こんばんは、ライターひとりです。今回は、ライティングの仕事をしていく中で実際に遭遇したヤラセゴミ案件の事例を紹介していきたいと思います。
秘密保持契約があるためサイト名は明らかにできませんが、某介護福祉系の大手メディアです。未だにユーザーを舐め腐った体験談風記事を雑魚ライターに量産させて検索上位をキープするゴミ媒体。ああ気持ち悪っ。
そのクライアントと知り合ったキッカケ、契約当初の仕事からヤラセ記事依頼に至り問答無用でボクの方から契約ぶった切ってきた経緯をまとめたいと思います。
出会いは@SOHO。
今から約1年半ほど前の話です。一応、福祉の国家資格である社会福祉士と、誰でも簡単に2日でとれる心理カウンセラー資格を持っているボクの強みを活かそうと、介護福祉系のライティング案件を探していました。
媒体は@SOHO。ライティングを始めた当初から今もお世話になっている案件交流サイトです。
募集案件をつらつら〜っと見ていると、
介護福祉系の専門家大募集!大手メディアで専属ライターとして働きませんか?
という踊り文句の案件を見つけました。コレはボクの希望ともマッチしているとすぐに応募。ゴリゴリ押し気味な提案文出して、すぐに契約が決まりました。
当初その媒体お抱えのライターで介護福祉系の有資格者が少なかったため、ボクが持つ社会福祉士の資格が魅力的に映ったようです。
介護福祉の専門情報を定期的に更新。
契約当初、文字単価も12円と弾み、さらに得意分野であったこともあって珍しくいい案件に巡り会えたとホクホクしておりました。担当の方ともウマがあってましたし、ここだけで毎月15万くらいもらってました。
メディアの中に資格者コラムの特集を設けてもらい、高齢者新聞の解説や先進的な取り組みをされてる事業所に電話取材してのインタビュー記事なども担当させていただきました。
「このサイトとは長いおつきあいになりそうだなぁ」
と、契約して半年ほどまでは本気でそう思っていました。
記事にも自然と熱が入り、知人の介護福祉医療系の職場で働いている知人に話を聞きに行ったり、熱意のあるドクターを紹介してもらったりとなかなか充実した案件生活を送っていました。
契約して3ヶ月ほど経つと、サイトの規模も大きくなりサイトの全面リニューアルの話が持ち上がってきました。「リニューアル後も是非引き続き執筆をお願いしたい」と、もちろんこちらとしてもありがたい案件でしたので、二つ返事で受注。良い関係が続きます。
担当者の変更→メディアに立ち込める暗雲。
契約して半年後くらいだった頃です。契約当初からとてもよくしてもらった担当者の方が退職することになり、新たな担当者の方がつくことになりました。
もともとSEO関連上がりの方で、話した感じ仕事できそうな雰囲気。これからも同じような案件こなしていくんだろうなぁと思っていた矢先です。
「PVは順調に上がっているんですが、サイトCVが決定的に低い。これは致命的なので、今後テコ入れしていきたい」との話が。
ボクが書いていた記事はどちらかというとハウツーものが多く、直接的にサイトCVをあげる属性のものではありませんでした。
※ちなみにそのメディアのCVはサイト経由での施設訪問や施設利用契約でした
「ライターひとりさんにも是非協力して欲しいです!戦略まとめたらシェアするのでまた打ち合わせしましょう!」
なんてちょっと温度高めの感じが気持ち悪いなぁと思いながら軽く流していました。
担当者が変わって1ヶ月後。スカイプでチャットが届きます。
「ライターひとりさん、今回20人ほど新規でライターさんを採用しまして、一つのビックプロジェクトを動かしていこうと思っています!何日何時にスカイプでグループ通話致しますのでご参加お願いします!」
とのこと。こういう時のビックプロジェクトって大したことないのであまり期待せずにスカイプのグループ通話に臨みました。
ライター5人+担当者のゴミスカイプ会議。
約束の期日になり、プロジェクトの内容ほとんど伝えられていないまま、スカイプでの会議となります。ボクの他にライターさんが4名、あとは担当者の方。
みんながスカイプの準備が整いいざグループ通話。こういう時ってちょっと緊張しますよね。ボクの他のライターさんは全員女性。20代〜50代まで様々でした。ひとり、30代の人妻ライターさんの声が色っぽくて興奮したのを覚えています。
さて、スカイプ会議に先んじて、ということで、担当者より資料が届きます。鍵付きのパワポデータでした。
タイトルは確か
「ユーザーの信頼度を高めるためのコンテンツ量産〜」
みたいな感じだったと思います。そんなに怪しさは感じませんでした。
いくつかページをめくっていきます。運用しているメディアのアクセス数やユーザー層などが事細かに掲載されており読み応えのある内容。しかし、肝心のプロジェクトの核の部分が腐ってました。
要するに、行ってもいない介護施設や病院のレビューを1200文字程度でまとめる案件の依頼です。ご丁寧に偽名(フルネーム)、偽年齢、偽家族構成なども設定されています。施設へ訪問した日の日時も分単位で指定が。
こういう茶番案件はよく耳にしますが、実際に渦中に巻き込まれたのは初めて。イライラしながらも、どんなもんかなと甘んじて話を聞くことにしました。
クライアントの言い分はこうです。
「特に介護施設や病院の場合、レビューや体験談からの問い合わせが一番多いようです。弊社のサイトは、施設紹介やコラムなどのコンテンツは充実しているものの、実際のお客様からの声が圧倒的に少ない現状です。全国で何万とある施設ですが、エリアとジャンルをライターさんで割り振りして、是非全施設最低3レビューずつ以上ある状態を作って欲しいんです!」
ハイキター。ヤラセもここまで堂々としてると逆に気持ちいいものですね。ボク以外のライターさんは疑心暗鬼そうではあったものの、案件受ける気満々でした。こういう案件受けるクソライターの心理がよくわからんです。単価もそこまで良くないし、そもそもヤラセだし。
グループ会議中は良い子ちゃんにして、会議が終わってすぐ担当者に個別で連絡入れました。文面は本当にこんな感じです。
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◯◯様
いつもお世話になっております、ライターのライターひとりです。先ほどはスカイプでの打ち合わせありがとうございました。
今回の案件に関してですが、私の心情としまして偽装の体験談・ヤラセ投稿は致しかねます。このような媒体に寄稿するつもりは今後一切ございませんので全ての契約を解除させていただきたく存じます。
今月すでに納品しています記事分の報酬も必要ございません。今まで大変お世話になりました、ありがとうございました。
ライターひとり
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すぐに担当者から電話がかかってきました。
「体験談風記事は書かなくて良いので今まで通りコラムだけでもお願いできませんか?」
答えはもちろんNO。こんなクソ媒体で仕事するつもりなんて毛頭ありませんからね。
書き手としての責任を。
ランサーズなりクラウドワークスなりその他の媒体なりでもこういう「体験談『風』」記事執筆の案件は無数に存在します。今のネットも、所詮はこんなもんです。前よりはずいぶん良くなったとは言え、情弱な人は先のメディアのような脆い戦略に飲まれ、偽の情報に流されて何かしら人生において重大な決断をすることすらあります。
悪いのは騙されるユーザーでしょうか?それともこういう案件を垂れ流すクライアント?いや、そうと知って記事を書くライター?
答えは人それぞれでしょうが、ボクは、プロを名乗るとするならこういう偽装とわかりつつも案件を受けるライターに一番問題があると考えます。
クライアントが満足して報酬をもらえたらそれで終わり。クラウドソーシング(の中の一部低劣案件)とやらのせいで、こういう甘ちゃんなニセモノライターが増えてきている現状を憂います。
嘘は書かない、偽装に加担しないという、最低限の書き手としてのモラルを持って欲しいものです。
おしまい。