジでひどい。
同じ言葉を話すのにこんなに違うんだよなぁ。台湾に行くのが楽しみだ。
気持ちよく歌っていると、人だかりの中に見覚えのある顔があった。
そこに立っていたのは………
ん?
あ!!!
スタニスラバ!!!
高そうなスーツにビシッとしたトレンチコートを優雅に着込んだ、いかにも仕事出来ますといったビジネスマンスタイルのスタニスラバがいた。
どんな顔をしたらいいのかわからない。
今俺たちは問題を抱えている。
笑顔を作っていいものか。
そうドキドキしていると、スタニスラバから先に笑顔を作ってくれ、手を差しだしてくれた。
握手した。
「これからアポがあるので1時間後くらいに戻ってくるよ。」
そう言って彼は歩いて行った。
うわー!まだ心の準備が…………
クラケットのラケットで頭引きちぎられたらどうしよう(´Д` )
とにかく待ってる間も歌い続けた。
「これから飲み行こうよ!!」
「もし君さえ良ければウチに泊まりに来るかい?」
「ハレクリシュナ~!ハレハレ~!!」
ほんとスロバキアの人たちいい人が多い。喜んで飲んだくれてお泊まりさせてもらいたいところだけど、これからスタニスラバとの戦いが待ち受けている。
残念だけど、全部のお誘いを断ってスタニスラバが戻るのを待った。
今日のあがりは65ユーロ。
1時間後、彼の几帳面な性格を表すように、時間通りに戻ってきたスタニスラバ。
ドキドキしながらカフェへ入った。
さぁ、世紀の好カード、スロバキア出身の弁護士、スタニスラバ選手と、日本出身のホームレスシンガー、金丸文武の対戦の火蓋が今まさに切って落とされようとしています。
実況は金丸文武。
解説は金丸文武。
あ、俺だ(´Д` )
さぁ、ついにゴングが鳴り響きました!!
スタニスラバ
「バンスカースチヤバニツァはどうだった?」
文武
「あ、う、うん、人がまったくいなくてさ!!いやー、まいったよ。」
お互い腹の探り合いからのスタート!
注文したコーヒーを待ってる間、そんなぎこちない世間話ばかりでなかなかパンチをくりださない両者!
気まずい空気が漂っています!
おーっと!ここでコーヒーが運ばれてきたー!!
泡でハートが描かれている!!
なんて空気を読まないラブリーコーヒーなんだ(´Д` )
スタニスラバ
「それで、これを見て欲しい。」
来た!!!!
先制パンチはスタニスラバ選手から!!
スタニスラバ選手、おもむろにバッグの中からビニール袋を取り出した。
まるで警察が保管していた証拠品のように、ビニール袋の中からあるものが出てきたぞ。
これは、排水口のフタのようですね。
どこにでもある鉄の網状になってるフタ。
金丸選手のものであろう黒く長い毛が絡んでいる。
ご丁寧に下のゴムパッキンも一緒に持って来ている。
スタニスラバ選手、フタを金丸選手に渡した。
網の部分が千切れて曲がっています!
表情が歪む金丸選手。
しかし大丈夫なようです。
こんなんよくあることじゃねぇのか?といった顔をしております!
スタニスラバ選手、攻撃の手をゆるめない!紙とペンを取り出して分かりやすく絵を描いて、壊れた状態を説明しはじめた!
内容はこうです!
排水口の下には、もちろん排水用の塩ビ菅がつながっているわけだが、これが浴槽の下で外れており、水が菅の中に入らずに外に漏れ出ていたという。
この排水口のフタの壊れ方、そしてあなたがシャワーを浴びている時にシャワー室から聞こえた大きな音、これらから推測すると、あなたは髪の毛が排水口に詰まって水が抜けなくなったので、水の道を作るために何かでゴンゴンと排水口を叩いた、そのために壊れた、とまぁ、彼の言い分はこんなとこのようです!
「This is logical」
俺の推測が全てだといわんばかりに、論理的パンチを放つ。
しかしそれが論理的かどうかは謎!
あー!!金丸選手ダウン!!
いや、これはスリップダウンのようです、効いてはいないようです。
闘志充分!金丸選手の反撃開始です!!
おーっと!金丸選手!バッグの中からひげ剃りを取り出したぞ!!凶器攻撃だ!!
金丸選手、なにやらひげ剃りを机にコンコンと打ちつけてみせている!
文武
「あなたが聞いたという大きな音はこれじゃないんですか?僕は物音と言ったらこれしか立てていない。」
金丸選手のパンチ!!
スタニスラバ
「No. もっとハンマーのような大きくて重い音だった。こんな音じゃない。」
若干効いたかスタニスラバ選手!
追い打ちをかける金丸選手!!
文武
「しかし僕はこれくらいしか音を立ててないし、ジャンプもしてないし、物を落としてもいないし、こけてひっくり返りもしてない。排水口なんて触ってないし、水もきれいに流れていた。」
金丸選手のマシンガンパンチ!!
しかしスタニスラバ選手………
まったく相手にしていないー!!
コーヒーの泡をスプーンですくいながら、ふーん、みたいな顔で適当に聞いているぞ!!
金丸選手!!攻めていたのに自分からダウン!!
これはかなり効いている様子だ!!
俺は言い訳が嫌いだ。
なので必死に自分を弁護している姿が、白々しい嘘の言い訳のように感じてとても嫌な気分だ。
しかしやってないもんはやってない。実際の傷を見れば余計に心当たりもない。
なんとか立ち上がった金丸選手。
最後の力を振り絞って猛攻!!
文武
「もしやったなら僕は正直にあなたに言いますよ。ごまかすような卑怯なことはしてません。それでもあなたは私がやったと思ってるんですか?」
スタニスラバ
「This is logical.」
あくまで論理的ディフェンスでかわし続ける納得のいかない顔をしているスタニスラバ選手!!
やった、やってないの水掛け論に突入!!
両者クリンチを繰り返す泥試合。
金曜日の夜の賑やかなカフェの中、無言の両者!!
3分くらい無言が続いたでしょうか!!
静寂を切り裂くようにスタニスラバ選手が切り出した!!
そろそろ次の用事があるんだと言うスタニスラバ選手!!
財布を取り出し、メニュー表を見ているぞ。
これはおごるつもりならメニュー表を見る必要はない。値段を確認するということは自分の分しか出さないということですね。
そんなことはどうでもいいですが。
あ、金丸選手、彼の手からメニュー表をとった。
「最初に会った日、あなたはバーとスーパーマーケットで僕におごってくれた。僕はその時、次に払うと言った。だからここは僕が払う。」
そう言って、お会計をした金丸選手!!
これは多少効いたかスタニスラバ選手!!
そしてここでゴングーー!!!
引き分けです!!
ブーイングの嵐!!
両者納得のいかない顔をしております。
そうでしょう、スタニスラバ選手は金丸選手がシャワーを浴びて壊したと思っている。しかし金丸選手は俺は何もしていないの一点張り。
どちらのパンチもクリーンヒットしないままのゴングです。
なんてつまらない試合でしょう(´Д` )
どちらかの土下座を期待していたお互いの陣営は地面にツバを吐いています!!
ほんと、なんてつまらない話し合いだったんだろう。
店を出た。
彼ももう諦めたのか、笑顔で手を差しだしてきた。俺も苦笑いで握手した。
そして彼は夜の町に消えて行った。
問題は何も解決していない。
いや、そもそも解決ってのはどういう状態だったんだ?
俺が認めて謝ること、彼が誤解だったと謝ること、お互いの責任を考慮して修理代を折半すること、こんなとこか。
彼は俺の謝罪が欲しかっただけなのかもしれないが、やってない以上、Sorryは口が裂けても言えない。
モヤモヤは多少残っているが、これがこの問題の終着点かな。
クラケットのラケットで頭をひねり千切られなくてよかった。
俺も彼と反対方向に歩き出した。
もうきっと交わることはないだろう。
これで、もうこの街に俺を繋ぎ止めていた鎖はなくなった。
先に進める。
ていうか急がないといけない。
シェンゲンエリアのオーバーステイ発覚からすでに6日も経ってしまっている。
罰則による強制退去の猶予は30日。それまでにシェンゲンを出ないといけない。一度出たら3ヶ月間戻ってこれない。
なのでこの猶予の期間にハンガリーとスロベニアを回るつもりだ。
急がないと。
とにかく今夜はもう遅い。
今日までブラチスラバにいて明日のお昼に歌って夕方から出発しよう。
こんな形ではあるけれど、とにかく鎖が解けたことには変わりないので、祝いのビールを飲もうと、どこかバーを探す。
え?毎日飲んでるじゃねぇかって?
(^-^)/(^-^)/
ビール最高(^-^)/
ほんと毎日飲んでるなぁ。
だって1本60円とかなんだもん。
飲むよ、そりゃ。
いい睡眠薬だし。
今夜は金曜日。
街は人で賑わっている。
みんな楽しそうに酔っ払って大声で歌ったりフラついたりしながら歩いている。
ちなみにキャバクラはない。
ヨーロッパにはキャバクラがない。
こっちの若者に日本にはキャバクラって飲み屋が主流で、綺麗な女の人が隣に座ってお酒を作ってくれタバコに火をつけてくれるんだよ、と話すと、そんなことに大金払うなんて信じられない、やっぱり日本はまだ芸者がいるんだ、と驚いていた。
ヨーロッパの飲み屋は居酒屋かカフェ、バー、そしてクラブしかない。
たまにストリップがあるか。
そんなもん。
俺もあの日本の繁華街の雰囲気だいぶ忘れてきたな。
そんなわけでこのブラチスラバも、どこのバーも音楽ジャンジャン鳴らしながら盛り上がっている。
入りにくい。
こんなホームレス丸出しの格好でお店に入るのが気がひける。
1人でこの賑わいの中に飛び込む勇気がない。
「ヒョーウ!!スロスロスロバキア!!ニーハオ!!」
酔っ払いたちが俺を見つけると必ず絡んでくる。
今のモヤモヤした気分ではおちょくられてるようにしか感じられない。
入れたのはわずかにケバブ屋さんだけだった
2.8ユーロで出てきたケバブは、半分以上パンの中身がスカスカの完全にアジア人をなめきったようなものだった。
が、文句もつけられず。
結局勇気がなくて、めんどくさくなって喧騒を抜け出し、街を後にした。
あー、ダサいなぁ。
いつもの寝床である橋は街からだいぶ離れたところにある。
おかげで誰も歩いてなく、静まり帰っている。
外灯も少なく、暗い夜道。
なーんか、やっぱりビールが諦めきれないで、寝床の周りを歩いてみた。
こんな町外れの川沿いにバーがあるわけないよなぁ。
って、あ!!
ポツンと1軒、灯りのついたお店が!!
勇気を出して中に入ってみた。
西部劇に出てきそうなカントリーな店内。落ち着いた雰囲気。
そしてなんの縁か、ローリングストーンズがかかっていた。
ハーイ、そう言ってマスターが笑顔で迎えてくれた。
ベロTシャツを着たストーンズフリーク丸出しのおじさん。
なんだよ、寝床から歩いて3分くらいのとこにこんな最高のお店があったなんて。
他のお客さんたちが帰っていき、俺1人になった。
まったりと気持ちよくビールを飲んでいると、流れていた曲が変わった。
俺の大好きな曲が流れた。
Shine a light
ピアノとミックの声が店内に響いた。
あー、中学生のころから聴いてるこのアルバム。
俺のバックグラウンドとも言える音楽。
マスター、なんて粋なはからいしてくれるんだよ。
May the good Lord shine a light on you!
そうさ、暗い道もきっと照らし出される。
いつまでも凹んでないで、進むぞ!
さて、ところでなんですが、シェンゲン協定についてインターネットで調べていたところ、他の世界一周をしている旅人さんのブログを見つけて、拝見していました。
するとそのブログの中に、現在世界一周をしている人たちがたくさん登場していまして、みなブログをやってるんですね。旅日記の。
ちょっと見てみたら、なにやらみんなブログをあるものに登録していました。
ブログ村ってやつです。
ものすごい数のブログがそのサイト内に登録されていて、カテゴリー別に簡単に検索できて、ランキングなんてのもあるみたいです。
もちろん世界一周ブログっていうカテゴリーもありました。
1500ブログぐらいが登録されています。
なーんか面白そうだなぁと思って登録してみました。
他の人と同じことするの嫌だけど、まぁ飽きたらやめればいいし、とりあえずやってみます。
それで、ランキングに反映されるためには、下に貼っているバナーをクリックしなければいけないみたいです。
クリックするとにほんブログ村のサイトに入るのですが、それがポイントになるみたいです。
興味なければすぐに戻ればいいし、色んなブログがあるので見て回るのもまぁまぁ楽しいです。
みんな、
「1位目指しているのでクリックして下さい!!」
「クリックしてくれたら明日も頑張ってブログ書けます♫」
「一度といわず二度でも三度でも押してね!!」
「クリックしてくれないと死んじゃう!!」
みたいにランキングを上げることに執念を燃やしていて、そんな1人になるのかと思うと若干気持ち悪いです。
うっとおしい、
ダサい、
ホームレス金丸文武がそんなことすんな、
と思うかもしれませんが、ちょっと付き合ってみて下さい(^-^)/
ていうかこれでいいのかな?
よろしくお願いします。
↓クリックしてくれないと死んじゃう!!
ゴメンナサイ、嘘です。
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