施行から丸10年が過ぎて見えた、韓国「性売買特別法」の功績と“罪過”

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というのも、まず性売買の舞台が国内から海外へと移ったという指摘があるからだ。

例えば、2009年の海外性売買に関連する検挙者数は128人だったが、2013年は496人と4倍近くまで増加。検挙者が性売買を行っていた国としては、61%の日本が最多であり、フィリピン、アメリカ、オーストラリアなどが続いている。

そして、韓国国内の風俗事情が“進化”を遂げていることも見逃せない。

ルームサロン(ホステス付きの個室クラブ)などの売春行為の温床となっている“飲み屋”は、2004年当時3万軒に過ぎなかったが、2014年には4万5000軒と1.5倍に増加。個室にカラオケやシャワーを完備した“ホテル型風俗店”の数も増えており、その摘発数は2013年11月からの3カ月間に975件に上り、前年同時期の441件を大幅に更新している。

女性とキスを楽しめる“キス部屋”などの新型風俗店の摘発数も上昇。警察の資料によると、2010年の2068件から2013年は4706件に、2014年も7月までに3620件が摘発されている。

さらに問題なのは、そうした新型風俗店には、営業停止や閉鎖などの行政処分が下せないという点だ。