
平日は音楽関係の仕事~週末はCDも出す口笛奏者。趣味は和民で飲む事。そんな私が好きな事を書くブログ。月に12回更新目標!
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著作権とかJASRACとか。演奏権がどうとか・・・。
【そこそこ長文となります。著作権に興味がない人はオススメしません】
・・・ただし、著作権やJASRACに興味のある人は、面白いとは思います。
このたびあった
「音楽教室で先生・生徒が演奏することに対してもJASRACはお金を払え!と言う事にした・・・というニュース。
少し前にこのブログでも書きました。→こちら
ニュースの解説は→こちら
これに関して、新聞や宇多田ヒカルさんはじめお声を上げていらっしゃる著作者の方も多く、それを読むと今回の件を含め音楽著作権を果たしてどこまで正しく理解しているのか?と思わなくもありません
ネットも大炎上。
「カスラック」とか「死ね」とか言いたい放題。何か音楽著作権のことがニュースになるたびにネット民をはじめとするいろんな人がJASRACを叩く風潮があります。
「お役所」「天下り」「ご都合主義」「音楽ヤクザ」「お前らが音楽文化をつぶしてる!」・・・一体なぜここまでJASRACはキラわれるのか?は、純粋に研究のテーマとしても興味深い。
ちなみにここ数年、JASRACは役所からの天下りはゼロ。
JASRACは国のお金で作ったお役所ではなく、作家さんたちが作った団体です。
音楽はみんなのもののように見えますが、それを作詞・作曲した人のもので、その所有者が「使っていいよ」と言ってはじめていろんなところで使うことが出来ます。
JASRACはそのルールを作って、作家さんや楽曲を集めて一括して管理を行なう所。
作家さんたちの権利と生活を守るために、日本中の音楽を使うところと契約して金額を決めて、それを徴収していきます。集まったお金は、決められた手数料を(JASRACの経費として)引いて、残額は作家さんたちに分配します。そういう団体です。
レコード会社、放送局、楽譜メーカー、配信サイトなどからお金を集めて「どの曲がどんな使われ方をしたか?」を調査し、その実績に応じて集まったお金を作家さんに分配するのです(大変な仕事です)。
ネットで声を荒げている人のほとんどは「いたずら」による壁の落書きみたいなもの。
もちろん専門知識なので普通の人は知らなくて当然ですが、なぜか著作権を知ったかぶりする人は多い。・・・薬品の科学実験や宇宙の天体の公転軌道のことで知ったかぶりや感情的になる人は少ないのに、音楽著作権は(感情論も含め)すぐ炎上します。
一番評判がよろしくないのは「お金の徴収の仕方が強引」とのこと。
強硬に「払え!」と迫るヤクザみたいだ!とか、そのおかげで店が潰れた!とか。
そしてもうひとつは、「ライブハウスなどで生演奏しても、作詞・作曲者(演奏者自身と同じであることが多い)であるオレにはお金が払われて来ない・・・一体どうなっているんだ?」という話。
これはけっこう世の中に出回っており(「演奏権」というヤツです)、それが音楽関係者の方の中でもJASRACに不信感を覚える方がいる原因となっているのです。
「曲を書いてる人にちゃんと支払われてないなら払う必要はない!」「JASRACなどいらん」なんて声もあったりしますが・・・
■徴収(集金)と作家への分配(支払い)
個人的には、徴収されたお金から「分配が来ない!」という作家側のクレームには合理性を感じますが、だからと言って請求に応じずにお金を払わない人達は泥棒と同じです(「払わない」と「払えない」は違います)。それで閉店に追い込まれる店があっても「かわいそうだな」とは思うものの「仕方ないな」と思いますし、それで「お金を徴収すると音楽文化がなくなる」なんて話は、どこの盗人の意見だよ?と思います(なぜなら昔からレコード会社はCDを作るだけ著作権料を払ってるし、ラジオ・テレビ局も曲を流すので著作権料を支払ってもらってますが・・・文化はなくなってません)。それより、作家にお金が回ってこない方が音楽の危機でしょう。
ちなみにJASRACが「金を払え」と裁判するのはよほど悪質なところで、少々の悪質さなら説得やら値下げの提案を行なうとのこと。(裁判するとかなりのお金も労力もかかりますし・・・)
■JASRACは儲け主義?
「JASRACは非営利団体なんだから金儲けに走るな」なんて言う人も多いですが、だったらJASRACに対抗して出来た著作権管理団体のNexToneは「株式会社」という営利企業としてスタートしています。NexToneが株主に払うお金も作家に配分するJASRACの方が、根本的にマシということになってしまいます。NexToneの大株主のエイベックス系の楽曲のみならずユーミンやスピッツ、浜田省吾さんなどの大物アーティストの楽曲もJASRACからNexToneに移されており、ではこれをもって皆様から吸い上げたお金を大資本家に還元してる資本主義の手下なのか?と言うことなのでしょうか?・・・僕は全然そうは思いません。どちらもちゃんと合理的な組織だと思います。
「俺の楽曲はみんなのものだ!」という勇ましい声を上げる作家さんもいらっしゃいますが、作家は自分の意志で自分の楽曲を「みんなのもの」にすることもできます。・・・最近の所ジョージさんは「好きに使え!」と、ご自身の楽曲をどこにも登録していません。
例えばJASRACに登録している楽曲はお金さえ払えば、一定のルールのもと自由に使うことができます。しかし一方で作家さんがJASRACではなく自分で管理している楽曲は、ラジオで流すのもいちいち作家さんに確認しなければなりません。むしろJASRACのおかげで音楽はみんなのものになっている・・・と言う言い方もできなくもない。
今回、心ある人にはちゃんと音楽著作権の一部をお伝えしたいと思い、自分のブログにアップすることにしました。
今回は「ライブハウスで演奏したのに、曲を書いた自分のところに入ってこない」という問題についてで、今回の新聞を賑わせた問題とは違いますのであしからずです。ちなみに個人的には今回の音楽教室での演奏権の徴収はなかなか微妙なセンだなぁ・・・と思っており、裁判になって司法の判断を聞きたいなと思っております。
またいくつかの専門用語が出てくるので、ここからは音楽業界の人以外は難しいかも知れません。
そのあたりは申し訳ないです。
■■演奏権の徴収と分配についてまとめてみました。
●JASRACは演奏権の音源使用の場所を、ちょっと乱暴に申しますと「ライブハウス」と「それ以外」に分けています。
●「それ以外」は、BGMとして毎日似たような曲を店内で流しているだろう・・・との仮説に基づき、サンプリング調査を行なっています。方法は四半期ごとに全国200店を抽出して、1店1日に限定して使用楽曲を報告してもらっています。なので年間800店・日の調査となります。
●「ライブハウス」に該当するお店は、毎日違う曲演奏するだろう?ということで、サンプリング報告を行なっておりません。その代わり、包括徴収で契約しているライブハウスは基本的に演奏された楽曲を全曲報告しなければなりません。
●従って、ライブハウスで年に1回でも演奏されたのに、お手元にJASRACもしくは譲渡先の出版社から使用報告が来ない・・・場合は、JASRACというよりライブハウスの報告に問題があると言えます。
●ライブハウスに該当しないようなところでライブをやっている場合は、恐らく報告は上がって来ないので分配は受けれないのが現状かと思われます。ただここでの演奏活動をメインにしているアーティストもおり、彼らが被る不利益は問題です。
●コンサートホールはJASRACと包括契約ができないので、主催者(イベンター)が使用楽曲の報告を行ないます。ここは大手のしっかりした会社なのでちゃんと報告してると思われます。
もし、ちゃんと報告されているはずなのに使用報告が来ない場合は、正会員の方ならJASRAC、それ以外は譲渡先の出版社に「報告とお金が入ってこない」とクレームを入れるべきだと思います。
【個人的な感想です】
●JASRACが400人程度の組織で、それで全ての支分権の徴収・分配をこなす・・・となると、現状の演奏権の徴収・分配の運用には一定の合理性を感じます(そりゃ問題がないわけではありませんが)。
さらなるIT化や人員増によって改善はされるでしょうが、それにはお金がかかり、利用者か権利者の負担になります。かかる費用が入ってくるお金よりかかったりすると意味がありません。それで赤字になって税金など入れることがあればまた炎上でしょう。
●「包括徴収」か?「個別徴収」か?についての議論もありますが、例えば、放送権の現場では包括徴収に大きな問題は生じておりません。それは全曲報告が実施されており、分配が公正(に近く)行なわれているからだと考えます。(ちなみに包括徴収を否定するなら、サブスクリプションの定額聴き放題サービスに音源を出すことも好ましくない・・・ということになり、Apple MusicやSpotifyは諸悪の根源!ということになります)
なので演奏権の現場も、権利者側からすれば「利用報告に応じて正しく分配されるなら問題なし」と考えるなら、問題は徴収方法ではなく、分配にあるのではと思います。・・・そもそも使用楽曲報告の手間もままならぬライブハウスが、個別報告による徴収のための資料つくりの手間に耐えきれるかは疑問です。そうなれば報告どころか徴収にも問題が出てきます。
また、個別徴収だと「あんまり払いたくないので、1曲5分以内でお願い!ソロは短めにね。(5分以上は2曲、10分以上だと3曲という扱いになります)」「PD曲を多めにね」などと言う演奏者を制限するような会話もあるかもしれません・・・。
●現在、使用者側から「金額高すぎる!」とのクレームが多いことを考えると、「徴収は個別か包括か?どちらがいいか?」ではなく、包括の料率が問題ではないか?と思いますが、それはつまり権利者へ配分される金額の上下に直結するので、権利者側の議論が必要と思います。JASRACの演奏権における手数料率は昨年から1%下がり25%となっており、入ってきた金額から25%抜いてそのまま分配するだけですから。(彼らはとにかく総額として作家側への支払いをする事が仕事です・・・)。
●仮に、演奏権の現場で、楽曲報告があまり上がってこないようなら、未分配が起こります。JASRACはそれでは困るので、結局は手元に報告された大きいコンサートの実績が主な参考になってしまい、それに応じて未分配も分配してしまうのではないか?と思われます。これが「大物アーティストばかり多くて売れないアーティストには来ない、と言われる原因かもしれません。
【ご提案です】
ご提案差し上げたいのは、演奏者の方・・・特に自身の著作物を演奏される方は、ライブハウスの報告記入を少しだけでもサポートするアクションを起こしてみてはいかがか?と。
それはご自身の楽曲のデータベース化です。
ご自身の作られた楽曲につき、J-OPUS(ライブハウスがJASRACへ報告する画面)の記入事項を、あらかじめエクセルか何かでデータベース化しておき、そこから当日の演奏曲目をピックアップして、プリントアウトして(もしくはファイル化してメールで)お店に渡す・・・とか。
そうすればお店はそれを見ながら打ちこむだけになり、報告が楽になるかもしれません。また、お店も「仕方ない。報告しなきゃ」と思うかもしれません。少なくともそうすることで「報告しよう」と言う気持ちが減っていく店はないでしょう。
アーティストの方はライブ当日はお忙しいと思うのですが、お金のために残業しているサラリーマンも世の中にはおりますので(涙)それを考えてみれば、せめて一度はこのお手間も試してみてはいかがでしょう?と思います。

あるいはJASRACのJ-WID MASTERに、作家ごとの「マイページ」を作れるようにして、作家はそこで自分の作品を一覧で見れるようにし、そこから当日演奏する楽曲を選んで、そのままJ-OPUSのその日に演奏するお店の画面に転送できる・・・とか、そんな仕組みがあれば、かなりお店の入力も助かるかもしれません。(結構なシステム改修の手間と費用がかかるかもしれませんが・・・)
一方「どうもパソコンは苦手」というライブハウスもあるはず。そうなると全曲報告はFAXか何かですることになり共通のフォーマットがあるはずです。それがあれば、ミュージシャン側でそのフォーマットを入手しある程度記入したところでお店に渡し、お店に他の部分を記入してもらいFAXしてもらう・・・とか。
何か今よりもちょっとでもよくする方法があると思うのです。
【最後に・・・ですが】
例えば録音権は、メジャー会社は出荷を指定倉庫限定にすることで流通枚数を物理的に正しく把握することを条件に著作権使用料がディスカウントされます。
放送権においては、放送局は全曲報告をするのと引き換えに著作権使用料がディスカウントされます。
多分、ライブハウスって、全曲報告しなきゃいけないのにしてないところが多いと思います。してない事に罰則は与えられないなら、する事のメリットを与えられないのかな?とか。
他にもミュージシャンの皆様が自ら店に対して「音楽文化のためです!」「俺の生活がかかってるねん!」と啓蒙活動は絶対必要です。ライブハウスに「時代は変わったな」とプレッシャーをかけるのはJASRACだけの責任ではなくミュージシャン側の協力も必要です。(だってそもそもあなたのものなのですよ?)
勿論JASRACが全国のライブハウスに向けてどれだけ「全曲報告はアーティストのため」という周知徹底を行なったか?は問題かも知れません。であれば今からでも、「全曲報告普及キャンペーン」などをもっとやるべきかと。
放送局の全曲報告の普及まで時間がかかったそうですので(まだやってないところも若干あります)、演奏権もこれからの努力。
分配の問題とは「報告の精度」の問題であり、正しい分配は音楽文化も育てるのです。
【本当に最後に】
個人的にJASRACを擁護する立場では全くないのですが、申し上げたいことは
■建設的な話し合いができるよう「俺のところにお金が入ってこない」というミュージシャンの持つJASRACへの誤解を解きたいこと
■「自分の収入を守る」「音楽文化を育てる」気持ちがあるなら、JASRAC以外に声を上げないといけないところがあること
■実はそれはいつも身近で応援してくれているライブハウスなのかもしれないということ
・・・なのです。
ライブハウスの方に申し上げたいのは、
今のシステムでは「毎日の全曲報告」はお店の仕入れを行なったり、帳簿を付けたり、トイレを掃除するのと同じ、やらなきゃいけないことですよ、と。
もし、やらねばならないことを知っていてやってなければ「アーティストを応援してる」と言える立場ではありません。
彼らに入ってくるべきお金を止めているのはあなたで、儲かっている作家をさらに儲けさせているのもあなたです
・・・と言うこと。
これは僕の感情にまかせた意見ではなく、論理的かつ機械的に導き出された結論を・・・誰も言わないから・・・遠慮なく書いただけなのです。おそらくAIに問いかけてもそうなるでしょう。
包括で著作権使用料を払っているだけでは、やるべきことをやってるとは言えません。このプログを読まれたライブハウス関係者の方で、全曲報告を行なっていらっしゃらない方は是非今日から新たなアクションを切にお願いします。心情的には「金払わなくても報告はしなきゃ・・・」と思うくらいです。
でも、道端にごみを捨てないとか、たばこのポイ捨てしない、信号は守る、人のモノを盗まない・・・など、日本人はマナーを守る気持ちが強い国民で、啓蒙活動やキャンペーンでよくなった例がたくさんあります。
著作権保護も、「音楽を大事にしよう」「作家へのリスペクト」という意識付けを広めていくことで、改善されると信じます。
大事なのは、正しい声を上げることと、何かアクションを起こすことだと思っております。
Commented
by
町田光彦
at 2017-02-10 14:41
x
Commented
by
davesuzuki
at 2017-02-10 16:26
x
・・・ただし、著作権やJASRACに興味のある人は、面白いとは思います。
このたびあった
「音楽教室で先生・生徒が演奏することに対してもJASRACはお金を払え!と言う事にした・・・というニュース。
少し前にこのブログでも書きました。→こちら
ニュースの解説は→こちら
これに関して、新聞や宇多田ヒカルさんはじめお声を上げていらっしゃる著作者の方も多く、それを読むと今回の件を含め音楽著作権を果たしてどこまで正しく理解しているのか?と思わなくもありません
ネットも大炎上。
「カスラック」とか「死ね」とか言いたい放題。何か音楽著作権のことがニュースになるたびにネット民をはじめとするいろんな人がJASRACを叩く風潮があります。
「お役所」「天下り」「ご都合主義」「音楽ヤクザ」「お前らが音楽文化をつぶしてる!」・・・一体なぜここまでJASRACはキラわれるのか?は、純粋に研究のテーマとしても興味深い。
ちなみにここ数年、JASRACは役所からの天下りはゼロ。
JASRACは国のお金で作ったお役所ではなく、作家さんたちが作った団体です。
音楽はみんなのもののように見えますが、それを作詞・作曲した人のもので、その所有者が「使っていいよ」と言ってはじめていろんなところで使うことが出来ます。
JASRACはそのルールを作って、作家さんや楽曲を集めて一括して管理を行なう所。
作家さんたちの権利と生活を守るために、日本中の音楽を使うところと契約して金額を決めて、それを徴収していきます。集まったお金は、決められた手数料を(JASRACの経費として)引いて、残額は作家さんたちに分配します。そういう団体です。
レコード会社、放送局、楽譜メーカー、配信サイトなどからお金を集めて「どの曲がどんな使われ方をしたか?」を調査し、その実績に応じて集まったお金を作家さんに分配するのです(大変な仕事です)。
ネットで声を荒げている人のほとんどは「いたずら」による壁の落書きみたいなもの。
もちろん専門知識なので普通の人は知らなくて当然ですが、なぜか著作権を知ったかぶりする人は多い。・・・薬品の科学実験や宇宙の天体の公転軌道のことで知ったかぶりや感情的になる人は少ないのに、音楽著作権は(感情論も含め)すぐ炎上します。
一番評判がよろしくないのは「お金の徴収の仕方が強引」とのこと。
強硬に「払え!」と迫るヤクザみたいだ!とか、そのおかげで店が潰れた!とか。
そしてもうひとつは、「ライブハウスなどで生演奏しても、作詞・作曲者(演奏者自身と同じであることが多い)であるオレにはお金が払われて来ない・・・一体どうなっているんだ?」という話。
これはけっこう世の中に出回っており(「演奏権」というヤツです)、それが音楽関係者の方の中でもJASRACに不信感を覚える方がいる原因となっているのです。
「曲を書いてる人にちゃんと支払われてないなら払う必要はない!」「JASRACなどいらん」なんて声もあったりしますが・・・
■徴収(集金)と作家への分配(支払い)
個人的には、徴収されたお金から「分配が来ない!」という作家側のクレームには合理性を感じますが、だからと言って請求に応じずにお金を払わない人達は泥棒と同じです(「払わない」と「払えない」は違います)。それで閉店に追い込まれる店があっても「かわいそうだな」とは思うものの「仕方ないな」と思いますし、それで「お金を徴収すると音楽文化がなくなる」なんて話は、どこの盗人の意見だよ?と思います(なぜなら昔からレコード会社はCDを作るだけ著作権料を払ってるし、ラジオ・テレビ局も曲を流すので著作権料を支払ってもらってますが・・・文化はなくなってません)。それより、作家にお金が回ってこない方が音楽の危機でしょう。
ちなみにJASRACが「金を払え」と裁判するのはよほど悪質なところで、少々の悪質さなら説得やら値下げの提案を行なうとのこと。(裁判するとかなりのお金も労力もかかりますし・・・)
■JASRACは儲け主義?
「JASRACは非営利団体なんだから金儲けに走るな」なんて言う人も多いですが、だったらJASRACに対抗して出来た著作権管理団体のNexToneは「株式会社」という営利企業としてスタートしています。NexToneが株主に払うお金も作家に配分するJASRACの方が、根本的にマシということになってしまいます。NexToneの大株主のエイベックス系の楽曲のみならずユーミンやスピッツ、浜田省吾さんなどの大物アーティストの楽曲もJASRACからNexToneに移されており、ではこれをもって皆様から吸い上げたお金を大資本家に還元してる資本主義の手下なのか?と言うことなのでしょうか?・・・僕は全然そうは思いません。どちらもちゃんと合理的な組織だと思います。
「俺の楽曲はみんなのものだ!」という勇ましい声を上げる作家さんもいらっしゃいますが、作家は自分の意志で自分の楽曲を「みんなのもの」にすることもできます。・・・最近の所ジョージさんは「好きに使え!」と、ご自身の楽曲をどこにも登録していません。
例えばJASRACに登録している楽曲はお金さえ払えば、一定のルールのもと自由に使うことができます。しかし一方で作家さんがJASRACではなく自分で管理している楽曲は、ラジオで流すのもいちいち作家さんに確認しなければなりません。むしろJASRACのおかげで音楽はみんなのものになっている・・・と言う言い方もできなくもない。
今回、心ある人にはちゃんと音楽著作権の一部をお伝えしたいと思い、自分のブログにアップすることにしました。
今回は「ライブハウスで演奏したのに、曲を書いた自分のところに入ってこない」という問題についてで、今回の新聞を賑わせた問題とは違いますのであしからずです。ちなみに個人的には今回の音楽教室での演奏権の徴収はなかなか微妙なセンだなぁ・・・と思っており、裁判になって司法の判断を聞きたいなと思っております。
またいくつかの専門用語が出てくるので、ここからは音楽業界の人以外は難しいかも知れません。
そのあたりは申し訳ないです。
■■演奏権の徴収と分配についてまとめてみました。
●JASRACは演奏権の音源使用の場所を、ちょっと乱暴に申しますと「ライブハウス」と「それ以外」に分けています。
●「それ以外」は、BGMとして毎日似たような曲を店内で流しているだろう・・・との仮説に基づき、サンプリング調査を行なっています。方法は四半期ごとに全国200店を抽出して、1店1日に限定して使用楽曲を報告してもらっています。なので年間800店・日の調査となります。
●「ライブハウス」に該当するお店は、毎日違う曲演奏するだろう?ということで、サンプリング報告を行なっておりません。その代わり、包括徴収で契約しているライブハウスは基本的に演奏された楽曲を全曲報告しなければなりません。
●従って、ライブハウスで年に1回でも演奏されたのに、お手元にJASRACもしくは譲渡先の出版社から使用報告が来ない・・・場合は、JASRACというよりライブハウスの報告に問題があると言えます。
●ライブハウスに該当しないようなところでライブをやっている場合は、恐らく報告は上がって来ないので分配は受けれないのが現状かと思われます。ただここでの演奏活動をメインにしているアーティストもおり、彼らが被る不利益は問題です。
●コンサートホールはJASRACと包括契約ができないので、主催者(イベンター)が使用楽曲の報告を行ないます。ここは大手のしっかりした会社なのでちゃんと報告してると思われます。
もし、ちゃんと報告されているはずなのに使用報告が来ない場合は、正会員の方ならJASRAC、それ以外は譲渡先の出版社に「報告とお金が入ってこない」とクレームを入れるべきだと思います。
【個人的な感想です】
●JASRACが400人程度の組織で、それで全ての支分権の徴収・分配をこなす・・・となると、現状の演奏権の徴収・分配の運用には一定の合理性を感じます(そりゃ問題がないわけではありませんが)。
さらなるIT化や人員増によって改善はされるでしょうが、それにはお金がかかり、利用者か権利者の負担になります。かかる費用が入ってくるお金よりかかったりすると意味がありません。それで赤字になって税金など入れることがあればまた炎上でしょう。
●「包括徴収」か?「個別徴収」か?についての議論もありますが、例えば、放送権の現場では包括徴収に大きな問題は生じておりません。それは全曲報告が実施されており、分配が公正(に近く)行なわれているからだと考えます。(ちなみに包括徴収を否定するなら、サブスクリプションの定額聴き放題サービスに音源を出すことも好ましくない・・・ということになり、Apple MusicやSpotifyは諸悪の根源!ということになります)
なので演奏権の現場も、権利者側からすれば「利用報告に応じて正しく分配されるなら問題なし」と考えるなら、問題は徴収方法ではなく、分配にあるのではと思います。・・・そもそも使用楽曲報告の手間もままならぬライブハウスが、個別報告による徴収のための資料つくりの手間に耐えきれるかは疑問です。そうなれば報告どころか徴収にも問題が出てきます。
また、個別徴収だと「あんまり払いたくないので、1曲5分以内でお願い!ソロは短めにね。(5分以上は2曲、10分以上だと3曲という扱いになります)」「PD曲を多めにね」などと言う演奏者を制限するような会話もあるかもしれません・・・。
●現在、使用者側から「金額高すぎる!」とのクレームが多いことを考えると、「徴収は個別か包括か?どちらがいいか?」ではなく、包括の料率が問題ではないか?と思いますが、それはつまり権利者へ配分される金額の上下に直結するので、権利者側の議論が必要と思います。JASRACの演奏権における手数料率は昨年から1%下がり25%となっており、入ってきた金額から25%抜いてそのまま分配するだけですから。(彼らはとにかく総額として作家側への支払いをする事が仕事です・・・)。
●仮に、演奏権の現場で、楽曲報告があまり上がってこないようなら、未分配が起こります。JASRACはそれでは困るので、結局は手元に報告された大きいコンサートの実績が主な参考になってしまい、それに応じて未分配も分配してしまうのではないか?と思われます。これが「大物アーティストばかり多くて売れないアーティストには来ない、と言われる原因かもしれません。
【ご提案です】
ご提案差し上げたいのは、演奏者の方・・・特に自身の著作物を演奏される方は、ライブハウスの報告記入を少しだけでもサポートするアクションを起こしてみてはいかがか?と。
それはご自身の楽曲のデータベース化です。
ご自身の作られた楽曲につき、J-OPUS(ライブハウスがJASRACへ報告する画面)の記入事項を、あらかじめエクセルか何かでデータベース化しておき、そこから当日の演奏曲目をピックアップして、プリントアウトして(もしくはファイル化してメールで)お店に渡す・・・とか。
そうすればお店はそれを見ながら打ちこむだけになり、報告が楽になるかもしれません。また、お店も「仕方ない。報告しなきゃ」と思うかもしれません。少なくともそうすることで「報告しよう」と言う気持ちが減っていく店はないでしょう。
アーティストの方はライブ当日はお忙しいと思うのですが、お金のために残業しているサラリーマンも世の中にはおりますので(涙)それを考えてみれば、せめて一度はこのお手間も試してみてはいかがでしょう?と思います。

あるいはJASRACのJ-WID MASTERに、作家ごとの「マイページ」を作れるようにして、作家はそこで自分の作品を一覧で見れるようにし、そこから当日演奏する楽曲を選んで、そのままJ-OPUSのその日に演奏するお店の画面に転送できる・・・とか、そんな仕組みがあれば、かなりお店の入力も助かるかもしれません。(結構なシステム改修の手間と費用がかかるかもしれませんが・・・)
一方「どうもパソコンは苦手」というライブハウスもあるはず。そうなると全曲報告はFAXか何かですることになり共通のフォーマットがあるはずです。それがあれば、ミュージシャン側でそのフォーマットを入手しある程度記入したところでお店に渡し、お店に他の部分を記入してもらいFAXしてもらう・・・とか。
何か今よりもちょっとでもよくする方法があると思うのです。
【最後に・・・ですが】
例えば録音権は、メジャー会社は出荷を指定倉庫限定にすることで流通枚数を物理的に正しく把握することを条件に著作権使用料がディスカウントされます。
放送権においては、放送局は全曲報告をするのと引き換えに著作権使用料がディスカウントされます。
多分、ライブハウスって、全曲報告しなきゃいけないのにしてないところが多いと思います。してない事に罰則は与えられないなら、する事のメリットを与えられないのかな?とか。
他にもミュージシャンの皆様が自ら店に対して「音楽文化のためです!」「俺の生活がかかってるねん!」と啓蒙活動は絶対必要です。ライブハウスに「時代は変わったな」とプレッシャーをかけるのはJASRACだけの責任ではなくミュージシャン側の協力も必要です。(だってそもそもあなたのものなのですよ?)
勿論JASRACが全国のライブハウスに向けてどれだけ「全曲報告はアーティストのため」という周知徹底を行なったか?は問題かも知れません。であれば今からでも、「全曲報告普及キャンペーン」などをもっとやるべきかと。
放送局の全曲報告の普及まで時間がかかったそうですので(まだやってないところも若干あります)、演奏権もこれからの努力。
分配の問題とは「報告の精度」の問題であり、正しい分配は音楽文化も育てるのです。
【本当に最後に】
個人的にJASRACを擁護する立場では全くないのですが、申し上げたいことは
■建設的な話し合いができるよう「俺のところにお金が入ってこない」というミュージシャンの持つJASRACへの誤解を解きたいこと
■「自分の収入を守る」「音楽文化を育てる」気持ちがあるなら、JASRAC以外に声を上げないといけないところがあること
■実はそれはいつも身近で応援してくれているライブハウスなのかもしれないということ
・・・なのです。
ライブハウスの方に申し上げたいのは、
今のシステムでは「毎日の全曲報告」はお店の仕入れを行なったり、帳簿を付けたり、トイレを掃除するのと同じ、やらなきゃいけないことですよ、と。
もし、やらねばならないことを知っていてやってなければ「アーティストを応援してる」と言える立場ではありません。
彼らに入ってくるべきお金を止めているのはあなたで、儲かっている作家をさらに儲けさせているのもあなたです
・・・と言うこと。
これは僕の感情にまかせた意見ではなく、論理的かつ機械的に導き出された結論を・・・誰も言わないから・・・遠慮なく書いただけなのです。おそらくAIに問いかけてもそうなるでしょう。
包括で著作権使用料を払っているだけでは、やるべきことをやってるとは言えません。このプログを読まれたライブハウス関係者の方で、全曲報告を行なっていらっしゃらない方は是非今日から新たなアクションを切にお願いします。心情的には「金払わなくても報告はしなきゃ・・・」と思うくらいです。
でも、道端にごみを捨てないとか、たばこのポイ捨てしない、信号は守る、人のモノを盗まない・・・など、日本人はマナーを守る気持ちが強い国民で、啓蒙活動やキャンペーンでよくなった例がたくさんあります。
著作権保護も、「音楽を大事にしよう」「作家へのリスペクト」という意識付けを広めていくことで、改善されると信じます。
大事なのは、正しい声を上げることと、何かアクションを起こすことだと思っております。
by t_yana
| 2017-02-08 21:47
| 音楽
|
Comments(3)
作ってくれた人がいるから、心が震える唄を聴く事ができます。その作者の著作権に対価を支払うのは当然のことだと思います。それが嫌なら聞かない事ですよね!
町田さま
初めまして。RESありがとうございます。
音楽はとても身近なので、時としてそれが「誰かのもの」という意識を希薄にしてしまうのかもしれません。
それっていいことでもあり、そうでないこともあり・・・。
でも啓蒙や教育は必要ですね。
初めまして。RESありがとうございます。
音楽はとても身近なので、時としてそれが「誰かのもの」という意識を希薄にしてしまうのかもしれません。
それっていいことでもあり、そうでないこともあり・・・。
でも啓蒙や教育は必要ですね。
facebookでシェアさせていただき、そこに書いたコメントです。
『全面的に同意できる内容です。
「JASRACなんてなくなればいい」なんて言っている人は無知も甚だしく、おそらく著作権に関わりのない人でしょうね。もし本当になくなったら、曲ごとに許諾先がかわり、制作側はそれだけで人権費が増大しますし、当然それは商品のコストに跳ね返ります。JASRACがあるから自分も楽に仕事ができます。
包括契約についても勘違いされている方が多いのは、包括契約に関わっていないから。うちはストリーミングで包括契約していますが、毎年1回レポートを出すんです。大変な作業ですよ!なので、包括だから権利者に支払われないと言うことはないんです(実情は正確にはわからないけど)。
まぁ、しかし、JASRACの管理していない曲(オリジナルや、即興大会でメロなし)まで金を取るのは確かにおかしいです。そういうところちゃんとして金にきれいになってくれれば、僕は(極論ですが)JASRACだけあれば、日本にはほかの著作権団体はいらないと思うくらいです。』
『全面的に同意できる内容です。
「JASRACなんてなくなればいい」なんて言っている人は無知も甚だしく、おそらく著作権に関わりのない人でしょうね。もし本当になくなったら、曲ごとに許諾先がかわり、制作側はそれだけで人権費が増大しますし、当然それは商品のコストに跳ね返ります。JASRACがあるから自分も楽に仕事ができます。
包括契約についても勘違いされている方が多いのは、包括契約に関わっていないから。うちはストリーミングで包括契約していますが、毎年1回レポートを出すんです。大変な作業ですよ!なので、包括だから権利者に支払われないと言うことはないんです(実情は正確にはわからないけど)。
まぁ、しかし、JASRACの管理していない曲(オリジナルや、即興大会でメロなし)まで金を取るのは確かにおかしいです。そういうところちゃんとして金にきれいになってくれれば、僕は(極論ですが)JASRACだけあれば、日本にはほかの著作権団体はいらないと思うくらいです。』






















































