NHK山形放送局酒田支局記者、弦本(つるもと)康孝容疑者(28)が強姦(ごうかん)致傷などの容疑で逮捕された事件で、山形県内で1年前にあった別の女性に対するわいせつ事件の現場の遺留物が弦本容疑者のものと一致したことが、山形県警への取材でわかった。逮捕容疑の事件現場と近く、侵入方法も似ていることから、県警は連続事件とみて調べている。
捜査関係者によると、この事件は、弦本容疑者の逮捕容疑と同じ時期の昨年2月に発生。現場も同じ県中央部で、20代の女性宅に何者かが侵入し、体を触られるなどしたといい、山形県警は被害届を受理し、捜査している。また、山形の前任地の山梨県内であったわいせつ事件現場の遺留物のDNA型が弦本容疑者のものと一致したことも判明しており、山梨県警が調べている。
一方、NHKは9日、弦本容疑者を16日付で懲戒免職処分にすると発表。処分理由について「報道に携わる職員が悪質な事件で逮捕され、公共放送への信頼を著しく損ねた責任は極めて重く、厳しく対応すべきだと判断した」と説明した。
NHKは代理人弁護士を通じて弦本容疑者に処分を伝えたという。起訴前のこの日に処分を決めたことについて、広報局は「重大な犯罪であることを考慮した」とした。【藤井達也、松尾知典】