口蹄疫:韓国全域に移動禁止命令、ワクチン一斉接種実施へ

口蹄疫:韓国全域に移動禁止命令、ワクチン一斉接種実施へ

 韓国政府は口蹄疫(こうていえき)対策として、6日午後6時から30時間、韓国全域のウシ・ブタ農場などで人と動物の移動を禁じた。口蹄疫のため韓国全域で移動禁止命令が出るのは、今回が初めて。

 農林畜産食品部(農食品部。省に相当)は6日「全羅北道井邑市山内面の韓牛(韓国伝統の肉牛)農場で飼育されている韓牛48頭のうち6頭がよだれを垂らすなど口蹄疫の症状を示し、精密検査を行った結果、口蹄疫と確定した」と発表した。また、これに先立ち、今月5日に確定の判定が出た忠清北道報恩郡の乳牛農場の口蹄疫ウイルスを遺伝子検査した結果、2014年から16年にかけて韓国国内で発見されたウイルスとは異なるもの(O/ME-SA/lnd 2001遺伝型)と確認された。

 検疫当局は「東アジアやロシアなど海外から流入した可能性が高いが、韓国国内で接種している従来のワクチンが通用するタイプ」とコメントした。

 口蹄疫拡大の兆しが表れていることを受け、韓国政府は口蹄疫危機警報を「注意」(第2段階)から「警戒」(第3段階)へ格上げするとともに、移動禁止命令を出した。これにより、8日午前0時に命令が解除されるまで、家畜の移動が禁止されるのはもちろん、畜産関連の従事者や車両も農場・食肉解体場・飼料工場などに出入りできない。

 移動禁止命令が終了しても、忠清北道・全羅北道地域のウシ・ブタは、14日午前0時まで7日間はほかの道への搬出が禁止される。ただし、牛肉・豚肉など食用肉は例外だ。

 また韓国政府は、今週中に韓国各地で飼育中の韓牛・乳牛合わせて330万頭を対象に、口蹄疫ワクチンの一斉接種を実施すると決めた。口蹄疫と確定した忠清北道報恩の乳牛農家で、抗体の形成率が19%にすぎなかったのが接種の理由だ。

 ウシ・ブタ・シカ・ヤギなどがかかる口蹄疫は、体温が上昇し、口や舌、ひづめの周りなどに水ぶくれができるのが特徴。人には感染しないが、家畜には空気感染する上、致死率が55%に達する。

 口蹄疫は、主として口蹄疫の発生地域を旅行した農場主や外国人労働者などを介して海外から持ち込まれるケースが多い。ワクチン接種が義務化されたにもかかわらず口蹄疫の発生が続いている原因に関して、韓国政府は「ワクチンの効果の問題というより、ワクチン接種農家の側に過失があった可能性が高い」とコメントした。ワクチン接種の周期をきちんと守らなかったり、ワクチン保管や投薬の過程にミスがあったりしたのだろう、という意味だ。農食品部によると、昨年12月の時点で口蹄疫ワクチンの抗体形成率はウシが97.5%、ブタが75.7%に達するが、これは標本調査の結果にすぎず、農場によって偏りが大きい。

安俊勇(アン・ジュンヨン)記者
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