豚インフルエンザでは、脳症になる割合が多いという。
《 インフル脳症、新型は季節性の倍以上 》──
インフルエンザ脳症の患者数が7月以降、28都道府県で計132人に上ることが、国立感染症研究所の調査でわかった。
季節性インフルエンザによる脳症患者の報告は例年40〜50人で、新型インフルエンザが流行し始めてから4か月で、その2倍以上に達した。
脳症は、ウイルスによって免疫系が過剰反応し、脳が腫れた状態になる病気。132人の脳症患者の年齢は1〜67歳で、大多数は15歳未満が占めている。最も症例が多かったのは7歳(22人)で、1〜3歳に多い季節性インフルエンザの脳症に比べて年齢が高い。
感染研の岡部信彦・感染症情報センター長は「呼びかけへの反応が鈍い、普段と異なった意味不明のことを言うなどの症状がある場合は、脳症の恐れがある。早急に小児科医へ相談してほしい」と呼びかけている。
( → 読売新聞 2009-11-23 )
これについて、もう少し詳しい情報を求めたところ、次のサイトが見つかった。
→ インフルエンザ脳症の解説
これによると、ことがわかる。
- インフルエンザ脳症の病型は、急性壊死性脳症、ライ症候群、HSE症候群(HSES)などに分類されています。
- インフルエンザ脳症の発症機序は、今だ解明されていません。
- ウイルスが直接に脳を侵すのではない。
- しかし、インフルエンザウイルスから放出される物質(酵素など)が、血管内皮細胞を障害する可能性は、残ると思われます。
- サイトカインにより全身の血管内皮細胞が障害される。
- インフルエンザには、解熱剤として、非ステロイド性消炎剤(NSAIDs)を使用しない。
厚生労働省は、インフルエンザによる発熱では、解熱剤として、非ステロイド性消炎剤(NSAIDs)のジクロフェナクナトリウム(医薬品名:ボルタレン)を使用しないように通達しています。この薬は、使ってはいけない。しかし現実には、かなり広範に使われている。処方された人の報告は多数ある。
→ Google 検索
この件に関連して、「ボルタレンは、子供には駄目」と主張する人もいるが、誤りだ。子供だけでなく、大人にも駄目である。
使ってもいいのは、次の二つだけだ。
・ アセトアミノフェン
・ イブプロフェン
ところが、現実には、多くの開業医がいまだにボルタレンを使っている、という実態がある。医師会が「使っては駄目」と連絡しても無視されるそうだ。
医師会員つうか開業医なんてみんな「お山の大将」ばかりですから、人の言う事なんて聞きゃしません。休日診療担当理事の先生とご一緒したとき、「何度も通知出したのに、いまだにインフルの子供にボルタレン出す人がいるんだよ...」と嘆息していたのを見て、……──
( → 出典(コメント欄) )
結論。
子供はインフルエンザ脳症になる可能性が、かなりある。ただし、それは「医者に行かなかったから」というよりは、むしろ逆で、「医者に行って、ボルタレンを処方されたから」ということが原因である可能性がかなりある。
岡部・感染症情報センター長は、「医者に行け」と言うが、それではかえって逆効果でさえあるのだ。
医者を信用するべからず。ボルタレンを処方されたら、「ヤブ医者だ」と思って、ボルタレンを廃棄するべし。なお、「ポンタール」という薬も同様。
( ※ そもそも「解熱剤」というものが、通常は不要である。 → 風邪と解熱剤 )
( ※ 特に、アスピリンは危険であるようだ。「インフルエンザではアスピリンを使ってはいけない」と、肝に銘じておこう。特に、子供にはそれが適用される。詳しくは、上記の「インフルエンザ脳症」のサイトを参照。特に、「5.解熱剤に関して」という項目。)
( ※ ネット上を検索すると、「サリチルアミド」も危険であるとわかる。ただし、これを処方する医者は、とても多い。「小児用PL顆粒」というのが広く利用されているが、これには「サリチルアミド」が含まれているので危険である。注意!)
[ 付記 ]
先に紹介した「インフルエンザ脳症」のサイトには、次の説明もある。(ワクチンについて。)
インフルエンザの予防接種(インフルエンザワクチン)を受けても、インフルエンザ脳症の発症を、予防出来ないようです。
インフルエンザの予防接種が、インフルエンザ脳症を予防する効果があるかに関して、厚生労働省の見解(主任研究者:森島恒雄教授)では、「インフルエンザ脳症を発症した事例の間で、ワクチン接種の有無について有意な差は無く、インフルエンザワクチンの接種によるインフルエンザ脳症の予防、インフルエンザ脳症の重症化の予防について、明らかな効果は見いだされていません」とのこと。
ただし、「インフルエンザワクチンの接種により、インフルエンザの発症が防げるのであれば、論理的にはインフルエンザ脳症の発症リスクは回避あるいは軽減されるとも考えられます」。
インフルエンザの予防接種を2回受けていたにもかかわらず、インフルエンザ脳症を発症した症例が、複数、報告されています。
【 参考情報 】
(1)
「インフルエンザ脳症」という病気は存在しない、と主張する見解もある。いわゆる「インフルエンザ脳症」というのは、ただの薬害にすぎない、という主張だ。
→ インフルエンザ脳症について
それによると、「インフルエンザ脳症」という名称は、日本だけに見られるものだという。
ちなみに、Wikipedia の「インフルエンザ脳症」という項目を見てみたら、その項目には対応する英語項目が存在しなかった。なるほど、たしかに、「インフルエンザ脳症」という名称は、日本だけに見られるものらしい。
(2)
いっそう詳しい情報も得られた。「インフルエンザ脳症」という病気(薬害?)は、そもそも日本だけで見られるものだという。欧米にはそんなものは、ほとんど存在しないという。
そもそも、アメリカ、イギリス、オーストラリアでは、インフルエンザから脳症になるケースがほとんどないそうです。
脳症患者の65%は解熱剤を使用していた。そのうち、解熱効果が高いメフェナム酸(商品名ポンタールなど)を使った患者の死亡率は67%、ジクロフェナクナトリウム(同ボルタレンなど)では52%。解熱剤を使わなかった患者の死亡率は25%。これを元に統計学的に処理すると、死亡の危険度は、使わなかった場合に比べ、それぞれ 4.6倍、3.1倍高かった。 ( ※ 読売新聞の孫引き。)
( → 世界子育てネット )
[ 余談 ]
インフルエンザ脳症が解熱剤のせいだとすれば、冒頭の記事( インフル脳症、新型は季節性の倍以上 )というのも、人災である可能性がある。
つまり、何も騒がなければ、人々は医者に行くことが少ないし、解熱剤をもらうことも少ない。だから、インフルエンザ脳症にかかる患者も少ない。
ところが、豚インフルエンザの騒ぎで、人々はどんどん医者に行くし、医者はバンバン解熱剤を処方する。特に、「簡易検査で陰性だから、タミフルのかわりに解熱剤だけ処方しておきます」という医者がたくさんいる。かくて、解熱剤を処方される患者が大量に出現するので、季節性インフルエンザよりも軽そうな豚インフルエンザで、かえってインフルエンザ脳症の患者が増えてしまう、というわけだ。……そういうシナリオが推定できる。
とにかく、「インフルエンザ脳症を防ぐためには、医者に行け」という結論は出ない。それでは話が逆である。「インフルエンザ脳症にかかりたければ、医者に行って(危険な)解熱剤をもらえ」となるのだ。
岡部・感染症情報センター長は、見当違いのことを言わないでほしいね。「相手が名医かヤブ医者かもわからずに、とにかく医者に行け」と語るよりは、医者に向かって「これこれの解熱剤を使うな」と語ることの方が、先決だろうに。あるいは、国民に向かって、「ヤブ医者の処方する危険な解熱剤を使うな」と告知するべきだろう。
ところが、政府も医者もマスコミも、まともに情報を公開しない。だから私がここで、きちんと情報を提供するわけだ。
( ※ 特に、「小児用PL顆粒」というのを使う医者が多いので、ご注意あれ。そこに含まれているサリチルアミドは、危険な解熱剤だ。)
【 関連サイト 】
下記ページにかなり詳しい情報がある。
→ http://www.sasayama.or.jp/wordpress/?p=1102
奥さんの妊娠中には、医者や助産婦はかならずこのことを言いました。病院にあるインフルエンザに関する冊子にも、必ず書かれていますね。
「欧米での報告はあまりなく、日本人特有の症状ともいわれ」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/health/CK2009110602000076.html
しかし記事には、次の言及もある。
「「サイトカインの働きを抑える力が遺伝的に弱いのではないか」(森島教授)とみる。」
日本小児科学会新型インフルエンザ対策室長を務める森島恒雄岡山大教授
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これは変だ。
科学的に言って、「日本人特有の症状」なんてものはありえないのだが。また、「サイトカインの働きを抑える力が遺伝的に弱い」としたら、脳症になるよりも、肺炎になるはずなのだが。
つまり、肝心の専門医が、メチャクチャなデタラメを言っているわけだ。そして、それこそが、日本でだけインフルエンザ脳症が起こる原因だろう。
仮に、「日本人特有の症状」なんてものなんてものがあるとしたら、それは、「馬鹿」という症状だ。
衝撃の実話。
http://moewe.wind-valley.jp/ephtalites/myblog/archives/2005/07/post_112.html