戦後に温泉地を中心に全国各地でオープンした性をテーマにしたアミューズメントパーク「秘宝館」が近年、相次いで閉館に追い込まれている。最盛期の昭和40〜50年代には主要な施設だけでも全国に20館以上あったが、団体旅行客の減少などにより現在は片手で数えるほどに。一方で好奇心旺盛な女性客を取り込むなどして生き残りを図る施設もある。テレビ番組「探偵ナイトスクープ」でも取り上げられ、秘宝館としてはおそらく関西唯一とみられる淡路島の「ナゾのパラダイス」(兵庫県洲本市由良町由良)を訪ねた。
淡路島南部の山道を車で行くと「3倍おもしろい」「ハーハーわらうところ」「ナゾのパラダイス」という看板が現れる。案内に従い「入り口」を通って急な坂道を下ると、「UFO神社」の鳥居、「チンチン音頭発祥の地」と書かれた塔、「健康長寿観音」など謎めいたオブジェの数々が。周囲には一面のスイセンの美しい花……。カオスというしかない。
丘陵の奥に建物があり、壁には「立川平家村 民俗資料館」の文字。「おしべとめしべのことを まなぶところ」と意味深長な看板が掲げられた入り口をくぐると、壁に描かれた裸の男女絵や、四方八方に置かれた巨大な男根を模した彫刻などが次々と目に飛び込んできた。「陰毛でわかる性感度占い」「金玉七不思議」「いくとき あの声ベスト順位」と書かれた“展示物”も。
中でも目を引くのが、壁にびっしりと貼られた性の大切さや男女関係の豆知識などを書いた奇妙なメッセージの数々だ。
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