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 2009年に首都圏で起きた男性3人の連続不審死事件で、殺人などの罪に問われ、一、二審とも死刑とされた木嶋(現姓・土井)佳苗被告(42)について、最高裁第二小法廷(小貫芳信裁判長)は10日、弁護側と検察側双方の意見を聞く弁論を開いた。被告側は改めて無罪を主張して結審した。判決日は後日指定される。

 弁護側は「殺人について、一、二審は、直接証拠がなく間接証拠のみで有罪とした」と指摘。「男性らが自殺した可能性などもあり、殺人だとしても被告が犯人という立証は不十分だ」などと訴えた。

 検察側は、被告が男性らの死因となったものと同じ練炭を購入していたり、男性宅の合鍵を入手する機会があったりしたことなどから、有罪とした一、二審には「不合理な点はない」として、上告を棄却するよう求めた。

 一、二審判決によると、木嶋被告は09年1~8月、東京、千葉、埼玉の3都県で、40~80代の男性3人を、いずれも睡眠薬などで眠らせたうえで練炭を燃やし、一酸化炭素中毒などで殺害したとされる。被告は殺人について一貫して無罪を主張している。死刑の適用が争われる事件では、最高裁は弁論を開くのが慣例。(千葉雄高)