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発達障害就労日誌

色々あるけどまぁ生きていこうじゃないかというブログです。

残念な新卒のための生存手引書(実践編基礎3 外部記憶媒体)

手帳の選び方

いうまでもなく重要な概念から入ります。我々は短期記憶がクソ弱く、ちょっとしたことを記憶にとどめておくことが出来ません。外部記憶媒体が生命線であるということは皆さんも心得ていると思います。この認識がない皆さんについては認識しなおしてください。基本的に「覚えておく」は不可能だと心得てください。

そこで登場するのが最も簡便な外部記憶媒体であるところの手帳になるわけですが、手帳選びのコツは「胸ポケットに楽々入る」「メモ欄が多い」の二点が重要になります。

ノートなどのサイズの大きい記憶媒体は便利です。しかし、我々が必要な時にノートを所持している可能性は極めて薄い。我々が安定して所持していられるアイテムは、ポケットに違和感なく収納されるサイズが上限になります。言うまでもないことですが、ペンなどの筆記用具も絶対に胸ポケットに忍ばせておきましょう。鞄にはもちろんペンケースを入れる。それはそれとして、胸ポケットには絶対にペンを入れておくようにしてください。我々は必要な時必要なものにアクセスがめんどくさいと全てがダメになります。

また、リフィルを換えて使っていくタイプのシステムシステム手帳は絶対にお勧めしません。我々にとって、リフィルを追加したり換えたりという作業は不可能に近いからです。綴じ手帳の胸ポケットに楽々入る縦長サイズが僕の長年試してきた結論です。これを年数回買い足して使います。僕の場合は、年度の初めに3冊買ってしまうことにしています。

item.rakuten.co.jp

僕はこれを使用しています。価格も安く、紛失した時のダメージも小さい。また、全体の7割くらいがメモ欄なのでサイズの割に書き込める量は多い。なにはともあれ、これがポケットに入っている習慣を身に着けましょう。

また、言うまでもないことですがプライベート用と職場用で手帳を分けるのは絶対にお勧めできません。1冊に統一しましょう。スケジュールが破滅します。

まとめ

  • 手帳選びのコツは「ポケットに楽々入る」「メモ欄が多い」。
  • 常に胸ポケットに入れておく。
  • システム手帳不可。
  • ペンは常に胸ポケットに入れておく。それはそれとしてペンケースも鞄に入れておく。

 

メモ帳の選び方と使い方(机上用)

理想は「全ての情報を一冊の手帳に凝縮する」です。しかし、現実問題としてそうはいかないことは多い。職場で教わる仕事や与えられたタスクに関するメモを全て手帳に書き付けていては効率が悪い。

そこでメモ帳が必要になります。机上用のものは持ち歩く必要がないので、大きめのものがベストです。机のサイズや状況などと相談して選ぶべきですが、基本的にはメモ帳やノートは大きければ大きいほど便利かつ紛失リスクも小さくなるので、許容される最大の大きさのものを買っておくといいと思います。

デスクにいて最もメモが必要になるのは電話応対の際です。相手先の会社名と担当者名、用件、自社の誰に何を伝えるかなどの情報を常に書き込む必要があります。電話が鳴ったら即座に受話器を取る必要がありますが、そのときに記録用のメモ帳とペンがスタンバイされていないのは最悪です。

マルマン ノート ニーモシネ A5 方眼罫 N182A

マルマン ノート ニーモシネ A5 方眼罫 N182A

 

これなんかいいと思います。また、綴じ型よりはリングタイプのものを使うことを勧めます。情報を書き付けるページを開いて置いておけるため、目的のページを探す時間が必要ないのと、必要がなくなったページを破り取ることが出来るのがメリットです。

運用の仕方はこのようになります。

  1. まず、朝一番で机上にメモ帳をスタンバイし、ページの上の方に日付を記入する。
  2. その日の電話応対記録や振られたタスクなどを記入していく。
  3. 一日の終わりにそれを見返し、全てのタスクが終了しているならばそのページをめくって次のページに進む。

要するに、机上のメモ帳一冊でタスク管理も兼用するわけですね。偶発的に差し込まれるタスクをこれに書き付けておくようにして一日の終わりに見返してページを進めるという作業を習慣化すれば、仕事にやり忘れもかなり防げます。ちょっとした頼まれごとや伝言などを忘れるのはかなり印象が悪いので、活用しましょう。日付の記入はマストです。絶対にやりましょう。

ちなみに僕は営業職でデスクにいる時間はそう長くないため、このメモ帳にかけるコストを削って、出社したら朝一番でFAXの裏紙を二つ折りにしたものをホチキスで止めて日付を書いて代用しています。これはこれで便利。ちょうどA5サイズで使い勝手もいい。しばらくクリアファイルにでも突っ込んでおいてから廃棄すれば情報の吸出し忘れ対策も出来ますしね。

尚、ページに余白が多く残ってしまった場合も1日が終わったら次のページに進むことをお勧めします。我々は目に入る情報が多いと混乱してしまいますので。

まとめ

  • 机上のノートは大きめのリングタイプがおススメ。
  • すぐに書けるように常に机の上にスタンバイしておく。日付も書いておく。
  • 一日の終わりに見返して、やり残したタスクがないならページを進める。
  • 電話応対の際にメモが手元にないのは最悪なので本当に対策しとけ。

 

メモ帳(持ち歩き用)

このメモ帳はあると便利です。その一方で、ADHD傾向のある皆さんの全てにこのメモ帳を持つことを勧めるわけではありません。というのも、手帳を既に胸ポケットに持っているわけですし、「手帳のメモ欄がすぐに一杯になってしまう」というデメリットさえ呑み込めば、このメモ帳は必要がないわけですよ。そんなの手帳を新しいものに換えればいいだけです。(手帳を交換した際はしばらく旧い手帳も鞄に突っ込んでおくようにしましょう。情報の吸出し忘れは絶対に起きます)

情報のありかを分散させるのはデメリットも多いです。僕は大学時代を「全教科合わせてノートは一冊」という力技で乗り切りましたが、こういうやり方が合う人もいると思います。以前書いた持ち物エントリと同じ概念ですが、「一箇所にまとめて突っ込む」がまずは第一選択肢になるわけですよ。これが出来るようになったら、用途別に分けていくという方向に進んでください。間違っても、いきなり「用途ごとに細かくノートを分けて使い分ける」という方向には進まないでください。破滅しますよ。

まずは、胸ポケットに手帳1冊、机上にメモ帳1冊の運用体制を試してみてください。それでは不足だな、と感じた時に初めて追加のメモ帳を購入してみましょう。

このメモ帳の選び方は基本的に手帳に準じます。小さく、持ち歩きやすく、取り出しやすいもの。ただし、やはり選ぶならリングタイプのものがいいです。必要なページを開いたままポケットに突っ込んでおけるし、必要に応じてページを破り取ることが出来るからです。情報を書き留めて誰かに渡すというシーンもありますしね。

そして、追加で言うなら立ったまま書きやすいものが良いでしょう。堅い裏表紙が入ったものなどですね。この条件を満たすメモ帳はわりとすぐ見つかるので、特にこだわりがない人は100均などで買ってもいいと思います。皆さん既にお察しだと思いますが、ADHDの人生はカネを食います。削れるコストは削りましょう。

  • 情報記録媒体はなるべく少ない数に統合した方が基本的には良い。
  • 手帳で事足りるなら追加のメモ帳はいらない。
  • 買うならポケットに常に入れておけるものを。
  • とにかく道具はアクセス性が命。すぐに取り出してすぐに書けるようにしておくことが一番大事。

 

スマートフォン

以前も書きましたが、僕は「全ての外部記憶媒体をデジタルにしてペーパレスでやるんだ!」という試みを実行した結果、破滅しました。(そのうちエントリにします)基本的にタスク管理やスケジュール管理などは紙ベースでやるのが良いと思っています。

しかし、スマートフォンには無数の便利機能が搭載されており、これなしで仕事をこなすというのは最早考えられません。職場で許容されているのであれば、書類の記入例などはスマホのカメラでバッシバシ撮影するのが良いでしょう。とにかく、目の前に完成実例が存在する仕事の類はスマートフォンで撮影するクセをつけるのが重要です。

この撮影に関しては、ついつい「内容を書いた付箋を置いてわかりやすくして撮ろう」「わかりやすい名前を画像ファイルにつけておこう」みたいな考えが入ってくると思いますが、基本的にはやめた方がいいです。とにかく撮る、とにかく情報を突っ込んでおく。分類整理は気の向いたときにやればいい。くらいの気持ちでいいです。2ヶ月に一回くらいやっていく気持ちが沸いて来ることもあると思いますので、そのときにまとめて整理しましょう。

我々は脳が「この作業めんどくせえな…」と認識した作業を無意識に忌避してしまう悪癖があります。おまけに要領も悪い我々は「ファイルをわかりやすく保管する」という作業に気をとられて他の業務を吹っ飛ばしてしまいます。とにかく撮る。スマホにデータを突っ込んでおく。それが重要だ、ということを心得ましょう。

新人はマニュアルなどの情報はとりあえずスマホに抑えておくくらいの気持ちでいいと思います。というのも、使いたいときにマニュアルが定位置に存在しなかったら詰む、毎度デカいファイルをバタバタ開かないと仕事が出来ないというのもあんまり良い状態ではありません。文明の利器はガンガン使っていきましょう。

また、これはデジタルガジェットにたぶん僕より強い皆さんには不要な心配だと思いますが、借金玉さんは3年ほど同じスマホを使っていた結果「地図アプリがまともに動かない」「超動きがモッサリしてて使うこと自体がストレス」などの状態に陥っていることに気づいておらず、最近スマホを買い換えて感動しました。

ADHDの特徴である「道に迷う」などは最新のGPSつき地図アプリがあれば大体回避できることがわかりましたので、スマホは新しい良いものを買っておきましょう。いい買い物でした。

まとめ

  • 細かい話はいい。必要っぽい情報はとにかく撮影しろ。
  • 整理は後回しとにかく撮れ。
  • 撮れ。
  • 旧いの使ってるデジタル土人の皆さん。買い替えましょう。地図アプリがマトモに動けば道には迷いませんよ。

 

手帳の書き方、メモの取り方

先輩が指導するペースにメモを取るペースが間に合わない。はい。よくあります。人間というのは往々にして自分の能力を1.5倍くらいに見積もりますので、「他人がメモを取るスピード」については遅いと感じやすいものです。

まず、最初にですが「すいません、メモを取るのが遅くてご迷惑をおかけしますが、きちんと仕事を覚えたいと思っていますのでゆっくり目のペースでお願いできますか」とぶっちゃける勇気を持ちましょう。あなたがアワアワ言ってても、たいていの場合あなたに業務指導をする人は気づいてくれません。あるいは薄っすら勘付いていたとしても無視されます。後で「喋るペースが速すぎてメモが取れなかった」と言っても「じゃあその時言えよボケが」と言われるだけです。「なんでその時に言わねーんだよ!」は業務を指導する立場になると最高にムカつく話だということは、皆さんも一回指導をしてみればわかると思います。避けましょう。

電話応対についても同じです。「~社の~です」というアレはわりと聞き取れないものです。皆そうです。ここで「大変申し訳ないのですが、御社の社名と担当者様のお名前をもう一度頂戴してよろしいでしょうか」と言えるかがまず重要です。

メモの取り方の効率化などに目が行きがちですが、それは時間をかけて改善していくタイプの処方です。一朝一夕にはそうそう早くなりません。まずは、きちんとメモが取れるまで聞き返す、ということを覚えましょう。多少相手をイラつかせたとしても、教わった内容が全く頭に入ってないよりは百倍マシです。ウスノロと思われる勇気を持ってください。また、この辺は職場で「こいつに仕事を教えてやろう」と認識されているかどうかにもよってきます。

メモの取り方も、基本的には凡庸かつ堅実を旨としてください。また、勉強が得意だったタイプの発達があれな皆さんにありがちなことだと思いますが、妙な省略グセはあまりよくありません。というのも、学校で習う勉強というのは「教わったことの大体8割くらいインプットできてればかなり上出来」という性質のものです。僕もこれは得意です。細かいところはとりあえず流して大筋を掴んで、後から細かい記憶を関連付けで引っ張り出すタイプの暗記手法ですが、仕事ではほとんど通じません。(正確に言えば、ある程度裁量のデカい仕事をするようになると使えるようになる)

仕事で使う情報は、「大した量ではないが、100%インプットしなければ不合格」という性質のものが非常に多いです。我々の最も苦手とするジャンルです。面白みもないので頭にも入りにくい。発達障害傾向があっても勉強はわりと得意という皆さん、範囲の絞られた定期テストはあまり成績がよくないのに、範囲の広い学力テストになるとドカンと成績が上がる、などの症状はありませんでしたか?こういう皆さんは注意が必要です。どうでもいい話ですが、借金玉さんは高校生の頃定期テストの存在を完璧に忘れて、いつも通り学校をサボってしまったことがあります。事情を正直に説明した結果事態がどんどん悪化するの本当に理不尽だと思った。

メモの取り方の効率化はわりと人によってやり方が違い、僕のやり方を伝えても役に立たない場合が多いと思います。これは学校のノートのとり方に個性が出るのと一緒です。(僕は重要っぽい単語を拾い書きしていき、後で授業を思い出すスタイルでノートを取ってましたが、友人にノートを見せた結果狂人扱いされました)

しかし、やはり重要なのは日付、時間などの重要な情報を逃さないことです。また、業務手順などをメモに取る場合は「要点を抑える」が最大のコツになりますが、触ったこともない業務の場合はどこが重要なのかすら基本的にはわからないと思います。何が要点なのかわからなければ要点なんて抑えようがない。その場その場で適宜の判断をしながら情報を拾って総合していくしかありません。

 「重要な情報を逃さない」と「仕事の全体像を掴んで要点がどこにあるか把握する」を平行して進めてください。数ヶ月踏ん張れば仕事が見えてきて、メモを取る速度も桁違いに速くなっているはずです。そこまでは「メモを取るのが遅いのは仕方ない」と割り切ってください。繰り返しますが、「すいません、ちょっとゆっくりお願いします、頑張りますので」と「すいません、もう一回言ってください」を言う勇気を持ちましょう。これが一番大事です。

まとめ

  • 聞き返す勇気、ゆっくり喋ってもらう勇気を持て。
  • 仕事の流れを掴むまではメモが非効率なのはある程度仕方ない。要点はいずれ見えてくる。割り切れ。
  • ウスノロと思われても、教わった内容が全く身についてないよりはナンボかマシ。
  • 職場の人間関係が良好さが重要。とにかく「仕事を教えてやろう」という気持ちを持たれる新人であれ。

なんだこれ、こんなに俺は頭が悪かったのか?

職場に入るとこういう状態になることはよくあります。下手に学業成績が悪くなかった人間ほど「なんだこれ?俺勉強はそこそこ出来たよな?なんで?」というパニック状態に陥ってしまいがちです。落ち着け。大丈夫だ。

もちろん、「同期の中で自分のスペックが圧倒的に低い」という事態もありえます。(就職活動でホームランキメた場合に起こりがちです)しかし、そういう状態に陥ってしまったとしてもやるべきことに大きな差が出るわけではありません。シンプルです。「きちんと情報がメモに取れるまで教えてもらう」だけです。これは職場の人間関係構築と切っても切れない関係にある概念です。とにかく、仕事を教えてもらえる新人であるための努力を欠かさないようにしてください。前の方のエントリが役に立つと思います。

「速記」とかそういう概念は置いておいてください。もちろん身に着けて損はないと思いますが、一朝一夕には身につきません。また、発達障害傾向の皆さんには「そもそもノートを取る習慣がないし、ノートを見返したことなんてほとんどない」というケースも多いと思います。僕もこれに近いです。高校まではノートを見返す習慣なんてほとんどなかったです。テストの時にノートが何かの役に立った記憶がありません。(そもそも学校にあまり行ってなかったんだからノートに情報があるわけがない)

まずは、「ゆっくり教えてもらう」「わかるまで聞く」「それが出来る職場環境を構築する」を大事にしてください。電話応対については、電話の前に「社名・担当者名・時間」と書いた紙を貼っておくなどの対策も推奨できます。

メモの取り方が習慣として身につき、また仕事の流れが見えてくると一気に楽になります。努力をする価値は大いにあります。やっていきましょう。

 

 

 

 

 

勉強とモチベーションの話。フワフワした希望について。

閑話休題

anond.hatelabo.jp

ああ、休日はいいなぁ…と思いながらインターネットを眺めていたらこのような記事が目に入って来ました。勉強は社会に出てから役に立つのか。正直久しく考えたことのなかった概念だったのでちょっと考えてみることにします。

僕は一回大学を辞めてます。昔は教育学をやってました。「冷静に考えて教師は無理」「この大学の閉鎖的な雰囲気が無理」「人間関係も想定通りトチった」「国語国文学方面の専攻を選んだけど、ポストモダン方面にカブれていた自分の嗜好とまるで合致しなかった(作者主義の色が強くて面白みを全く感じなかった)」「当時付き合ってた彼女に振られて公務員になるというモチベーションが完全に消滅した」などの複合的な理由で終わりました。

この当時は「役に立つ勉強」を考えていたと思います。具体的には、勉強すれば到達出来る可能性が高い職業として教師を考えていました。人に物を教えるのは好きですし、色々ある子供たちの役に立つというのもいいなぁ、というぼんやりした志望動機と、「この地獄寒村にとどまるなら公務員になる以外にマトモな家庭を築く道はない」という明確な方針がありました。

ところで皆さんは別の大学に進学した自分の彼女がラグビー部のマネージャーになったことはありますか?僕はあります。はい。ラガーマン皆殺しブログです。絶対に殺す。あれ、アメフトだったかな?どっちにせよ皆殺しにすればいいと思います。

そういうわけで、僕は「そういえば僕は文学がやりたいんだった」「作家にもなりたい」「批評家にもなりたい」「やっぱ青春といえば東京っしょ」などの綿菓子のようにフワッフワした人生のモチベーションを思い出し、文学部に進学しなおして東京に出てきました。1年かかりました。その間は様々な仕事をして必死に金を貯めたり、ルームシェアで暮らしたり、やらかしておっかないおじさんに追われたり、オーバードーズの繰り返しと睡眠薬と酒のダブル依存で閉鎖病棟に突っ込まれたりしてました。

 

勉強、クソ楽しい

そういうわけで、全身B系(当時、僕の故郷であるヘル寒村では流行っていた。曖昧な黒人が狂った値段で販売してた)に身を包んだ金髪を後ろで束ねたデブが一匹東京にやってきたわけです。ショーンジョンのセットアップとか着てました。しかし、大学に入って感動しました。

「僕が喋りたい話をする奴がいっぱいいる」

という感動です。地元には数えるほどしかいなかった同じ言語で語れる人間たちが群れをなしていました。僕の異様な風体もそこでは個性という枠組みの中に無事ネジ込まれ(というかもっと異様な奴がいっぱいいた)、入学式の帰りには既に考古学への夢に燃える男の子と酒を酌み交わしていました。入学式の席が隣だったというだけの縁なのですが、未だに親交があります。

一つ目の大学は完全に「社会」という印象しかありませんが、二つ目の大学に関しては未だに感謝があります。「どこかしらに自分の居心地のいい椅子はあるのかもしれない」という希望があの大学にはありました。勉強は本当に楽しかったです。なにせ、自分の好きなことしか目の前に無いんです。どの授業に出ても、例え教授に喧嘩を売って授業を追放されてもひたすらに楽しかった記憶しかありません。これはたぶん、マンモス大学と小規模大学の性質によるものが大きいと思います。そのうちエントリにしますので、受験生の皆さんなどは大学選びの参考にして欲しい。このブログを読んで共感が発生してしまったタイプの皆さんはとにかく都会のデカい大学に行きましょう。人間関係の兌換が無限に効くというすごいメリットがあります。

そういうわけで、僕にとって勉強は楽しいからするものであって、役に立つ勉強を志した結果は無残な敗北でしかありませんでした。明確な人生の指針、現実的な未来設計、役に立つ勉強。それらは全て苦い記憶とセットになってトラウマ収納箱に放り込んであります。フワッフワした動機、享楽を求めて走る姿勢、そして逃走。これらは良い記憶と一体になっていい思い出箱に入ってます。「現実的に役に立つ」という概念は僕の人生において大体辛い結果しか生みませんでした。これは就職などの社会に出てからも大体一緒でしたね。

 

現実的な勉強が役に立つ人と、役に立たない人がいると思う

これはたぶんなんですが、現実的な未来設計や堅実な志望動機などが人生のプラスになるタイプの人間と残念ながらそうはならない人間がいるんだと思います。流石にこれだけ失敗したらわかってきた。フワッフワした動機に身を任せることでしか人生の風を掴めない人もいっぱいいるんだと思います。まぁ、風に流されてきた結果このブログを書いているというアレですが。今年は住民税払えるかなぁ…。何とか年金も多少は払いたいなぁ…。そろそろ差し押さえ来るんちゃうの…。経営してる会社の風向きがよかったとき調子こいて役員報酬自分に出して結局全部会社に貸し付けてしまったのが本当にダメだった…。

そういうわけで、あれですね。自分が「現実的で堅実な未来設計」に向かって走る能力を有しているのかいないのかの見極めが大変大事だと思います。「将来の役に立つから」という理由で大学に通いきって就職して、「生活のため」という動機で働き続けることが出来るのか。僕は出来ませんでした。その結果がこのザマです。結局こんなんなるってわかってるなら堅実な方向に舵を切ったあの時間全部無駄だったよ、返して欲しい。まぁ、このブログのネタになってるから無駄ではないのか…そうか…。

 

自分に見合ったモチベーションの保ち方を見つける

僕は結局、「楽しい」という動機でしか走れないのだと思います。このブログも究極的には「楽しい」という動機で運営されています。そりゃあもちろんカドカワさんから本が出てそれが売れて筆で食えるようになれば最高ですが。まぁ、それより何より楽しいっすね。だってですよ、僕みたいなカスの文章を数千人、下手すりゃ万に届く人数の皆さんが読んで、良かれ悪しかれ反応を返してくれるわけですよ。楽しくないわけがない。

それで、結局クソ長い自分語り(超楽しかった、自分語り大好き)をしてきてなんですが、紹介した増田を書かれた方も「楽しい」を見つけることが大事なのかもしれないなーと思ったわけです。だって、未来のために、役に立てるためにという動機でダメなら、「楽しさ」で走るしかないじゃないですか。「楽しさ」が尽きたらどうするのかは完全に尽きてしまったときに考えましょう。エンジンが一個死んだらもう一個のエンジン回して飛ぶでしょ。両方死んだ時のことはそのときに考えればいい。

もちろん、楽しさというフワフワした風を掴んで生きるのはリスキーです。僕のザマを見ればわかると思いますが、大抵こうなります。周囲を見渡しても大体そうなってます。「未来のため」「役に立つ」という動機で飛べる皆さんは本当に素晴らしいと思いますし、このブログはその飛び方も応援しています。僕に出来なかったことを皆さんには達成して欲しい。その一方で、エンジンがかたっぽ死んだらもう一方をまわすという対策もあることは覚えておいて欲しい。

フワフワした夢や漠然とした希望もそれはそれで大事なものだと思っていて欲しい。そんなことを漠然と考えました。

 

それはそれとして高校生は勉強した方がいいぞ

とはいえ、大学進学に学力は必要なので高校生も勉強はした方がいいです。将来直接的に役に立つかはともかくとして、「楽しい」に辿り着くためには学力が必要になることもある。もちろん、「将来のため」とか「役に立つ」という動機で勉強できる皆さんはそれはそれで素晴らしい。でも、それが厳しい皆さんはフワフワした夢へのエンジンを回してみてください。

具体性なんかいりません。どうせ具体的な夢なんて僕らみたいな人間には思い描けません。いつだってそんなものはありませんでした。未来のビジョンが想定どおりに現実化したことなんて一度もありません。「ここから逃げだしたい」という気持ちでもいいです。どこかに楽園があるかもしれないというフワフワした希望を大事にしてください。ここではないどこかへ行きたいという気持ちだって立派とは言えないし高性能とも言えないかもしれないけど、それでも人生を推進させるエンジンにはなりえます。

そして、なんかうまいこといったら、みんなで幸せになりましょう。

 

残念な新卒のための生存手引書(実践編基礎2 「朝に打ち勝つ」)

朝に打ち勝つ(眠る)

皆さんは朝が嫌いだと思います。はい、僕も大嫌いです。明日も仕事だということはわかりきっていたのに、明け方の5時頃焦燥感にまみれながらインターネットを眺めているあの絶望感は何度味わっても辛いものです。辛えな。本当に辛えよな。

「じゃあ夜型の仕事に就けばいいんじゃね?」と思った皆さんもいるでしょうが、借金玉さんは試しました。結果は大体同じか、ちょっと悪くなります。当たり前ですね、いくら我々が夜が大好きとはいえ、人間は基本的に夜行性の生物ではありません。

朝に強くなる方法は基本的にはシンプルで、インターネットに知見も大体揃っています。要するに、規則正しい生活をしてさっさと寝る。これに尽きます。細かいTIPSは無限にありますし(夜遅くに食い物を胃に入れない、寝る前にホットミルクを飲む、半身浴をする…)そのいずれも結構効果はありますし、やってみる価値はあります。ですが、正直言って「生活を完全に規則正しくする」に勝るものはないと思いますし、その程度でなんとかなるなら苦労はねえんだよ、という前提でこの文章は書かれています。その程度で何とかなる人については「うらやましいなぁ」という気持ちです。

結論はシンプルです。最寄の心療内科などに出向いて、睡眠薬貰ってきてください。

個人的には作用時間の短い(2時間程度)マイスリーが一番便利だな、と思いますが、深夜覚醒などの強い人はもう少し作用の長いものが合うと思います。(僕は圧倒的に入眠困難が強いです)31年かけてありとあらゆる睡眠ハックを試して来ましたが、薬に勝るものは存在しませんでした。色々試す時間が惜しいです。細かいことを試すのももちろんいいことですが、さっさと睡眠薬もらってきてください。

不眠は長く続けば続くほど加速度的に全てが悪くなっていきます。仕事のミスも増えて精神的にも安定しなくなり、ありとあらゆる歯車が噛み合わなくなっていきます。さっさと眠剤です。(他に精神が不安定になるようなら安定剤も便利です)心療内科は怖くありません。さっさと予約してください。「なんか眠れない」程度の症状なら、名医を探す必要はありません。片っ端から電話してとりあえず一番近い日に予約が取れる心療内科に飛び込んでください。急げ。本当に急げ。どんどん悪くなるぞ。どんなクソ医者に当たっても薬さえ貰えれば治る可能性のある初期が治療の大チャンスだ。さっさと医者に飛び込め。悪化したら間違いなく鬱もセットで襲ってくるぞ。

尚、僕がやってるのをツイッターで目撃した皆さんも多数いると思いますが、アルコールとの併用はとてもだめです。粉にして鼻から吸うのは論外です。やめろ。僕も30代になったしやめる。飲み会のあととか晩酌した後に飲むのはしょうがないけど、酩酊を求めて酒で飲むのはやめろ。僕もやめる。頑張る。借金玉さんそれで一回入院してるからな。すごいぞ、閉鎖病棟。一緒に頑張ろう。これに関しては強いこと言えないけど、一緒に頑張ろう。

まとめ

  • 不眠の対処は薬に勝るものなし。
  • 初期ならわりとすぐ治ったりもする。こじらせるとやばい。
  • 不眠は虫歯と同レベルに放置したらどんどん悪くなると認識しろ。
  • 死に至る病の初期症状の可能性が大いにあることを認識しろ。

朝に打ち勝つ(起きる)

朝起きるために必要なのは気合でも意志力でもありません。たった一つの小さな動作です。まずグダグダ言わずにカフェインの錠剤を買ってきてください。コーヒーを淹れるなどの優雅な行為は我々には無理です。エスタロンモカでもいいですが、海外からの輸入品にはクソ安いのがあります。検索しましょう。薬剤に抵抗が強い人はペットボトルのお茶を箱買いするなどもいいと思います。「毎晩水筒にコーヒー詰めよう」みたいなクソ高いハードルは設定しないでください。100%無理です。

重要なのは、「目覚ましが鳴ったらとにかくなんか一動作する」ということです。目覚ましが鳴ったらとりあえずカフェインの錠剤を飲むというのがほとんど無意識に実行出来るようになるまで続けましょう。しばらく続けるとカフェインなしで起きられる朝が増えてきます。僕も今は寝起きでカフェインを飲む朝は2割程度です。

ADHDの診断が出てコンサータを処方されている皆さんは、枕元に水と一緒に置いておきましょう。副次的な作用ですが、あれも覚醒作用はかなりあります。飲み忘れも防げます。

これはTIPS寄りの話になりますが、スマホのアラームはだめです。入力を忘れますし、音も小さくて目が覚めません。ご近所さんが怒鳴り込んで来る恐怖を感じるくらい音のくそでかい目覚まし時計は必須です。こういうことを言うとあれですが、お隣さんをマジギレさせる方が始業時間を寝過ごすよりマシです。ただし、アナログの目覚まし時計は12時間すると再び目覚ましが鳴り始めるタイプも存在し、これはだめです。我々は100%息の根を止め忘れてご近所さんをマジギレさせます。デジタルの24時間単位で時間設定可能なものにしましょう。

Google

こういう検索結果を活用して、とりあえず買いましょう。

まとめ

  • 目覚めに必要なのは小さな一つの動作。
  • 枕元にカフェインの錠剤と水、もしくはカフェインの入った飲み物をセット。
  • コンサータ飲んでるマンは当然枕元にセット。
  • 目覚ましは爆音のものを今すぐ買え。ただし、12時間単位の時間設定しかないものはダメだ。

朝に打ち勝つ(身だしなみ)

風呂は朝入るか…は絶対禁忌です。

大事なことだから2回言います。おまえは朝になってから風呂に入れるタイプの人間ではない。髭剃りと風呂だけは絶対に夜のうちに済ませておいてください。この二つだけは本当に大変だと思いますが何とか夜のうちにやってください

 朝の身だしなみが快調にこなせるかどうかは、実際のところ朝になってから頑張ってどうにかなることじゃありません。普段の生活と寝る前の仕込みで95%決まります。しかし我々のことです、5分以上かかる下準備を毎日続けるなど不可能に決まってる。しょうがない。課金しましょう。

まずは基本からいきましょう。ワイシャツ20枚買ってきてください。30枚でも構いません。店の前で投売りされてるクソ安いやつな。別に高いのでもいいけど、どうせ高いシャツ買ってもシミつけるしクリーニングにこまめに出すなんて不可能だからな。靴下も30本買ってきてください。ベルトも何本か買いましょう。我々は謎の理由でベルトが消滅します、ベルトが見つからなかったから約束に遅刻したことがありますよね?ネクタイも多めに買っておきましょう。靴は三足は最低要ります。紐がついたヤツは基本的にダメです。また、「2秒で履ける」をモットーに選びましょう。我々は「なんか気分がどうしても乗らなかったので一週間靴紐が解けっぱなしだった」みたいな人種です。靴べらが必要な靴はだめです。朝の我々の気力状況に対して「靴べらで靴を履く」というタスクは重過ぎます。顔洗って歯を磨いて服を着たら飛び出しましょう。液体のマウスウォッシュは言うまでもなく必要です。

とにかく、朝の身支度で一番最悪なのは出社に必要なアイテムが見つからない、あるいは足りないことです。買え。とにかく買え。備蓄を万全にしろ。多少はロス出しても構わん。お洒落とかそういう概念はとりあえず捨てろ。人間の格好をすることに専念しろ。言うまでもないことですが、当然これらのタスクが実行出来なかった場合に備える必要もあります。歯磨きセット、髭剃り、整髪料、口臭対策のガムやタブレットなどは絶対に鞄に入れておいてください。「救われた…」と思う日が必ず来ます。

まとめ

  • 髭剃りと風呂だけはなんとか夜のうちに済ませろ。
  • 出社必須アイテムは山ほど買え。ワイシャツ、靴、ベルト、靴下など。
  • 朝の最低限の身だしなみが出来なかった日の対策として、鞄には身だしなみセットを突っ込んでおけ。
  • 靴は三足は最低でも買え。重視するのは2秒で履けることだ。
  • 人間の格好をしてれば合格点だ。多くを求めるな

朝に打ち勝つ(持ち物)

鬼門です。これがかなり難度が高く、失敗した時のリカバリーも難しい。とにかく、「朝に持ち物を点検して全部揃えよう」という概念は綺麗さっぱり捨ててください。前の日の夜にやれなかったらもう無理です。そして、前日の夜にやるというのもかなり難しいです。

syakkin-dama.hatenablog.com

そこでこれです。はい、最初っから全部突っ込んでおけばいいんです。家で仕事を処理するなどがあった場合は、「終わったらとにかく鞄に突っ込む」などを徹底してください。「とにかく業務アイテムは全て机の上に置く」「寝る前に机の上になんかあったらきもちわるい」という習慣づけがお勧めできます。そして、目に入った必要性が発生しえるアイテムは全てカバンに突っ込んでください。一週間後に必要になるアイテムも今すぐ鞄に突っ込んでください。そのためのクソデカビジネスバッグです。

しかし、それでもまだ尚注意すべきものがあります。手帳、スマホ、名刺入れ、定期入れ、財布、ネクタイピン、シャチハタなど「ポケットに入っているアイテム」です。これらの対策もあります。まずは今すぐメモ紙などに、「朝必要なアイテム一覧」を書き出してください。それを机の上にセロハンテープでベッタリ貼ってください。

その上で上記の「とにかく業務アイテムは全て机の上に置く」と平行してライフハックを走らせてください。シャチハタを忘れたら壮大な怒られが発生するタイプの皆さんについては、会社から支給されたシャチハタと同じメーカーのシャチハタを数本買って会社に備えておくなどの技もあります。(ただし、本当に同じ陰影かどうかは入念にチェックしましょう)

尚、会社にロッカーがある皆さんについては、「うっかりスニーカーで出勤した」対策として、ドンキホーテとかで売ってるクソ安いビジネスシューズを一足ロッカーに突っ込んでおくなども推奨できます。僕はやらかしましたがこれに救われたことがあります。うっすら「やっちまう気がする…」と思った皆さん、確実にやります。対策しとけ。僕以外にもスニーカーで出勤したアホの存在は確認したので結構やらかした奴いると思うぞ。

まとめ

  • 朝に荷物を整える作業は不可能。夜にやるしかないと心得ろ。
  • 必要なもの、この先必要になるものは基本的には全部鞄に入れておけ
  • スーツのポケットに入れる系アイテムは、机の上に一覧表を貼りだし、常に机の上に全部置く習慣をつけろ。
  • 忘れたらクソヤバイアイテムに関しては可能であれば予備を用意することも考えろ。

朝に打ち勝つ(寝過ごしちまった)

はい。やっちまいましたね。慌てるな。これが5日ぶり3回目ならかなりヤバイ事態だが、朝寝過ごすこと自体はそれなりに結構みんなやらかしてる。落ち着け。喫煙者ならまずは煙草を一本吸って精神を整えろ。デパスがあるなら飲め。

職場から既に鬼の着信履歴が入っている時間なのか、それともまだ数分過ぎた段階なのかはわかりませんが、やることは一緒です。まずは電話しましょう。クソ怖いと思いますが、精神が落ち着いたらすぐにやりましょう。相手が喋る前にクソデカい声で「申し訳ございません!」の絶叫を叩き込みましょう。そして「ただちに向かいます」と叫べ。言い訳は一切要らない。謝意とすぐに向かうということだけを伝えろ。

ここで「体調が悪く…」とか「昨夜はちょっと色々あって…」とか言い訳を並べると、99%相手の怒りにジャンジャンガソリンを注ぐことになります。大丈夫です。1回や2回の遅刻でクビになる職場はありません。めっちゃ怒られは発生しますが、かなりの割合の人には実は覚えがある事態です。この場合必要なポイントは上に上げた二つのみ、「謝意」と「すぐに向かう」だけです。余計な情報を入れれば入れるほど言葉尻を拾って矢をブチ込んできますので、極力余計なことを言うのはやめましょう。ここで相手に与えた言葉尻が職場到達後の叱責のとば口になってしまいます。そして、電話口で叱っても出社時間が遅れるだけだということは相手も心得てます。

出社中は全力で説得力のある言い訳を考えてください。「おまえさっき言い訳するなって言ったろ?」と思われたかもしれませんが、適切にステップを踏んで行けば言い訳を使うタイミングはあります。この際は、「言い訳」とセットで「今後とる解決方法」まで考えておいてください。事態のフィナーレで必要になります。

はい。職場に辿り着きました。走りましょう。ゼイゼイ言うくらい走りましょう。他の部署からマヌケに見られるな…などの心配は要りません。どうせマヌケな事態なんです。さぁ、いよいよフィニッシュです。誰もが怒気と呆れをない交ぜにしたあの表情で待機している職場に辿り着きました。

上司のデスクまで走りよって、申し訳ございませんでしたァ!の絶叫を叩き込みましょう。余計な言葉は一切要りません。そして、床を頭でブチ抜く勢いで頭を下げましょう。「まぁ頭上げろよ」の声がかかるまで頭を上げてはいけません。下手に上げると相手の攻撃本能に火をつけてしまいます。5秒、10秒、ついに念願の「まぁ、頭上げろよ」の声がかかりました。ゆっくりと頭を上げましょう。目の前には超クソ怖い顔があると思います。そこでもう一回トドメの「申し訳ございません」を入れましょう。ここで頭を下げると相手にもう一回「頭上げろ」を言わせることになるので、ぐっとうつむいて歯をかみ締めるなどがオススメです。

ここからルート分岐が入ります。お説教に入るか、あるいは運がよければここで見逃してもらえる可能性もあります。ここで解放された場合は部署の全員に謝罪をして回り、自分のデスクに戻ればミッションコンプリートです。「最近なんかあったのか?」などが入った場合は先ほど考えた言い訳と解決策を披露してください。

お説教に入った場合も基本的には一緒です。相手から「さぁ言い訳を言え」という意思表示がなされるまではひたすら謝罪に徹してください。相手に一切喋らせず叱責を続けられる説教の達人はそれほどいません。(たまにはいます)どこかで必ず、「さぁ言い訳を披露しろ」というタイミングが来ます。ここで先ほどの言い訳を使ってください。

これで、1~2回の遅刻であればほぼ乗り切れると思います。そして、なんとしても最大年2回で乗り切ってください。3回目当たりから本格的にヤバくなってきます。僕は2回で済ませましたが、3回目に突入した先輩はクソヤバイ事態になってました。あれの打開策は通常の手段では存在しないと思います。

頑張りましょう。

まとめ

  • 演技性とディティールが必要なので要約は不可能です。読んでください。
  • 相手の攻撃本能を極力抑え込みましょう

朝は辛い

朝はとても辛いです。しかし、これを乗り越えなければ職場に辿り着きませんのでなんとしても乗り越える必要があります。頑張りどころです。やっていきましょう。しかし、「今日はどうしてもだめだ」という日に関しては、勇気を出して「休む」という選択肢を取ることも忘れないでください。体調不良で病休を取るというのは誰でもあることです。行きすぎなければ有益なリフレッシュになります。

どれくらい体調が悪いと職場で全く使い物にならない状態になるのかなどを頑張って把握しておきましょう。そして、「どうしてもだめだ」が続くようなら職場を離れるという選択肢も常にあることは心得ておいてください。

失業保険と傷病手当などについては入社前に頭に入れておきましょう。逃げるという選択肢は常にあります。何度も何度も繰り返しますが、絶対にそれだけは忘れないでください。

 

 

残念な新卒のための生存手引書(実践編基礎1 挨拶ー基本的な仕事の進め方)

死にたくなければ挨拶をしろ

おはようございます。はい、昨夜更新するといいつつ完全に爆睡してしまいました。許して。忙しかったんですよ。(すいません、定時に上がったくせに1時間寝ようと思ったらそのまま朝でした)そういうわけで、やっていこうと思います。

挨拶の重要性は皆さんたぶんわかっていると思います。何も言わずヌルっと職場に入ってくるのは大変に感じがわるい。そういう上司やら先輩も結構見かけると思いますが、新卒がこれをやるのは本当に最悪です。快活な挨拶をちゃんとやるというのは一種のスキルです。ある程度習慣として出来上がってないとなかなか難しい。そして、機会を失うとやり直しが意外ときかないという困った特徴もあります。

前回のエントリで「組織の一員として認められることが新卒の最初の仕事」と書きましたが、この「挨拶」に関しては組織の文化が意外と出ます。具体的にいうと、「どういう時にどういう挨拶をするべきか」というようなあまり言語化されない謎の文化が、大体職場にはあります。

  • 飲み会の次の日の朝は参加者全員にお礼の挨拶。(昨日はありがとうございました)
  • 有給を取った次の日には上司と部署の全員にお礼の挨拶。(昨日はお休みありがとうございました)
  • 昼休みに社外に出る時は、上司や先輩に挨拶。(お昼休憩いただきます)
  • 他の部署を巻き込む仕事が始まる時と片付いた時にはお礼の挨拶。(この度はご協力本当にありがとうございました)

などがパッと思い浮かびますが、職場によってはもっと色々あると思います。わかるよ。くだらねえよな。新卒なら飲み会は大体幹事やらされるだろうし、自分が幹事やった飲み会の参加者にお礼の挨拶して回るってどうよと思うし、有給は従業員の正当な権利なんだからお礼を言うの自体おかしいし、昼休憩の前にわざわざ挨拶するのなんか気が狂ってるとしか思えない。部署間で協調して仕事やるのなんて当たり前だろ、給料貰ってんだから黙ってやればいい。

金玉さんもそう思います。でも絶対にやった方がいいです。

基本の日常挨拶に関してもハキハキとしっかりこぼしなくやることは当然ですが、この手の部族ルールを早急に把握することがとても重要です。かなりデカい評価ポイントと言っていい。というのも、新卒なんてしばらくは戦力としてはカスなわけです、ある程度仕事が出来るようになれば「あいつはアレだけど仕事出来るから…」という評価の獲得も不可能ではないでしょうが、新卒の段階で「感じ悪い奴」という評価を賜ると、リカバリーはぼぼ不可能です。

だって新卒君いなくても仕事回るんだもの。先日も書いたとおり、「新卒を育てる」というモチベーションを持った人間は、大きな組織になればなるほど相対的に少なくなります。ぶっちゃけ、新卒が育つが育つまいがどうだっていいわけですよ、現場の人間の多くには、そして自分の仕事は当然増やしたくない。「新卒に仕事を教える」というタスクを増やすのは、基本的にイヤなんです。これは仕事の出来る模範とすべき人ほどこの傾向が強まります。だって、仕事出来る人間にはガリガリ仕事振られるわけですから、容量パンパンなわけですよ。でも、そういう人になんとか好感を持たれてすりよっていくしか、仕事の早期習得の手段はない。(年次だけ上だけどめっちゃ暇な人に仕事教わるのはお勧めしません)

新しい人間の集まりに投げ込まれた後に好感を獲得する手段はそんなに多くはありません。「人間を褒め上げるスキルをつけろ」と前のエントリで書きましたが、その状態に入る前にまずはある程度「こいつには多少手間かけてやるか」と思わせる必要があります。基本の日常挨拶をハキハキと大きな声で多少やり過ぎくらいにやるのは当然として、その上で早急に部族のルールを掴んでください。周囲の人間をよーく見てれば大体のところはわかってくると思います。

「~君、~さんにちゃんと挨拶した?」とか言われたら黄色信号が灯っていると考えていいです。僕は出来ませんでしたが、デキる新卒は当たり前のようにこなします。ポイントは「言われる前にやる」ことです。これを読んでる社会人の皆さんには心当たりがあると思いますが「挨拶ちゃんとやれ」と(多分に怒気を込めて)指示してすぐに出来るようになる人間の比率ってそんなに高くないですよね。はい、僕も自分が経営する側になって気づきました。この手のスキルは教えて(教えられて)すぐ身につくものではないんです。「これは切実に必要な仕事だ」と気づいたらわりと習得は早いですが(僕は起業してから気づきました)、普通に新卒で入った人の場合重要性に気づく頃には全てが手遅れということも十分ありえます。(ありえました)

こういった些細なことをきちんとやるというのは、「私はあなたの部族の慣習を尊重します」という意思表示です。要するに、お腹を見せてキャウンキャウン言っていく姿勢です。しかし、服従の意思表示というのは通常口先だけでは成立しません。全身で行動を伴って示す必要があります。これが「バンジージャンプする」とか「唇にくそでかいピアスをする」とかなら話はわかりやすいのですが、現代日本の部族はそのようなわかりやすい慣習を持っていないことが多いです。まずはどのような慣習を持っているのかを把握し、どんどん実行してきましょう。

新卒の皆さんですが、とりあえずやりすぎてください。挨拶した方がいいかも、という気づきが発生した場合はとりあえず実行してください。その結果邪険に扱われたりすることもあるでしょうが、やらないよりずっとマシです。たいていの人はスマートにシュッとこなすのに憧れてると思いますが、このブログを読んでる皆さんの大半にはそういうことは無理だと思います。やらずに無言のヘイトを溜めるくらいなら、やり過ぎて滑稽さも含めて愛されてください。これはヘタクソな日本語を必死に話す外国人がなんとなく好ましいあの現象と同じ理屈です。部族の風習を尊重する姿勢は完コピするということではありません。姿勢が伝わればいいのです。

尚、部族ガチ勢と呼ぶべき会社も世の中にはわりと存在します。「狂った量の酒を飲む」とか「海辺で全裸で踊り狂う」などのさすがにその文化は尊重できねえわとしか言いようのない文化を持った部族も存在します。その場合は給与などを天秤にかけて、適切に無理という決断をしましょう。法規範などを頭に入れておくと、「この部族の文化行事やってたら俺逮捕されね?」「死ぬんじゃね?」などと判断できると思います。死んだり逮捕されたりする前に逃げましょう。可能なら適切な手段で滅ぼしてください。

 

質問したら怒られる、質問せずに進めても怒られる

新卒の皆さんに残念なお知らせですが、当分は面白い仕事なんて回ってこないです。諦めてください。そういうのが欲しい人は中小企業とかベンチャーとか行けば、特に何も指導されないままいきなり実戦というパターンがいくらでも体験出来るのでそのようにしましょう。(そっちの方が向いている人もいます)

皆さんが最初にやる仕事は非常に退屈で、皆さんの能力や創意を発揮する余地も全くないものだと思います。しかし、データの打ち込みなどの単純作業だけやってればいい職場というのはあんまりありません。徐々に難しいお仕事が回ってきます。皆さんの当面のミッションは、これらのお仕事を通じて「あいつは単純作業以外の業務もなんとかこなすな」という評価を獲得することです。ここで「あいつに仕事任すとどうせ全部やり直すことになるから、結局自分でやった方がマシ」という評価を賜ると詰みますので、気合を入れましょう。仕事は本質的にクソつまらない上に右も左もわからないというモチベーションを沸かすのが大変難しい時期ですが、気持ちを入れてください。(ゆっくりでいい、自分のペースで、などのアドバイスもあるかもしれませんがこれらは全て罠です。耳に入れてはいけません)

まず、最初に重要な概念を提示します。「~をやれ」という指示が来た時、その指示を達成するために最低限不可欠な情報が与えられることなどまず無い、という前提をガッチリ頭に叩き込んでください。大変理不尽ですが、仕事は大抵そんなものです。遭遇してから理不尽さに嘆くよりは、最初から諦めて腹を括っておいた方がナンボか楽です。

新卒が職場に適応するまでの業務習得は、あれはあれで考えようによっては面白みのあるゲームです。具体的に言うと、情報収集ゲームです。曖昧な制限時間以内に必要な情報を許容される全ての手段で収集し、結果を出すゲームだと思ってください。そうとでも思わなきゃやってられない。職場というのはクソなので、大抵の場合業務遂行に必要な情報が一箇所に整然とまとまっているということはありません。マニュアルは存在しない、あるいは存在するとしても断片的ですし、業務遂行に必要な道具や書類はどこかに隠蔽されている、最悪の場合存在しないことさえあります。

指示を出す人間は余程有能な人間でない限り、「その仕事の達成に必要な情報を新卒君が入手可能か」などということは考えません。(逆に、この辺をしっかり考えてくれる上司に当たった場合はとても幸運です)しかし、人間というのは最悪なので下手に質問をすると「おまえは自分で調べるという気がないのか」「少しは自分の脳を使え」「常識で考えろカス」などの言葉が降り注ぐでしょう。その一方で、必死に前例の資料などを探してモタついていると、「いつまでやってんだコラ」「何で質問に来ねーんだよ」「遊んでんのか?アァ?」などの言葉が炸裂します。

 ある程度諦めは必要です。そういうものだと思ってください。

僕は自分がクソ苦労したのでなるべくこういう上司・先輩ではないように努力していたつもりですが、それでも正直なところ「指示を出す時、その業務の達成に必要な全ての情報について吟味し、新入りがそれを実行出来るか検討する」というのは、かなり大変な作業です。というのも、新卒がやるのは普段なら1ミリも脳を使わずにこなしてるルーチンワークです。それに必要な書類はあそこでハンコはあそこで…などと考えている余裕は無いこともはっきり言って多い。それに、仕事の進め方を自力で探して模索する作業はそれなりに意味があります。職場のどこにどのような情報があるのかわかってきますし、誰に質問すればどのような情報が得られるのかもわかってきます。この辺をある程度自力で獲得しておかないと、「上司や先輩が有給取ってたら右も左もわかんねぇ」という事態になりかねません。

 これは、前エントリから繰り返し述べている「社内の人間と良好な人間関係を築いておく」との合わせ技が重要ですが、それ以外にも努力する余地は多々あります。

 

指示が来たらとりあえず制限時間を聞け

 はい。指示が来ました。「~をやれ」というシンプルな指示でした。あなたはウッとなりました。「この仕事やったことないな…」というあれです。ゴールまでの青写真は全く見えません。指示が出た段階で質問して情報を可能な限り集めておきたいのはやまやまですが、何を質問すればいいかすらわからない。

 とりあえず制限時間を聞きましょう。他の何を聞き忘れてもいいです。これだけは絶対に聞き出してください。これで業務の進め方はわからなかったとしても、どの辺の時間までどういう行動を取るべきかについてはある程度タイムスケージュルが作れます。というのも、右も左もわからない新卒マンが取るべき行動は、仕事の切迫度合いを考慮に入れないと判断できないからです。

実際のところ、基本的に見習いである新卒マンといえど、わりと時間はないことが多いです。しかもその合間に電話応対などの不規則に発生するタスクが絶え間なく差し込まれます。アワアワしてるうちに「オイ、あの仕事~時までに終わらないとヤバイんだけど」などが発生し、終わります。

  • n時までは自力達成を目指して情報を漁ろう(全体の3~4割の時間が良いです)
  • n時になったら、現時点でわからないところをまとめて質問の要旨を作って質問に行こう。
  • n時になっても質問の要旨すら作れない、わからない場所の特定さえ出来ない状態あるいは1箇所情報が得られてもその先に無数の不明点が発生する可能性があるなら、一回ケツまくって報告に行こう。

などの方向性が見えていればかなりマシになります。目標設定は理想が自力達成、次点が質問の要旨を作成し一回の質問で業務達成、ギリギリ及第が立て直す時間をしっかり残してのケツまくりです。この逆の行動が最悪です。具体的に言うと。

  • 制限時間を聞きそびれたので必死に資料を探すうちに時間経過
  • 仕事の全体像を掴まず、質問の要旨を作らず散発的に質問に行くため、上司にイライラ発生開始
  • 質問もしにくくなってきたが、目の前の仕事は全くわからない
  • おいおい、スゲー時間たってるぞこれやばいんじゃないか
  • なんか仕事が手につかなくなってきた、クソこんなときに限って他の仕事も差し込まれるなクソ、自分が何をやってるのかわかんなくなってきた
  • いまさらケツまくれない、どうしようなんとか終わらせるしかない
  • 上司「オイ、あれ出来たか(出来てるよな?これだけ時間かけたんだから出来てねえとは言わねえよな?)」
  • 先輩「さっき頼んだアレ出来た?」(追いうち)

はい。このようになります。全力で回避しましょう。定型発達した皆さんは、職場の空気感などから「大体これくらいの時間で出せばいいだろ」などを察することが出来るかもしれませんが、我々発達障害者、特にADHD傾向の強い人間にそれは大変難しいことです。「この仕事はいつまでに片付ける仕事か」については絶対に把握する習慣をつけましょう。

机にへばりついて、無意味に会社のイントラをカチカチしたり、無意味に大量に掘り出してきた資料の山を眺めながら焦燥感に焼かれて時間を過ごすのは本当にやめましょう。たっぷり時間を残してケツをまくるということを覚えましょう。可能な限り回避したいですが、「すいません!全くわかりません!」もナシではないです。また、わからないことが発生する度に散発的に質問に行くのもやめましょう。3回目くらいで上司の額に青筋が浮かんでくるのが定型発達者にはわかるのかもしれませんが、我々はこれを察することが出来ずキレさせます。

 

上司の皆さんへ

ここを読んでいる「上司」の皆さんがどれくらいいるのかわかりませんが、一応書いておきたいことがあります。

このエントリに書いたような部下を持った皆さんは大変イライラされていると思います。しかも、大抵の場合そのイライラが言語化されていないのではないかと思います。「あいつはロクに挨拶もしないし、仕事を任せたら質問にも来ない、質問に来たとしてもマト外れだ」などの思いがあると思います。そういう部下の脳みそを分解すると、大体こういうことになっています。

「上司はどの程度親切であるべきか」についてはそれぞれの部族ごとに色んな考えかたがあるかと思いますが、少なくとも挨拶に関しては一通り教えてやって「これがウチの文化だから、やれないなら痛い目みるぞ」などと言ってやって欲しいし、仕事の進め方に関しても「質問はある程度まとめて俺の仕事の具合を計りながら来い。どうしてもダメなら~時になったらケツまくって俺のとこに来い」などと言ってやると、幾分マシになるかもしれません。(ならないかもしれませんが…)

「こんなの常識だろ?」とお考えの皆さんももちろんいると思います。与えられた仕事が誰にも質問せず100%達成できる人類というのはたぶん存在しないので、多かれ少なかれ皆さんはこの手の苦労をされてきているのだと思います。しかし、その言語化されない「常識」を空気の中から読み取るのが圧倒的にヘタクソな人種もいます。我々です。ここを読んでいる発達障害、あるいは発達障害傾向を持つ皆さんは、少なくとも「変わりたい」と思っている皆さんだと思います。もし、僕の文章に少しでも興味を持っていただけたら、あなたの使えない部下のためにここで読んだ内容を指導に落とし込んでやってくれると幸いです。

 

まだまだ続きます

ADHDにありがちなことですが、いっぱい書いたら収集がつかなくなり結局こういう形で散発的に出していくことになりました。しばらくは新卒生存手引編が続くと思います。(合間に雑記なども挟むと思います)

よろしくお願いいたします。

最後に何度でも繰り返しますが、命より大事な仕事はありません。完全にもうだめだと思ったらスパッと逃げましょう。それは被雇用者の特権です。

やっていきましょう。

気力が尽きたので今日はコメントを返します

ごめん、厳しい

今日は新卒生存手引きの続編をアップするはずでしたね。確かにツイッターでそのように宣言した記憶があります。ごめん。

はい。無限推敲地獄に捕まりました。へこんだアルミ缶を元通りに直そうと努力するあれみたいな状態に突入し、皆さんもご存知だと思いますが一回この状態になってしまった文章と脳は「一晩寝かす」などの処置をしない限りだめです。

金玉さんは明日というか今日も仕事です。そしてツイッターを観測していた皆さんには周知の事実だと思いますが、昨日は就寝チャレンジに失敗し、2時間しか寝てません。そういうわけで今日の活動時間はあと30分が限界。以上の理由により、本日はコメント返しをします。新卒マニュアルは明日です。ではマイスリーを投入し速度を上げてやっていきましょう。

 

発達障害を受け容れる側が気をつけるべきこと

ななしさんからのお便りです。

はい、クッソ難しいですね。コメント返しに逃げたらいきなりこれが目に入ってウッなった。これは発達障害者を受け入れる側が気をつけること」という解釈で間違いないですよね。どうしよう、その立場になったことないからマジで考えたことない。

たぶん、重要なのは「引きずりこまれないこと」だと思います。

カサンドラ症候群 - Wikipedia

こういう概念があります。

まぁ、DSMとかには認められてない概念なのでこれを下敷きに議論するのもわりとあれなんですが、ASDであれADHDであれ、発達障害者というのはあれな部分を持っていますし、社会適合が難しい人間たちです。その一方で、常に定型発達者に迫害されているか弱い存在かといえば必ずしもそうではありません。

強烈に押しが強く他人を引きずりまわすADHD傾向を持った人間はいっぱいいますし、僕自身にもその気はあります。(そうじゃなきゃ起業なんてやるわけもないですし)ASDにしても、他人の心情を慮る能力の欠如からなのか、言葉の槍をぶっ刺しに来るタイプは少なくありません。

「この人は発達障害者だから理解してあげなきゃいけない、優しくしてあげなきゃいけない」のような気持ちを持って付き合うと、いつの間にかあっち側ワールドに引きずりこまれてしまうことはままあります。それでメシ食ってる発達障害者もわりといます。(それはそれで個人の自由ではあるし、ぜんぜん悪いことではないんですが)

これは人間と付き合う時全般に言えることですが、適度な距離感がとても重要です。もちろん、「適度な距離なんて取る間柄じゃない!」ってくらい接近するのも人生においては良い経験だと思いますし、別に止めませんが。「受け容れてあげなければいけない」のような義務感を持って接するのは個人的にはオススメしません。

障害者は天使、苦労しているからキレイな心を持っている、のような概念をたまに見かけますが、そのような事実は無いです。タチが悪いのもいっぱいいます。主食は他人の善意、というタイプも存在します。(僕自身がそのような存在である可能性も否定できません)まずは自分のこと、それで余裕があれば多少は寛容に接してやる、くらいの気持ちがちょうどいいと思います。

ある程度特質を掴んで、「なるほどこういう人なのね」と理解し、適切な距離を保ちながら円滑な人間関係を形成する。もし自分に少しばかりの余裕があれば、あくまで自己満足と割り切ってちょっとだけ助けてやる。そういうスタンスが良いと思いますね。

お金は返ってこない覚悟で貸しましょう。

 

文体が小林銅蟲先生に影響されすぎだろ

はい。ライムスター宇多丸さんからのお便りです。ライムスター宇多丸さんからお便りを貰うことがあるとは思わなかった。いや、これは自覚しててその通りだと思うんですけど、銅蟲先生のフレーズは使い勝手の良いものが多過ぎるんですよ。

便利過ぎるので使用量をゼロにはしないと思いますが、ちょっとサジ加減を考えていこうと思います。そういうわけで、銅蟲先生の漫画とブログは大変面白いので皆さんも読みましょう。

negineesan.hatenablog.com

www.moae.jp

 

そんなことよりカラスミの美味しい作り方まとめてくれ

カラスミおじさんからのお便りです。

カラスミの作り方は基本概念としてはシンプルで、血抜きして、塩に漬けて塩を抜き、干すという工程になります。具体的に言うと、血抜きはスプーンの背とマチ針で適宜頑張って、後は真水の漬け込み1日。塩はベタ塩で1週間。塩抜きは(僕のレシピだと)真水1日、酒2日です。酒は僕はアードベッグなどのピート香のつよいアイラモルトを適宜(日本酒くらいのアルコール度数に)水割りして使うのが好みですが、白ワインでも焼酎でも実際のところ好みの問題のようです。

 前述の下ごしらえをしたカラスミを適宜干し上げるとこのような仕上がりになります。

とてもうまいので皆さんも作ってみましょう。まぁ、ぶっちゃけて難しい工程は塩抜きだけで、ここはカンを働かせて頑張ってください。(血抜きは「とにかく破らない」をモットーにやれば水漬けとのコンボで大体大丈夫だと思う。あと、そもそもあんまり血の入ってない高いボラ子を買え)僕は来シーズンは倍くらい仕込む予定です。懐に余裕があればですが。

皆さんどんどん作りましょう。

 

 カバンに入らないものを常時持ち歩くにはどうすればいいでしょう、交戦用の槍とか

難民さんからのお便りです。

カバンの大きさはコストの問題を度外視すれば理屈の上ではかなり大きく出来ますので、巨大なカバンを持ち歩けば良いと思います。もしくは、槍が都合よく収納出来る形状のカバンを作るなどするのも良いと思います。

また、工夫の方向性としては

Google

このような方向性もあると思います。本部も武蔵戦で使ってましたね。ところで本部の話ですが、あいつ都内にあの家と道場持ってるとかどうやって税金払ってるんですかね。あの家の周辺に賃貸アパートを10棟くらい持ってて、管理は全部地場の不動産屋に任せてたまに通帳を眺めるみたいな暮らしなんでしょうか。装備にあれだけ金ブチ込めるところを見ると、あいつ相当資産家ですよね。節税対策じゃないですかあれ。

 ジャックハンマーの悲惨っぽい生活環境を鑑みると、人間は強いだけではやっていけないことがわかってきますね。あれ、そういえばジャック本部に負けたんだっけ。とても辛い話ですね。

 

お金(経費)の管理について教えてください

forkさんからのお便りです。

お金の管理が苦手なシャチョーのヨメ、本当に大変ですね。実際、零細企業では社長は基本的に営業担当、経理は奥様というケースが大変多いです。このパターンはかなり効率が良いっぽく、上手くいっているところもわりと見かけます。

細々としたお金の管理ですが、基本は「領収書を紛失しない」に尽きると思います。…クレカを紛失するのはかなり重症っぽいですね。僕の場合も妻のサポートと極めて有能な部下に助けられてギリギリ回っていたケースで、僕は今後どれだけカネが必要なのかと口座にいくら残っているか、どれだけ調達すれば良いかだけ考えていれば良かったのでこの辺はかなり難しい。

いずれちょっとした記事にしようと思いますのでそのときは読んでください。とりあえずのところ、「全部一箇所にぶっこむ」戦法が有効だと思います。小口の現金、領収書、クレジットカードなどの社長の奥様セットをまとめてブチ込む鞄を購入し、とりあえずそこに全部入れておきましょう。僕も社印や銀行印などに関してはこの手法を採用していました。まずは一箇所に全部ぶっこむ。それが出来るようになったら小分け整理する。この二段階の構えでやっていきましょう。

尚、デカい金の管理については全く別の話になるので、これもそのうちエントリ上げると思います。よろしくお願いします。僕は勢いで100万や200万くらいペロっと使うタイプの人間なので、これに関しても地雷を踏んだ経験があります。

 

どうやって就職活動乗り切ったの?

18年卒さんからのお便りです。

これは借金玉さんの数少ない成功体験なので、美味しいものは最後に食べる理論が採用され、そのうち書きます。まぁ、ざっくり言うとですね、新卒生き残り手引きの全く逆のマインドでやればわりと勝てます。あれは試行回数がかなり稼げるゲームですから。

謙虚さを限りなく捨て、可能な限りちょうしこくことです。人間は演じているうちにそれが演技なのか本心なのか区別がつかなくなる大変便利な機能を搭載しているので、フルに活用しましょう。基本理論は新卒生存手引きと全く同じです。逆方向に回転させるだけです。

昔、某海運会社の人事がこんなことを言ってました。「0を1にするのはダメだ、だが1を100にするのは問題ない」。就職活動、結構頑張ってやりましたがそれから10年がたって心に刻まれている言葉はこれだけです。

とても大事な概念です。この基本戦略を具体的な個別戦術に落とし込んでいけば勝てます。あとは回数こなすことです。どうしても上手くしゃべれない、面接やグループディスカッションになるとフリーズしてしまう、という向きにオススメの対処方は、どうでもいい企業で「面接で暴言を吐きまくる」「グループディスカッションを破滅的にぶっ壊す」などがオススメです。だまされたと思って一回やってみ、すごく心が楽になるから。

就職活動は基本的には覚えゲー要素+フリースタイル要素+学歴などの素体スペック要素の三つで決まります。覚えゲー要素は覚え、フリースタイルは数をこなし、いまさらどうにもならない素体スペックのことは忘れましょう。後は面接でフリースタイルの神が降りてくるまで試行するのみです。

 

我々の強みとは何でしょうか

発達障害者の強みという形での一般化は不可能だと思います。それぞれ発達障害の度合いも発現形態も全く違いますし。それぞれが自分に足りない能力を、あるいは優れた能力を自覚し、最適化していくしかないと思います。

発達障害者の中にも特殊能力を持った人間は結構存在しますが、それはその人の持った特殊能力に過ぎず、「発達障害だから出来ること」ではありません。結局、我々は自分と向かい合っていくしかない。その中で自分の強みと弱みを把握していくしかないと思います。結局のところ、発達障害者という言葉で括ったところで、我々一人ひとりの能力や性質は全く別物なのですから。

強いて言うなら、その事実を受け容れて自己省察トライアンドエラーを繰り返していく覚悟をもてればそれが強みになるかもしれません。ならないかもしれません。

 

経営側からすると、現場の非効率な謎の風習ってダメなんじゃないの?

疑問ができましたさんからのお便りです。

はい、大変だめです。だから経営者は常に現場のケツをぶっ叩き、なんとか効率的で生産性の高い業務を行えるように頑張ります。皆頑張ってると思います。しかし、現場というのはそう簡単に言うことを聞いてくれる存在ではありません。また、経営者の考える「効率的な業務工程」が本当に効率的とも限らないという問題もあります。

これはまた別エントリ立ててじっくり語りたいのですが、要約するとこの世は地獄だという話になります。世界から戦争がなくなることがあったとしても、現場と経営者がわかり合う日は来ないでしょう。

 

二年目以降の若手がどういうことを意識していけばいいか教えて欲しい

16卒さんからのお便りです。

ごめん、無理なんだ。だって借金玉さん1年半で組織から逃走したから…。本当に知らないんだその先は。君たちが見つけていって欲しい。そして、可能ならインターネットの海にその情報を流して欲しい。僕も拾いにいくから。

でも、なんにしても16卒さん。あなたは「2年目以降はどうすればいいか」というところまで辿り着けたんだね。おめでとう。よく生き残った。本当によく頑張った。心から敬意を表します。二年目以降を生き残る術を僕は知りません。だから、僕に出来ることはあなたは本当に大したものだと称えることだけです。

頑張って2年目も戦って、生き残ることが出来た時はインターネットで皆に知見を分け与えてください。

 

雇用サイドにこのブログの内容読まれてたらヤバイんじゃないの?

武田さん、教授に喧嘩を吹っかけたと認識される人生さんからのお手紙です。

それは大丈夫だと思います。なぜならこのブログの内容は、極めて凡庸だからです。僕の語る内容はいつでも、とても凡庸で穏当な内容です。なので、僕の提唱するハウツーを実践したとしても、そんなに目立つようなものではありません。どうしても心配であるなら、細部をちょっと変えればいいだけです。どうせその程度の仕様変更は必要になるので、あまり心配する必要はないかと思います。

明日は新卒が生き残るための具体的な方法について語る予定ですが、この辺りが気になる皆さんは自分の職場に合わせて、テクニックをマイナーチェンジすることを頭の片隅に置いておいておくといいと思います。

 

もうだめ、寝る

マイスリーがいい感じに回りだして、もうだめです。ビールも飲んだし本当にだめ。というかここで作業を続けると目がクワっとしてきて謎の盛り上がりが発生するなどの危険なあれが起きるんですよ。そういうわけで今夜は寝ます。

皆さんも寝ましょう。あったかくしてな。睡眠は本当に大事だからな。

おやすみなさい。

残念な新卒のための生存手引書(心構え編)

新卒ボーイ、元気にやってるか?

2月ですね。あと2ヶ月弱の猶予期間、2017卒の皆さん楽しくやってますか?「これが人生の最後の猶予期間だ」と思って、実際それが最後の猶予期間になる皆さんはとても幸福です。僕の周囲は永遠に続く猶予時間に捕まったまま身動きがとれなくなってます。

さて、そういうわけで新卒の皆さんが最低限職場で生き残るための手引きを書こうと思います。まぁ、書かなくてもわかると思いますが、この手引きは基本的に借金玉さんの失敗談から形成されています。地雷を思い切り踏んだ結果、見事に下半身が吹っ飛んだ経験から生まれた文章です。

言うまでもなく借金玉さんは残念な人ですので、「優秀な俺にこんな負け犬の話など必要ない、俺は俺の力で社会をサヴァイブしていく」というならそれはそれで正しいと思います。そういう方はブラウザの戻るボタンを押していただければと思います。大丈夫、君が力尽きた時おじさんはそっとそばにいる。おじさん、若者にはなるべく幸せになって欲しいと思ってるけど、優秀さに自信がある若者が社会にタコ殴りにされるのもそれはそれで楽しめるんだ。

そういうわけで、「これまでの人生大体だめだったのに新卒で就職していきなりうまくいくわけない気がする」とお考えの皆さんのために、僕はこの文章を書いています。残念なことですが、皆さんのその判断は妥当だと思います。学校生活が上手く運ばなかった皆さんがいきなり新卒で上手くいくかといえば、その可能性は正直なところあまり高くないと言わざるを得ない。

そんな時、なんとか生き残るための手引きがこの文章になります。もっと正確に言えば、職場にブチ殺されるまでの時間を可能な限り長く稼いで、その間になんとか適応を果たす、というのが目標になります。

尚、一番最初に言っておきますが、死ぬくらいなら逃げろ。

 

若者らしく、失敗を恐れるな、前のめれ

などの美しい言葉が、学業生活を終えて社会に船出する皆さんにたっぷり投与されると思います。これらは全て罠です。

とても大事なことだから改行してもう一度言います。これらは全て罠です。

正確に言えば、新卒の段階から能力で周囲をチギれるくらいつよい人に関してはその通りの可能性もあります。また、「そもそも教育環境がない」「新人には使い古しのAKを一丁与えて前線投入」「新卒は3年で8割死ぬ前提で採用する」などの素晴らしい人材育成環境を持つタイプの企業に関してもその通りの可能性もあります。(これはそのうち書きますが、こういう企業が意外に発達障害者に向いていることもあります。また、こういう企業の経営者が発達障害者ということもよくあります。ちなみに借金玉さんも現在この手の企業に在籍していますが、新卒の時に就職したホワイト企業代表格みたいな組織より遥かに楽に適応出来ました)

しかし、まぁごく普通のあるいは普通以上の人材育成環境と規模を持つ企業の場合は、とりあえず生き残る秘訣は「若者らしくなく」「失敗を恐れ」「常に一歩引く」ことです。

皆さんはこれから就職すると、おそらく外注された極めて意識の高い人材教育会社の社員などに「やっていく気持ち」をモリモリ植えつけられると思います。研修は基本的にそういう風に出来ています。「俺がこの会社を変えるんだ」「やってやるぜ」「どんどん前に出よう」などの気持ちが無限発生すると思います。最高の同期と厳しくも楽しい時間を過ごし、皆さんはこれ以上なく浮かれポンチな状態で実戦投入されることになるでしょう。胸元に忍ばせた名刺もなんとも誇らしいことでしょう。気合を入れたスーツも買っちゃったりしてね。

もちろん、定型発達した優秀な皆さんはそれでもいいと思います。しかし、我々発達障害勢はこのマインドで職場に出ると、死にます。定型発達してても、同期の皆さんと比較して能力が劣る勢も死にます。死にます。

 

部族なんです。

syakkin-dama.hatenablog.com

こないだ、↑のエントリでも書きましたが、会社や組織というのは一種の部族です。トライブです。そこにはそれぞれの文化があり、風習があります。その文化の中には素晴らしく効率的なものもあれば、実に独創的なものもあります。人類は素晴らしいですね。言うまでもなく、その逆は1000億倍くらい存在します。大抵の場合、組織を支えているのは非効率的で凡庸な手法です。

誰も意味を理解しないまま風習として定着した業務、全くの非効率でありながらも定型業務として確立している手順。そういうものが山ほどあります。外資コンサルとかそういう業種に行った皆さんについてはわかりませんが、少なくとも日本の大企業の現場はそういうもので満ちています。具体的に言えば、エクセルを電卓で検算するなどの謎の風習はあって当たり前です。

皆さんがやるべきことは、部族の中に溶け込んでその一員になることです。いいですか、この目標を絶対に取り違えてはいけない。新卒の皆さんに、業務を効率化する必要も最適化する必要も一切ありません。皆さんがやるべきことは、とにかく部族に仲間と認めてもらうことです。いいですか。話はそれからです。部族に一員と認めてもらう儀式が非合理的で理不尽で意味不明なのは当たり前だと思ってください。

「空気を読む」という概念があります。借金玉さんADHDにASD併発説もあるくらい、それが苦手です。ここを読んでいる皆さんもおそらくそうでしょう。これはそういう話です。「これもしかしてヤバくね?」と感じた時には大抵手遅れです。ですから、皆さんは最初に腹を括っておいてください。皆さんがこれから飛び込む先は、謎の部族です。皆さんの1年目のお仕事は、部族の構成員と認められることです。

 尚、これは続編の方でもじっくり書きますが、会社に一度定着した風習を正しい手順に効率化するというのは、経営者がやってもクッソ大変です。10人いないような会社でも本当に苦労します。(苦労しました)そして、これは一番重要な概念ですが、現場は「業務の効率化」なんてものを求めてはいないのです。現場の人間にとって最も重要なのは、今日と変わらない明日がやってきて変わらない(もしくは少し上昇した)給与が与えられることです。業務工程を変更するなんていう面倒な作業は絶対にやりたくないのです。ましてや、業務が効率化されたために自分が安穏とこなしている仕事が取り上げられるなんて事態になるのは最悪としか言いようがないのです。現場の人間が求めているのは、1日ちょっと頑張ったくらいの出力でちょうど終わる量の仕事なんです。

皆さんは基本的に残念な皆さんだと思いますが、妙なところで優秀さを発揮する悪い癖があるかもしれません。具体的に言うと、「この1時間かけてる工程、アレをアレしてアレすれば15分に短縮できね?」とか「このエビデンス保存する作業完全に無駄じゃね?わざわざ表紙つけてパンチ穴あけて紐で括ってるけどアホじゃね?」とかそういうことを言いたくなると思います。

絶対にやめろ。

新卒の時というのは脳がまだ組織に染まっていないので、業務の粗が大変よく見えます。(尚、業務の粗が良く見える能力と、業務遂行能力の間には何の関係もありません)色々不満があるのもわかります。また、我々発達障害者は「これくだらなくね?」と脳が認識した瞬間、インプットが一切不可能になるという最悪の性向を持っています。興味のないものが一切脳に入っていかないアレです。

この状態に突入するリスクを可能な限り減らすために、職場に飛び込む前にこう心に誓ってください。「文化とは相対的なものであり、絶対的な尺度はない。そして自分は異部族の一員になって賃金を貰うのだ」と。(合理性とか効率性とか収益性とかそういう教義は捨ててください。そういうのは経営者になればゲロを吐くまで考えられるので、新卒の時にまで考えなくてもいいです)

いいですか、皆さんはアフリカの部族が謎の風習を持っているのをテレビで見かけても、「世界には様々な文化があるなぁ、すごいなぁ」と考えることが出来ると思います。「蛮族だなぁ」と思ったとしても口には出さないと思います。同じことです。牛糞で壁を塗れと言われたら喜んで塗ってください。AKBを踊れと言われたらノリノリで踊ってください。間違っても宣教師のような振る舞いはしないでください。首にタイヤハメられて着火されたくはねえだろ?

肝に銘じてください。組織で脈々と受け継がれる謎の風習は、宗教営為の一種です。他人の祈りの作法にケチをつけてしまったら、それも立場の弱い人間がそんなことをしてしまったら、ブチ殺される以外の結果はあり得ません。言うなれば、文化人類学者がフィールドワークをするような気持ちを持つべきだということです。そして、文化人類学者が部族に溶け込んで学ぶ必死さを出してください。(本心から部族に適応してしまうのも素晴らしいことです。可能ならそうしてください。皆さんはたぶん無理だと思いますが)

あいつは色々足りないけど、頑張ってる。

皆さんが1年目で獲得すべき評価はこれです。これが取れたら合格点だと思って貰って構いません。大丈夫です。1年目の終わりには、5~10%くらいの同期が「カス」という焼印を額にジュッとやられてますので、この評価を取ってればアウトにはなりません。多分、一人くらいは大ポカやらかして「ペケがつく」などの概念も発生していると思います。皆さんが新卒時にやるべきことは、この位階まで落下することをなんとしても避けることです。上位90%にくらいつくことです。欲を言えば、上位50%に入れるといいですね。上位20%狙いはやめましょう。無茶な目標を掲げて無理に走ると確実にコケます

「好感を持たれていようがいまいが結果が出なきゃ切られるだろ」とお考えの皆さん。その通りです。しかし、「努力してる様子がはっきり観測出来る好感の持てる新卒」と「努力している様子がまるで見られないクソムカつく新卒」のどっちが先にブチ殺されるかといえば、当然後者になります。この戦略の基本は時間稼ぎです。とにかく時間を稼げば多少は発達するでしょうし、仕事も習得出来る可能性が上がります。

「仕事の習得」というのはテキストと睨み合って脳に情報をインプットする作業とは全く別物です。というのも、現場の日常業務というのは「誰かに教えてもらう」もしくは「見て盗む」などの習得方法が必須になるからです。この場合、業務習得の最高の潤滑油は「好意」です。業務を教える立場の人間に好意さえ持たれていれば、ハードルは一気に低くなります。もちろん逆も然りです。わかりますね?悪意を持たれた時点でアウトなんです。

組織において「新卒が育たなかった」ということでペナルティを受ける人間はもちろんいます。あなたの上司の役席級などです。しかし、「新卒なんて別に育たなくていいし、なんなら潰れて欲しい。別に私の給料には何の関係もないし」と考えている人間もいます。おう、具体的に言うと一般職な。いいか、あれ本当に怖いからな。絶対に舐めてかかるなよ。実家帰った後はお土産忘れんなよ。センスのいいやつな。あいつら群れると役席級でも群れで狩り殺すからな。

おおまかな戦略性は見えて来ましたね?では、戦術に入っていきましょう。

 

敬意を全身で表現しろ、本気で演じれば本心になる

大抵の皆さんは、企業に入った場合まずは現場に放り込まれると思います。そして、大抵の皆さんは「俺は将来的には経営層に行きたい」と考えていると思います。その考えをまず綺麗さっぱり捨ててください。少なくとも捨てたことにしてください。

 現場で生き残れなかった人間が経営層に上がれるわけがないんです。その考えは現場をナメることに直結します。ここまで現場を散々悪し様に罵ってきましたが、現場なくして企業が回らないこともまた事実です。そして、多くの場合経営陣の考え方と現場の考え方は完全に乖離しています。つまり、皆さんが採用面接から入社おめでとう期間に遭遇した役員から部長クラスの人間から賜った金言は、一切役に立たないということです。これは大企業に限らず、小さな会社でも大体そうです。宿命です。この世は地獄です。

 現場の全ての人間に徹底的に敬意を払ってください。いいですか、皆さんが仮に大卒総合職で入社していたりなどすると、どうしても「ナメる」感情が発生しかねない属性の人類が社内には存在すると思います。絶対にナメないでください。どうしても人間をナメたいなら、経営陣の方をナメてください。皆さんは現場の人間たちから仕事を盗み取って、当たり前にこなして次のステップに行かなければならないのです。「現場のことをクソもわかってねえくせにふんぞり返ってんじゃねえよ」という感情を経営陣に対して持つくらいの勢いで構いません。本心ではなくとも、そのように演じてください。大丈夫です。新卒が経営陣と話す機会なんて入社おめでとう期間を過ぎれば滅多にないですから。「経営陣まで出世することに憧れる無能」を想像してください。絶対そうなりたくはないだろ?現場大好き、ずっとここにいたい。現場最高。実務大好き。そういうアピールをしてください。

職場の人間と接する時はとにかく下手に出てください。少なくとも、部署の人間相関図が見通せるまでは絶対に本心を出さず、「皆さんを尊敬しています」に徹してください。隙があれば、周囲の人間に対する敬意を言葉にするように心がけてください。キレのある反論、一撃で人間をやり込める発言などはツイッターでやってください。皆さんが異常にそういうことが得意なのはよくわかります。僕もそうです。とにかくやめましょう。絶対にやめましょう。

ただし、新入りがくるとものすごい勢いで接近してきて異常な親切さ(と迂遠さ)で仕事を教えたがる人間には注意が必要です。最初はしっかりと敬意を表明しつつ職場の人間相関図を良く観察してください。かなりの確率で「仕事を干されていてやることのない人」です。こういう人は「そもそも大して仕事をしていない」というアビリティを持っているので、業務習得のロールモデルには一切なりません。ベンチャー企業や強烈な競争に身を投じている営業系の皆さんなどには想像がつきにくいかもしれませんが、大企業にはこういう人が必ず存在します。

話がそれました。これはとても重要な話ですが、業務を指導する人間にとって教えた人間が結果を出すかなんてことには大した意味は通常ありません。重要なのは、教えた人間が教えた通りの手順で仕事をこなしているかです。仕事を任された空気が出てくるまでは、絶対に業務をアレンジしたり効率化したりしようとしないでください。死にます。いいですか、とにかく「言われた通りやる」をまずは実行してください。

人間は敬意ある態度を演じていると、次第に本心と演技が入り混じって区別がつかなくなる便利な機能を搭載しています。フルに活用してください。大丈夫です。皆さんの本質である反骨心は必要な時になればいつでも呼び戻せます。人間を背中からぶっ刺すことは出来なくなりません。ちゃんと必要な時には出来ます。とにかく、最初は演じてください。次第に楽になります。

人間を褒めるスキル、人間を称えるスキルは最高のコスパを持っています。本当に優秀な人間を褒めるのなんてのは簡単ですし、そんなことは誰でも出来ますので、皆さんは犬でも猿でも電信柱でも褒め上げるスキルを習得してください

 

心構えは出来たか?じゃあ声に出そう。

人間、心構えだけしても中々声には出しにくいものです。そういうわけで、入社する前にこれらの言葉がツルっと口から滑り出すように訓練しておくのは大変良いことです。

リピートアフターミー!

「承知しました!」

「勉強させていただいてます!」

「流石ですね!」

「お疲れ様でございます!」

「ありがとうございます!」

スルっと口に出せましたか?意外と難しいんですよこれ。実際やろうと思うとタイミングを外したりもわりとします。とにかく、じっくり話しこんで賞賛するのはわりと難しいスキルなので、まずは大きな声でハッキリとこれらの言葉を口に出すことから始めてください。大丈夫です、人間は最初は警戒してもある程度心を許すとおだてに乗っかりたい気持ちが勝ちます。人間は皆褒められるのが大好きです。まずは警戒心を解いてください。心のATフィールドが解ければ、クソみたいなおべっかもスルスルと人間の心に入っていきます。人間の警戒心を解くには、日々の地道な積み上げが重要です。「あいつはデカい声で立ち上がって挨拶するなぁ」くらいの印象を積み上げれば、わりと人間はオチます。落としましょう。

 

以上、心構え編でした

読了ありがとうございました。まずは気持ちをガッチリと作り上げるための心構え編となりましたが、次回は実際の業務状況に即したTIPS編のエントリを上げようと思います。次も読んでいただければ大変幸いです。

次はクソ理不尽なガン詰めに遭遇した場合の対処方とか、飲み会の凌ぎ方とか、メモの取り方、クソ野郎から仕事を教えて貰う方法などを書きたいと思います。

よろしくお願いします。

 

あと、最後に本当に念を押しておきますが、命より大事な仕事はありません。「死のうかな」みたいな発想が出てきたらその時点で逃げてください。いいですか、逃げるという選択肢は常にあります。むしろそれは勤め人の特権です。活用せずに死ぬのは本当にやめましょう。

 

 

自分が働く理由についてわりと一生懸命考えた。

発達障害者なら生活保護とっておとなしくしてたら?という話

が、コメント欄に投下され、「うーん」と思ったのでちょっと考えてみることにしました。たしかに、ある意味ではそうですし、それもまた有力な選択肢ではあるわけですよ。少なくとも、働けないし財産も無い状況に陥ったならさっさとケツまくって生活保護等の福祉を頼るべきだと思います。生きてナンボですから。合理的に考えたらそうなります。また、現在生活保護を受給して生活している人についても「とにかく生きて欲しい」以外の気持ちはあんまりありません。気合入れて就労しろとか言う気もないですし、働くための努力を重ねろとか説教する気もないです。そんな権利もない。

少なくとも「金がない」という理由で死ぬのは嫌だな、と思います。そして、そういう理由で人に死んで欲しくはないな、とも思います。僕は会社を起こして色々事業をやってきたので、わりと追い込まれた人間を見てきましたし、自分自身もわりとガリガリ追い込まれたりしてきたわけですが、大体こういうジャンルでメシを食ってきた人間は「追い込まれた時どうすればとりあえず凌げるか」について知識があります。それでもどんどん死にます。生活保護と自殺について考えたことのない経営者なんているのかな?と思います。(存在するという情報はいりません、特に知りたくはないです)

お金がどんどんなくなる話

ところで、僕は現在借金が(ほとんど)ありません。借金玉なのに借金ないのかよ、という話になりますが、はい。事業を整理して色々やって、なんとか逃げ切りました。すっかり事業は小さくなり、最後に残った小さな事業も風前の灯ではありますが、カラッケツになったけど生きては帰ってきたということになります。(破産もせずに済みました)最盛期は1000万を軽々越える借金がありました。ツイッターを始めて借金玉を名乗り始めた頃ですね。出資も何千万か得ていたので、最盛期は割りとバブリーな金を振り回していたことになります。本当にゴリゴリやった20代でしたね…。とても疲れました。得たものと失ったもののことは今はとても考えられません。この先また20年くらい戦って、それから考えようと思います。

そういうわけで、「いよいよ生活保護かな」と「いっそ清清しく死ぬか」はこのしばらくずっと頭の中にありました。自分が働けば働くほど、自分を信じて金を託してくれた人間が損をするだけじゃないか、自分は社会に対して何のプラスも与えていないんじゃないか、自分は生活保護を貰ってじっとしている方がよっぽどマシなんじゃないか、とも思いました。実際、これは事実の可能性があります。人間、頑張ったからって結果出るとは限りませんからね。少なくとも、起業家なんて人種の大半はこうやって終わっていくわけですし。

「金がない」という理由だけでは、たぶん人間はなかなか死にません。でも、実際金がなくなると、信用とか社会的地位とか自己肯定感とか未来への希望とか友人とかそういうものがどんどん消えていきます。そして「責任を取る」「ケジメをつける」などの謎の概念と自己陶酔が湧き上がってきます。(ぶっちゃけて、あなたや僕が死んだところでそれがなんらかの責任を取ることになるか?といえば微妙なところですが)そういうわけで、つまるところ金がないと人間は死にます。合理的な選択肢、たとえば生活保護についての十分な知識をもっていても、わりと死にます。そういう理由で死んで欲しくないし死にたくもないな、自分はいざとなったらちゃんとケツをまくるぞ、と腹を括っていた筈の僕もかなり死にそうでした。

人生にしがみつく話

人生にしがみつくのは辛いです。生きている、ということはそれ自体が苦しみです。そこから手を離すことは、大変魅力的な選択肢です。キラキラしながら迫って来ます。だから、どのような手段を講じてであれ、人生にしがみついている人を僕は肯定したいです。生活保護を受給していて何が悪い?何も悪くはありません。生きていること自体が肯定されるべきです。少なくとも僕はそのように考えています。

とはいえ、死んだ人間のこともあんまり悪く言いたくありませんね。いっぱい死にましたしね、僕の視界の範囲でも。ただ、死ぬという選択肢を実行していった人間はもう遠くにいっちゃいましたし、完全に死んでいて生き返ってこないので生きている人間よりは優先度が低いというだけで。本当は死ぬのだって多大な勇気が必要で、僕にはその決断をするだけの強さがなかっただけかもしれないし。

でも、やっぱりね、人生にしがみつくことがより強固な意志を必要とする選択肢であり、正しい答えだと信じていたいわけですよ。とりあえず生きているわけですし。そういうことにしようじゃないですか。あいつらはもう死んだから文句言わないですし。うるさい。文句あるなら生き返ってこい。(コメント欄には沸くな)

じゃあなんで働くの?

生活保護を受給していても人生を肯定するべきだと考えているのになんで働くの?生活保護受給して、とりあえずメシ食って安穏と暮らせば絶対ハッピーじゃない?」というのはある意味正しくて、反論を考えるのに結構苦労しています。少なくとも、そういう生き方を否定する気は全くないんですよ。そりゃ国家財政とか色々考えると問題は発生するんですが、別に僕の知ったこっちゃねえし。

じゃあ、どうして働くか?ということをずーーーーーーっと考えてたんですが、結論として出てきたのは「僕はお金が大好きだから」という気持ちでした。僕ね、お金が本当に好きなんですよ。すごいじゃないですか。なんにでも変わる。大体なんとでも交換できるし、クソヤバイ状況下にいる人間でも適切な処置と1万円札1000枚くらいあればとりあえず救えたりするわけですよ。(場合によっては救えないこともある)すごくね?絶対超いっぱい欲しい。めっちゃいっぱい手に入れて、アホみたいにバラ撒きたい。

それ以外の理由としては、「なんとしても復活を遂げて僕を信じて狂った額の投資をぶっこんでくれた出資者の皆様に恩返しをしたい、少なくとも投資元本くらいは返したい」「金に付随するであろう社会的地位をガッツリ手に入れて社会にウルトラチヤホヤされたい」などの概念も出力されて来ましたが、多分一番デカい理由としてはやっぱり僕はお金が大好きなんだと思います。だから、まだやりたい。もう一発勝負したい。そういう気持ちがまだ残ってるんでしょうね。あと、一番クソどうでもいい理由としては「働くこと自体が割りと楽しい」というのもゼロではない…がゼロに近いですね。仕事にやりがいなんてあるわけないです。起業した当初はそういうのもあるといいなーと思ってましたが、そんなもんほとんど無かったですね。成果や報酬の伴わない仕事にもやりがいはあるという信仰は結構たくさんの人が持っていて、「自分の事業構えたらモチベーションなんて無限沸きするだろ」と思って起業する人はわりといますが、まぁ頑張ってください。そうなるといいですね。

やっていく気持ち

そういうわけで、「なんで働くの?」という質問に大してじっくり考えていたら、やっていく気持ちが出力されてくるという大変ポジティブな結果になりました。でも、これは僕がまだ比較的恵まれた環境にいるということしか意味しないような気がします。僕より明らかにやっていく気持ちを出力するのが難しい環境で生きてる人はいっぱいいるでしょうし、そういう状況下で無理にやっていく気持ちを出す必要はないです。生存が第一だと思います。

やっていく気持ちが一切沸かず、希死念慮だけが無限に生産される状況についてですが、あれは雪山で遭難した感じに似てます。下手に動き回って体力を消耗してもそれはそれで死にます。今自分は最善の選択肢として雪洞に篭もって寝ているんだ、というイメージがオススメです。水筒に暖かくて甘い紅茶などを入れておくとより気分が盛り上がります。(詳しくは「神々の山嶺」を読みましょう)

まぁ、そういうわけでブログを書きました。やっていく気持ちが生まれた証がこの文章となります。まぁ、とりあえず生きよう。可能ならやっていこう。そういうことですね。