「まず乗客を救助」 日ごろの訓練成果を発揮したバス運転手

 麗水市庁の職員たちも事故が惨事になるのを防ぐため尽力した。火事が発生したバスに乗っていた同市の女性職員ナム・ギョンヒョンさん(31)は脱出するとすぐに近くの市庁舎に駆け込み、ほかの職員たちに助けを求めた。帰宅の準備をしていたキム・チョルシクさん(50)ら職員約20人は消火器5台と屋内消火栓の消火ホースを持って初期消火を行った。このバスは圧縮天然ガス(CNG)車で、燃料タンクが車両下部の中央あたりにある。燃料タンクが炎にさらされると爆発する危険性が高い。火事の通報から3分後の午後6時36分に消防隊が現場に到着、午後6時46分に鎮火した。麗水消防署は「麗水市職員がいなかったら燃料タンクが爆発し、被害が拡大していただろう」と語った。

 イム運転手は、乗客が避難する際の騒ぎに乗じて後ろのドアから逃げようとしていたムン容疑者を目撃、バス前方のドアから急いで降りて容疑者を100メートルほど追いかけ、捕まえた。

 ムン容疑者は3年前に放火未遂で収監されたが先月出所、今回また放火事件を起こした。麗水警察署は現存自動車放火致傷の疑いでムン容疑者の逮捕状を請求した。ムン容疑者は警察の取り調べに対し、「土地補償金問題の不満を世間に知らせようと火をつけた」と供述している。ムン容疑者は放火を事前に計画、事件現場から約300メートル離れた塗装店でシンナーを購入していたことが確認された。

麗水=チョ・ホンボク記者
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