米軍駐留費:韓国政府、「日本より多いGDP比国防費」をアピールへ

 韓国政府も、米国のトランプ政権が在韓米軍の防衛費分担金の引き上げ問題を提起する可能性が高まっているとみて、多角的な対策の整備に苦心している。

 韓国の在韓米軍防衛費分担金は昨年9441億ウォン(現在のレートで約923億円。以下同じ)に達し、これは在韓米軍駐屯費総額の半分に迫る額といわれている。防衛費分担金は、1991年の1億5000万ドル(約169億円)から始まって、毎年2.5%からおよそ20%までの範囲で増えてきた。2014年からは、有効期間5年の「第9次防衛費分担特別協定」合意事項が適用されており、19年以降の防衛費分担金に関する交渉は来年から本格化する-と韓国政府の消息筋は語った。

 防衛費分担金は人件費・軍事建設費・軍需支援費に分けて使われている。人件費は、在韓米軍に勤務する韓国人労働者の賃金を支援するもので、人件費総額の75%以内で提供される。

 軍事建設費は、兵舎・環境施設など在韓米軍施設の建設を支援するもので、軍需支援費は弾薬の貯蔵、航空機の整備、鉄道・車両輸送支援などのサービスおよび物資支援を行うもの。

 韓国政府は、米国側の防衛費分担金増額要求に対し、まず韓国の国内総生産(GDP)に対する防衛費分担金の割合は0.068%(2014年)に達し、日本(0.074%)とほぼ同等でドイツ(0.016%)より高いという点を強調する計画だ。

 また、韓国の国防費のGDP比は2.4%(2016年)で、日本(1%)はもちろん英国(2.21%)、フランス(1.78%)、ドイツ(1.19%)より高いという点も浮き彫りにする方針だ。米国は国防費のGDP比が3.61%と高い方に属し、これを根拠に欧州や韓国、日本などを圧迫している。

 米軍が駐留している国の中で韓国にだけ存在する「KATUSA」(在韓米軍の部隊に配属された韓国人将兵)にも、毎年100億ウォン(約9億8000万円)前後の予算が投じられており、米国から大規模な武器の輸入を行っている点も、トランプ政権を説得する重要な根拠資料として活用される見込みだ。防衛事業庁によると、2006年から昨年10月までのおよそ10年間に、韓国は米国から36兆360億ウォン(約3兆5250億円)相当の武器を購入しており、世界最大の米国製兵器輸入国であることが明らかになった。平沢米軍基地の造成でも、韓国側は半額を超える8兆9000億ウォン(約8700億円)を負担した。

ユ・ヨンウォン記者
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