中国の史書を読めば、古代中国は日本列島の統治者(親魏倭王と卑弥呼)に金印を贈ってきた。ほぼ同じ時期、朝鮮半島では邑長(村長)に銅印が授けられた。
古代中国から見ると、「列島=金印を贈るべき国」「半島=銅印をやればいい地域」だったのだ。遅れた銅印地域から、進んだ金印国に文化が流れたとは、ありえない歴史法則だ。
ところが、韓国人はいま、歴史学専攻の大学院生にして「漢字は読めません」という知的レベルにある。だから「君、『後漢書』を原文で読んでみろ」と説教するだけ無駄だ。現実の政治が衆愚政治であるなら、彼らは衆愚歴史学の耕作をしているのだ。
日本の農業用語に、朝鮮語由来の言葉は、私が知る限りない。ところが韓国で使われている農業用語には、日本語由来の用語があふれている。農業技術が流れ込んだ証拠だ。
朝鮮日報(2017年1月8日)は「カマニが示す日本帝国主義の韓国農村収奪の実態」という見出しの記事を掲載した。何のことかと思って読んだら、「カマニ=日本語の“かます”(叺)のナマリ」だった。裏を読めば、日帝様が教えて下さるまで、半島には米穀を束ねる「かます」もなかった−という内容だ。
君たち、少しでいいから、自分の国の「本当の歴史」を学んでみたらと言いたくなるが、無理な相談だ。
韓国人のアイデンティティーはいまや、新宗教である「反日教」と、それとは表裏の関係にある捏造史観で成り立っている。「史実」を学んだら、韓国人のアイデンティティーは破綻し、消滅してしまうだろうから。
■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。