韓国次期大統領選の世論調査で支持率2位になった安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事=共に民主党=が日本との歴史問題について、「戦争性奴隷(旧日本軍従軍慰安婦)などに関する真実を明らかにする過程とは別に、経済・外交などの協力は我々が主導する『ツートラック(two track、歴史問題と経済などを分離した対応)』を提案する」と8日、明らかにした。
安熙正氏は同日、ソウル市中区のソウルプレスセンターで行われた保守団体「韓半島未来財団」の講演で、「戦争犯罪と人権蹂躙(じゅうりん)に対する真実を明らかにする問題には歴史的な時効がなく、政府間交渉で覆い隠し、そのままにしておける性質の問題でもない。しかし、歴史問題で韓国と日本の間の経済上・外交上のあらゆる懸案が漂流しているため、こうした分野に関する戦略的協力を拡大しながらアジアの平和と繁栄を成し遂げていかなければならない」と述べた。
安熙正氏はこの講演で「力のある国防」を強調、中高年層を中心とした聴衆約300人から十数回拍手を浴びた。同氏は「しっかりとした国防力を持たなければ、中国や北朝鮮などを相手に主導的な外交ができない。北朝鮮の核問題を含め、いかなる脅威にも独自の対応が可能な物理的な力を確保すべきだ。米国だけに依存してはならならないから、戦時作戦統制権を持つべきだ」とも語った。終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備に関しては、「残念ながら、現実としては中国の指導者たちが(THAAD配備を)尊重してくれればと思う」と述べた。