やんちゃな博物学者がやっちまった。

やたらリアルなマネキンがあると思ったら、中の骨が本物だったーー。ちょっぴりホラーなニュースがナショナルジオグラフィックから届きました。

先日、米ペンシルバニア州にあるカーネギー自然博物館に展示されている「ヒトコブラクダを襲うライオン」というジオラマの修復作業が行われたのですが、CTスキャンすると、ヒトコブラクダにまたがった男性の頭部になにやら違和感が…。なんと、歯も全てそろった本物の頭蓋骨が入っていたのだそうです。


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うひゃ〜!


このジオラマは約150年前にフランス人の博物学者であるエドワール・ヴェローという人物が製作した作品で、彼は1830年にアフリカ部族民を剥製にしたこともある悪名名高い博物界の問題児。ヴェローは兄と一緒にメイソン・ヴェローというグループ名で活動していましたが、報酬金額をつりあげるために作品の出どころ等を偽って報告することもあったんだとか。(なんて小賢しいやつら…)

記録が残っていないので、人骨を使ったのが金銭的な理由か、クオリティのためなのか、『タクシデルミア〜ある剥製師の遺言〜』的な展開があったのかはわかりません。しかし、リアルな骨のおかげなのか、この臨場感のあるジオラマはいくつかの博物館を渡り歩いて多くの人々の目を楽しませた後、1898年にカーネギー自然博物館に落ちつきました。


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このライオンはどうなんだろう


ちなみに、このジオラマは修復され、1月28日から展示が再開されています。博物館では今後の方針について話し合いがもたれているようですが、取り出して元の場所に埋葬するのは記録がたりないために難しいだろうとのこと。

ただ、科学・研究学芸員補のエリン・ピーターズさんがトリビューン・レビューに語ったことによると「フランスの保管記録には、問題のジオラマの来歴に関する情報がいくつかあるので、そこを中心に深く調べていく予定」だそう。今後、実はxxさんのおじいちゃん(おばあちゃん)だった、なんて展開になる可能性もなきにしもあらず。

それにしても、ヴェロー兄弟、150年後の技術で悪事(?)がバレるなんて想像していなかったでしょうね。彼らの作品を調べたら、まだまだこういうことが出てきそうです。


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image: National Geographic
source: National Geographic, TRIB
参考: カーネギー自然博物館

(中川真知子)