海沿いで出会った女の子:杉作J太郎「美しさ勉強講座」連載42
軟弱な男たちの姿に見かねて、あの先生が立ち上がった!
杉作J太郎先生の「男の偏差値がぐんとアップする美しさ勉強講座」
42時限目・海沿いで出会った女の子
私立恵比寿中学の松野莉奈さんが急逝された。
ご冥福をお祈りいたします。
18歳という若さ。突然のことでご本人も周囲のみなさんも受け入れがたいできごとと思います。悲しいというより受け入れがたいと思います。
俺が松野莉奈さんのことを知ったのはサンクスのポスターでした。
サンクスのおもてに貼られたポスターを見て、この子かわいいなーと思ったのが最初でした。ちょうどお菓子かなにかを買うと彼女が表紙になった学習ノートをもらえたので、そのサンクスとその後立ち寄った何軒かのサンクスでその日のうちに5冊か6冊の学習ノートを手に入れた。もう何年も前の話になりますね。ちなみに一軒のサンクスでまとめて買ってまとめてもらえばいいように思う人もいるかもしれませんが、俺がまとめて手に入れることで本来、手に入ったはずのファンに品物がいきわたらなくなったらよくないので自重したわけです。小生は車を運転していたので別の店に次々行けますが、中学生や高校生だとなかなか近所の店以外に行きにくいかもしれませんのでね。いい人ぶって言っているのではなく、俺と似たまだ出会わぬ誰かのためである。
好きになったあとは熱心なファンが友人知人にいたので松野莉奈さんのことをいろいろ教えてもらった。
ユニークな人柄。
清潔感。透明感。まっすぐな感じ。
美しく成長する様子。
そこへ誰が思いもしない、誰も受け入れがたいこの訃報であった。
ひとの命は儚いということなのだろうか。
これはこの世に生きる我々全員だ。
全員がいつ死ぬかはわからない。
明日かもしれない。十年後かもしれない。長く生きたからいいということもないが、短すぎるとやりきれない。
われわれもまたその世界の住人である。遅かれ早かれ誰もがこの世を去る。それが若ければ若いほど無念である。悔しくて悲しい。
だが、確実に彼女はこの世に存在した。
俺たちのいるこの世に、同じ時代に、そばにいた。
輝いた。
美しく輝いた。
命がきらきら輝いた。
それだけは紛れもない事実で、彼女と我々が同じ時代に生きたのもまた事実だ。
初めて彼女を知ったサンクスは海沿いにあった。
夜だった。
静かな夜だった。
波の音がしていたのだろう。
記憶にないが間違いなく波の音は聞こえていた。
いま、その波の音が俺の中に蘇った。
松野莉奈さんのご冥福をお祈りします。
<隔週金曜連載>
写真◎私立恵比寿中学・松野莉奈さん(写真提供/編集部)
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【杉作J太郎:プロフィール】
すぎさく・じぇいたろう
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める男の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
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