昨日タイムラインで話題になったのは、「アニメの円盤を買うかどうか」ということである。
流行る流行らない以前の問題で、ファンを自称してても円盤は買わないとか普通にあるからね… pic.twitter.com/UHiWT1ZJ9i
— パルボナ (@parubona) 2017年2月8日
このツイートに対して「円盤を買わないとファンじゃないのか!?」とか「円盤以外にもグッズとかCDとかあるだろ!」とか、いろんな声が飛んでいた。
いろいろコメント見ていて僕もめまいがした。「円盤は高い」とか、「無料で見たものをなんで金を払うのか」とか、そういった類の声。
「好きだったアニメのBlu-rayを買う」ことの一体なにがおかしいのか。Blu-rayの映像は綺麗で、作画も修正されていることがあるし、キャストインタビューなどの見逃せない情報が載ったブックレットがついてくることもある。
なにより、好きになったアニメが、Blu-rayという形で手元に残る。それって素敵なことでしょう。
その価値を知らないのか、無視しているのかわからないが、「好きなアニメを手元に残す」というごく単純な想いは忘れてはいけないものだ。ニコニコやdアニメストアで見放題な時代だからこそ、それはむしろ忘れてはいけない。
もっとも、アニメというコンテンツへの金の落とし方は複数ある。主題歌CDを買ったり、原作小説を買ったり、キーホルダーやタペストリーといった関連グッズを買ったり。
たぶん、作品へ一番ダイレクトに寄与するのは円盤かもしれないが、そうした周辺グッズへの投資自体は、僕は否定するつもりはない。(ただ、関連グッズをバンバカ買うような人って、そもそも円盤買ってからグッズに手を付けてない……?とは思う)
お金がない。これも深刻な問題だろう。学生は自由に使える金が限られているし、今日を生きるので精一杯な極貧の人に「円盤を買え」と脅すつもりは毛頭ない。そんな人は、「いつか買う」くらいのスタンスでいればいいのだ。特に学生さんは、バイトでお金ができてから、あるいは将来就職して給料を得てから、大好きだったアニメの映像を手中に収めるという手もある。時間をかけてグッズを揃えるというのは、決して否定されるものじゃないだろう。
僕がやるせない気持ちになったのは、「金があるのに、理屈をつけてコンテンツに金を落とさない」連中の存在だ。
dアニメに入っているから? 録画してるから? 話数が少ないから? それでも買うんだよ。本当に好きなアニメだったら、配信してようが録画してようが、ディスクという媒体で欲しくなるものなんだよ。
信者しか買わないだろ? 自分が好きな趣味を全部「宗教」だと言うのだろうか? 「なにかが好きな人」に対して最大限の侮辱に等しいと思うのだが、そういう「趣味」しか知らないのだろうか。
特に絶句したのはこれ。
@parubona
— くりむ@GITADORA勢 (@Reekun8) 2017年2月9日
円盤の値段の半分以上が原作者とか製作者にいくならわかるけどさ。
間で抜くだけ抜いてしかも原作者には冗談みたいな割合しか支払われないのに高いとかさw
逆に誰が買ってるんだよって話。
ファンならそんな原作者と消費者を舐めたビジネスモデル自体否定したいでしょ。
そんなことして売上が壊滅したら作品自体が死ぬでしょう。不買はファンじゃなくてアンチの行いでしょう。どれだけ「業界の知識」を知ってるか知らないけど、ヘタなレジスタンスはフレンドリーファイアにしかならない。
結局、こういった手合は「タダ飯根性の強い乞食」なのだ。
タダで飯は食うが、いつまでも食費は払わず居座る。そのくせ「俺は客だ。客を飢えさせるな。飯を出せ」と一丁前に口をきく。そういった輩。
かっこ悪いと思わないのだろうか。あれこれ屁理屈をこねて、金を出さずにコンテンツに触れることを、「スマートな消費者」「現代の消費者」などと気取っているのだろうか。気取ってたとしたら大間違いで、実際はただのドケチにすぎない。
「金を出すのが偉い」と言いたいんじゃない。なにがなんでも「金を出そうとしない」という姿勢が、卑しくて、みみっちくて、大人として恥ずかしいからやめろと言いたい。「好きなコンテンツだから対価を差し出す」という行為の意味を理解できない人間は、一生かけても「コンテンツを楽しむ」なんて資格は得られないはずだ。
ましてや、そんな人間に「2期希望!」などと口を挟む資格もないだろう。「ごくつぶしが家を取り仕切る」ということに違和感を感じない感性ならば、もはやそれまでだ。一生ごくつぶしとして生きていればいい。
だからこそ、(特にお金のない層の筆頭たる学生さんは)「理屈をつけてコンテンツに金を落とさない」ことを自慢するような人にならないでほしい。
そんな感性を持ってしまったが最後、数ヶ月おきに、ババ抜きの札を引いては捨てるように、コンテンツを延々と消費していくことになる。一生かけて「これがとてもおもしろくってね!」と人に紹介できるようなコンテンツとの出会いはできなくなってしまうだろう。
なにも、目にしたアニメの円盤・グッズを全て買え、ということじゃない。本気で気に入った作品と出会えたなら、その思い出として、第1巻を買ってみればいい。「私を楽しませてありがとう」と、そんな気持ちから購入してみればいいのだ。もちろん、お金を用意するために、時間をかけたって構わない。
そしてなにより、「本気で好きになった作品に、お金を出すという形でコミットできる」ということを、それがとても素晴らしいことなのだとを、知ってほしい。その結果得られる気持ちは、ケチケチと過ごす人生では得られないものなのだ。
……ということを、怒りに任せて書き殴るということ自体が、もうなんだかすでに悲しい。
なんだろうなぁ。「好きなアニメならどんなに高くても円盤は買う」っていう姿勢がおかしいなんて、そんなおかしなことがあっていいはずはないのになぁ。そんななりふり構わない生き方が「オタク」なんだと思っていたんだけれども。