米識者「中国は韓国を地図から消そうとした国」

米ブルッキングス研究所と韓国国家戦略研究院が非公開の討論会
「バランス外交誤れば、韓国は米中双方から捨てられる」
「韓国が米中の間でバランス外交を展開するのはおかしい」

 「現在の韓国社会の状況を見ると、2年、3年後には韓米両国が『北朝鮮の核能力の高度化を防ぐ方法はない』ことを認めざるを得ない状況が来るだろう。私の感覚が間違っていることを祈りたい」(元米国務省当局者)

 本紙と米国のシンクタンク「ブルッキングス研究所」、韓国国家戦略研究院(KRINS)が共同で9日に開催した非公開の討論会で、米国側から参加した元米国務省当局者は「北朝鮮の核保有を阻止するチャンスの扉は閉まり始めており、時間がない」とした上で、上記のように述べた。この元当局者はまた「北朝鮮の核を阻止するためには、強力で断固とした、ある程度危険性も伴う政策が必要だ」とも主張した。

 非公開で行われたこの日の討論会では、トランプ米新政権発足後の韓米関係と北朝鮮核問題などが虚心坦懐に話し合われた。李相熹(イ・サンヒ)韓国国家戦略研究院長(元国防部長官)をはじめ、金泰栄(キム・テヨン)元国防部長官、金星煥(キム・ソンファン)元外交部長官など外交・統一・国防分野の元トップや米国側の専門家たちが、率直な意見を交わした。とりわけ韓国の次期大統領選挙以降の韓米同盟について集中的に意見を交換した。

 韓国の学会関係者は「野党の国会議員に会って、ワシントンに行ってきたと話したら『米国人たちは武器(THAAD=高高度防衛ミサイル)を売ろうと必死だっただろう?』と言われた」として「最近では、韓国が(米国中心の)同盟外交から抜け出し、(米国と中国の間で)バランス外交を展開すべきとの意見が出ている」と述べた。これに対し、米国側の参加者は即座に「そのような道は歩まないでほしい」と訴えた。この参加者は「米国は韓国を防御すると約束した国だが、中国は北朝鮮の同盟国であり、一時は韓国を地図上から消そうとしていた国だ」とした上で「韓国が米・中の間で中立的立場を取るというのは論理的に正しくない」と主張した。

 韓国の元外交当局者は「バランス外交を誤れば、米国・中国のどちらからも批判され、捨てられる可能性がある」として「韓国が韓米同盟を捨てて中国に近づけば、東洋的な観点で考えると『裏切り者』となるが、中国人は韓国を高く評価するだろうか」と警鐘を鳴らした。

金真明(キム・ジンミョン)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース