本県の県政の基本理念は「富国有徳」です。「住んでよし、訪れてよし」「学んでよし、働いてよし」など、「県民の幸福」の実現を第一にし、「ポスト東京時代」の日本の理想郷“ふじのくに”づくりを目指しています。
県民の皆様の英知を集めて策定した総合計画(現行の「後期アクションプラン」)の8つの重点施策(「大規模地震への備え」「健康寿命日本一の延伸」など)に取り組む一方、昨年からは、世界にはばたく3つの戦略(「スポーツ王国の復活」「地域外交の展開」「農林水産業の競争力の強化」)を推進しています。
平成25年6月に日本のシンボル富士山が世界文化遺産になりました。それを皮切りに、茶草場農法の世界農業遺産、南アルプスのユネスコエコパーク、韮山反射炉の世界文化遺産、天野浩先生のノーベル賞、駿河湾の世界で最も美しい湾クラブ加盟等と相次ぎ、特に昨年は、リオオリンピック・パラリンピックで、本県ゆかりの選手が大活躍し、9選手がメダルを獲得するなど、県民に大きな感動をもたらしました。こうして、本県の世界クラスの地域資源・人材の数は43件になりました。
富士山の世界遺産登録からわずか3年半(43か月)の間に43件です。1か月1件のハイペースです。“ふじのくに”はまさに世界の檜舞台に立ちつつあります。
国際社会は、覇権主義の台頭、宗教対立、テロ、難民の増加、格差の拡大など混迷を深めています。戦後一貫して、世界の人々の憧れを集めたアメリカは、新大統領の誕生で、一国中心主義、経済至上主義が目立ち、アメリカン・ドリームに陰りが見えてきました。
アメリカに代わる憧れの国はどこでしょう。健康寿命が世界一、美しく豊かな国土の景観に恵まれ、「和」と「美」を尊重する価値観を持つ日本だと思います。海外ではクール・ジャパン(素敵な日本)の声が聞かれるようになり、実際、海外からの観光客・留学生は急増しています。「訪れてよし、学んでよし」の「ジャパニーズ・ドリーム」が語られる前夜のように思います。
ドリーム実現の先頭に立つのは、47都道府県のうち、「ポスト東京時代」の理想郷を築いてきた本県をおいて他にないでしょう。国土の象徴・富士山を擁し、豊かな自然や文化に恵まれた本県は、今や、世界クラスの地域であり、「ジャパニーズ・ドリーム」を実現する条件を備えています。
今年は、後期アクションプランの最終年です。「総括の仕方が出発の仕方を決める」という考えの下、“ふじのくに”づくりの総仕上げに全力を傾注し、次の目標として、国内はもとより海外からも憧れられる「ジャパニーズ・ドリーム」の実現を目指します。御理解と御協力をお願いします。

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