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【芸能・社会】

主演女優賞・大竹しのぶ、20年後も受賞 ブルーリボン賞授賞式

2017年2月9日 紙面から

司会の大泉洋(右)を無視して有村架純(左)とトークを進める主演女優賞の大竹しのぶ(中)=東京都千代田区のイイノホールで(稲岡悟撮影)

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 東京映画記者会(在京スポーツ紙7紙の映画担当記者で構成)が主催する「第59回(2016年度)ブルーリボン賞」の授賞式が8日、東京・内幸町のイイノホールで行われた。主演女優賞を受賞し、新人賞(1975年度)、助演女優賞(86年度)を合わせ史上初の女優3冠となった大竹しのぶ(59)は「映画でリアリティーのあるおばあちゃんになって…20年後くらいにここに戻ってきたい」と貪欲に夢を語った。

 大竹は和服で壇上に上がり、75年度に「青春の門」で新人賞を受賞してからの日々を振り返った。新人賞を受賞した時の会見で着ていた服も覚えているといい「それから42年の年月が流れ、何て由緒ある賞なんだろうと感慨深いものがありました」と、長い年月を経て成し遂げた3冠の快挙をかみしめた。

 「青春の門」のロケに向かう際に、駅のホームまで送ってくれた父親から「お父さんは芸能界は知らないけど、自分をしっかり持って一生懸命やってください」と激励を受けたという。

 「『青春の門』では浦山桐郎監督に褒められたくて一生懸命やった。今回の『後妻業の女』では、大好きな鶴橋康夫監督に褒められたくて一生懸命演じた」と、新人のころから変わらぬ“全力投球”で臨んでいることを明かした。

 副賞でモンブランの万年筆をもらってから、長年モンブラン製を愛用しているといい、助演男優賞のリリー・フランキーから近々プレゼントされる予定だったが、今回の受賞で「きょう頂いたので、もういいです」と笑わせた。

 3冠をなしとげ、司会の大泉から「監督賞は?」と水を向けられたが「1000%ない」とさらり。これからも女優一本で勝負するつもりだ。

◆大泉アドリブ連発で盛り上げた 有村架純と息ピッタリ

 司会の大泉洋(43)が、来年司会を務める松山ケンイチと大竹しのぶに無視され、笑いを誘った。

 有村架純(23)との息もぴったりで、アドリブ連発で式を大いに盛り上げた大泉。しかし、松山が登壇し話を聞こうとすると、松山は有村ばかり見て大泉を無視。松山は大泉の破天荒な司会っぷりに「何の参考にもならない。だから僕は大泉さんと目を合わせるのをやめた」と告白し、爆笑させた。

 大竹も松山にならい登壇後、大泉を無視。それでも最後には大竹から「来年も来てください。私とケンイチ君じゃ無理」と続投を懇願されていた。

◆主演男優賞・松山ケンイチ 体重増の勧め

 「聖の青春」「珍遊記」で主演男優賞を受賞した松山ケンイチ(31)は、「珍遊記」の作者にかいてもらったという絵を持ちながら登壇。「珍遊記の世界の中にいる村山聖さん(聖の青春の主人公)をかいてもらった」と明かした。「村山さんがこういう笑顔で見ていてくれたらうれしい」と思いを語った。

 「聖の青春」では体重を26キロ増やして役作り。役者根性を見せつけたが、「26キロ太った有村さんもセクシーだと思う」とまさかの体重増を勧めていた。

◆助演男優賞・リリー・フランキー「薬物してません」

 助演男優賞のリリー・フランキー(53)は、「SCOOP!」での薬物中毒者役が絶賛され苦笑い。「見てくれた人が『本当に(薬物を)しているみたい』と褒めてくれる。こういうご時世だから、この賞をもらうのは得しないかな」と笑わせた。さらに「さっきからトイレに行くのを我慢しているんだけど、いま中座したら本当にそう(薬物中毒)みたいだから」と続けて会場を沸かせた。

◆助演女優賞・杉咲 自信作での受賞に感謝

 助演女優賞の杉咲花(19)はあいさつで「『湯を沸かすほどの熱い愛』という作品を心から愛している」と語った後「映画と一緒にこのような場所に立たせていただけるとは思っていなかった」と自信作での受賞に感謝した。

 会場には式を見届けようと、メガホンをとった中野量太監督の姿もあった。

◆新人賞・岡村いずみ 前夜特訓も吹っ飛んだ

 新人賞の岡村いずみ(27)は「きのうは夜遅くまで父にスピーチの特訓をしてもらった」そうだが、緊張のあまり「その内容がすべて吹っ飛んでしまった」と初々しくあいさつした。

 ぬれ場をいとわない好演に、司会の有村も「この作品の岡村さんはとても美しかった」と絶賛していた。

◆監督賞・片渕須直監督「こんなにネクタイ締めるとは」

 「この世界の片隅に」で監督賞受賞の片渕須直監督(56)は、持っていたスーツをうっかりクリーニングに出してしまい「新調してまいりました」と真新しい衣装に胸を張った。

 さまざまな映画賞で受賞が続き「アニメで仕事をしていて、こんなにネクタイを締めるとは」とうれしい悲鳴を上げていた。

◆作品賞、ゴジラも駆けつけた

 作品賞を受賞した「シン・ゴジラ」の樋口真嗣監督(51)の表彰には、着ぐるみのゴジラが駆けつけた。樋口監督とゴジラが並んで賞状を受け取る珍光景に、会場は大いに沸いた。司会の大泉がゴジラに触れ「結構なゴム感で」といじると、ゴジラが怒り出す一幕もあった。

 

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