「保護なめんな」ジャンパーだけではなかった

小田原市職員、8種類のグッズを製作

「SHAT」などとプリントされたポロシャツやマウスパッドなど

神奈川県小田原市の生活保護担当職員が「保護なめんな」とプリントされたジャンパーを着て業務に当たっていた問題で、同市は9日、職員らが同様の文言が入ったマグカップやマウスパッドなど計8種類のグッズを作っていたと明らかにした。

市は有識者らによる検討会を設置し、再発防止策をまとめる。

市によると、ほかに作ったのはボールペン、携帯ストラップ、フリース、Tシャツ、ボタンダウンシャツ、ポロシャツで、職員への聞き取り調査で判明した。いずれも「生活保護 悪を撲滅するチーム」を略した「SHAT」などの文字がプリントされていた。

ジャンパーが作られた翌年の2008年以降に職員らが自費で作製し、職場で使っていたほか、一部は異動者への記念品として贈られていた。市の担当者は「悪のりと言われても仕方がない」と釈明した。

市が設置する検討会は、大学教授や弁護士、生活保護の元受給者らで構成。今月下旬に初会合を開く予定で、作製の経緯などを検証し、再発防止策をまとめるという。

市によると、先月17日に問題が発覚して以来、今月8日までに寄せられた電話やメールなどは2143件に上り、批判的な意見が過半数を占めている。

同市で生活保護を受ける男性は、引っ越しなどの相談をした際にジャンパー姿の職員から「何言ってんの?」と言われた言葉が忘れられない。男性はジャンパーについて「保護制度や受給者への職員の意識を象徴するものだったのではないか」と話した。

ケースワーカーの経験がある関西国際大の道中隆教授(社会保障論)は「不正受給が発覚すれば糾弾される職員も嫌気が差しており、悪循環に陥っている」と指摘している。

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