ワシントン(CNN) イスラム圏の7カ国から米国への入国を一時禁止した大統領令の差し止めを巡って裁判官や司法制度を攻撃したトランプ大統領のツイッターについて、連邦最高裁判事に指名されているニール・ゴーサッチ氏は8日、「士気をくじく」「残念」との見解を示した。同氏と会談した民主党のリチャード・ブルーメンソール上院議員が明らかにした。
ゴーサッチ氏は1月31日にトランプ大統領から連邦最高裁判事に指名されて以後、ほとんど沈黙を保っていた。
しかしブルーメンソール議員によると、ゴーサッチ氏は同議員との会談の中で、大統領令の差し止めを命じたワシントン州連邦地裁の判事をトランプ大統領が「判事とやら(so-called judge)」と呼んだことについて、「士気をくじくもので残念だ」と明言したという。
ブルーメンソール議員はゴーサッチ氏に対し、「米国民に対して自身の見解を明らかにして、トランプ大統領の司法に対する攻撃がいかに容認できないものかを理解してもらう義務が(ゴーサッチ氏には)ある」と訴えたと話している。
ゴーサッチ氏の人事案承認に関する広報担当のロン・ボンジーン氏も、トランプ大統領の「判事とやら」発言についてゴーサッチ氏がブルーメンソール議員との会話の中で、「士気をくじく」「残念」と述べたことを確認した。
上院司法委員会で開かれる人事案承認の公聴会では、トランプ大統領の発言に関するゴーサッチ氏の見解を問う質問が民主党から出るのは必至の情勢。リベラル側からは、ゴーサッチ氏の経歴や、大統領から独立した立場を保てるのかどうかについて疑問視する声も出ていた。
関係者によると、ゴーサッチ氏は7日、チャック・シューマー民主党上院院内総務との会談でも、裁判官に対する個人攻撃は裁判官全体に対する攻撃だと述べ、裁判官が人々に攻撃されることは極めて残念だと語ったとされる。さらに、裁判官は批判されることに慣れており、誰に対しても服従しないと強調したという。
ゴーサッチ氏は連邦最高裁判事に指名されて以来、共和、民主両党の上院議員と会談してきた。8日はブルーメンソール議員のほかにも複数の民主党上院議員と会談した。
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